アプリケーションのネットワーク機能を選択する際に最も重要な要素は、そのアプリケーションが使用する通信モデルです。各通信モデルによりデータ転送要件は異なり、各要件にはそれを満たす目的で設計されたネットワーク機能が存在します。以下の表は、最も一般的な通信モデルとそれに推奨されるネットワーク機能を記載しています。

通信モデル 説明 サンプル 推奨されるネットワーク機能
処理されたデータ 最新値のみを転送。通常、1つまたは複数のターゲットからホストコンピュータへ転送。 組込コントローラが温度データを集録し、ユーザがシステムの状態を監視できるようにデータポイントを定期的にホストコンピュータへ転送するアプリケーション。 シェア変数
ストリーミング すべてのデータポイントを高スループットで転送。通常、データを書き込む1つのコンピュータからデータを読み取り、表示、処理するもう1つのコンピュータへ転送。 組込コントローラがモータから振動データを集録し、すべてのデータポイントを解析および処理するホストコンピュータにストリームするアプリケーション。 ネットワークストリーム*
コマンドベース 1つのコンピュータ (コマンダ) から、特定のイベントをトリガする相手のコンピュータ (ワーカー) への短いレイテンシのデータ転送。コマンドベース通信は通常低頻度で使用され、データポイントを見逃さないことが必要。 ユーザがヒューマンマシンインタフェース (HMI)アプリケーションの停止ボタンをクリックすると、そのアプリケーションがコンベアベルトを制御しているCompactRIOターゲットに停止コマンドを送信してコンベアベルトをシャットダウンする。 ネットワークストリーム*

* ネットワークストリームは、Windowsおよびリアルタイムシステムでのみ使用できます。

コンピュータで実行しているOSやデータの転送先であるアプリケーションによっては、上の表に記載された以外のネットワーク機能が必要となる場合もあります。次のフローチャートを使用して、お使いのアプリケーションの要件に最適なネットワーク機能を確認してください。

シェア変数により最新値をネットワークで共有するLabVIEW WebサービスTCP、UDP、および他の低レベル通信アプリケーションでLabVIEWを使用するアプリケーション間でデータを継続的にストリームする

LabVIEWでは以下のネットワーク機能も使用できます。

  • BluetoothVIおよび関数を使用して、Bluetoothデバイスにワイヤレス接続を確立する。
  • IrDA関数を使用して、Infrared Data Association (IrDA)デバイスにワイヤレス接続を確立する。
  • LabVIEW Webサーバリモートフロントパネルを使用して、VIのフロントパネルをリモートで表示および制御する。
  • OPCシステムに接続して、工業ネットワークからライブデータを取得する。
メモ 多くのリアルタイムアプリケーションのように、アプリケーションがシステム起動時に自動的にロードされる場合は、ネットワークが完全に構成される前にアプリケーションが起動することがあります。システムが接続要求をネットワークインタフェースに送信できるようになるまで、ネットワーク接続が失敗することがあります。「構成されたネットワークを待機」VIを使用して、システムが要求を送信できるようになるまで自動ネットワーク接続要求を待機させることを検討してください。