標準ファイルからテストデータを抽出する際のSystemLink Enterpriseの動作について説明します。

標準ファイルには、BDC (Bench Data Connector) ファイルとSTDF (Standard Test Data Format) ファイルが含まれます。各ファイルタイプについて、NIはNotebookの実行を使用して、3つのテストデータシナリオについてデータ抽出をテストし、パフォーマンスを測定しました。

データ抽出のテスト条件

NIは、以下のインフラストラクチャおよび測定条件下でパフォーマンスを評価しました。

以下のパラメータの影響についてはNIは評価をしませんでした。
  • 1回の実行内での複数ファイルの抽出
  • 並列抽出
  • 既存のデータセット
表 50. データ抽出テストのインフラストラクチャ条件と測定条件
条件 説明 仕様
実行ポッド Kubernetes (AWS EKS) がデプロイおよび管理する実行ポッド
  • メモリ: 2 GB
  • CPU: 100 m
テストモニタサービス Kubernetes (AWS EKS) がデプロイおよび管理するテストモニタサービス
  • 複製: 自動スケール (デフォルト: 2、最大: 10)
  • ノード仕様:
    • タイプ: r6a.4x large
    • vCPU: 16
    • RAM: 128 GiB
  • ポッド仕様
    • CPU: 250 m
    • メモリ: 320 Mi (最大512 Mi)
テストモニタデータベース RDS PostgreSQLの単一インスタンスとしてソースされたテストモニタデータベース
  • PostgreSQL version: 14.7
  • インスタンスクラス: db.t4g.xlarge
  • vCPU: 4
  • RAM: 16 GiB

BDCファイルのデータ抽出のパフォーマンス

BDC (Bench Data Connector) ファイルは、テストに関するパラメトリックデータを格納するテストデータファイルです。BDCファイルは、以下の3種類の行から構成されています。
表 51. BDCの行のタイプおよび説明
行のタイプ説明
列ヘッダ列の名前

列ヘッダはそれぞれ固有である必要があります。

列タイプ列に含まれるデータのタイプ

列タイプは、METASTDCOND、またはINFである必要があります。

計測データ各測定に関連付けられた値
BDCファイルの詳細については、「Bench Data Connector Logging Libraries」を参照してください。
表 52. BDCファイルの各テストシナリオのデータセット特性
特性 シナリオ1: 種類が多く、量が多い シナリオ2: 種類が中程度で、量が中程度 シナリオ3: 種類が少なく、量が少ない
シナリオの説明 多くのステップで多くの結果 中程度のステップで中程度の結果 少ないステップで少ない結果
STD 4 4 4
COND 20 15 10
INF 20 15 10
META 16 16 16
結果の数 (META列の組み合わせ) 89 61 36
ステップ数 (COND列の組み合わせ) 10-890 10-610 10-360
ステップあたりの測定値の数 25 25 25
測定値の概算総数 100万 500,000 200,000
表 53. BDCファイルの各テストシナリオのパフォーマンス概要
特性 シナリオ1: 種類が多く、量が多い シナリオ2: 種類が中程度で、量が中程度 シナリオ3: 種類が少なく、量が少ない
シナリオの説明 多くのステップで多くの結果 中程度のステップで中程度の結果 少ないステップで少ない結果
平均抽出時間 12分6秒 4分53秒 1分52秒
1時間あたりの概算抽出レート 5ファイル 10ファイル 28ファイル

STDFファイルのデータ抽出のパフォーマンス

STDF (Standard Test Data Format) ファイルは、半導体の製造およびテストで得られるテスト/計測データを格納するバイナリファイルです。STDFファイルの詳細については、「Standard Test Data Format (STDF) Specification」を参照してください。

表 54. STDFファイルの各テストシナリオのデータセット特性
特性 シナリオ1: 種類が多く、量が少ない シナリオ2: 種類が少なく、量が非常に多い シナリオ3: 種類が少なく、量が多い
シナリオの説明 少ないステップで多くの結果 非常に多くのステップで少ない結果 多くのステップで少ない結果
結果数 5,000 20 20
ステップ数 1,000 54,000 25,000
ステップあたりの測定値の数 1 1 1
測定値の概算総数 500万 100万 500,000
表 55. BDCファイルの各テストシナリオのパフォーマンス概要
特性 シナリオ1: 種類が多く、量が少ない シナリオ2: 種類が少なく、量が非常に多い シナリオ3: 種類が少なく、量が多い
シナリオの説明 少ないステップで多くの結果 非常に多くのステップで少ない結果 多くのステップで少ない結果
平均抽出時間 2時間22分18秒 38分10秒 18分10秒
10時間あたりの概算抽出レート 4ファイル 15ファイル 33ファイル