クラスタは、タイプの異なるデータ要素をグループ化します。クラスタの例として、ブール値、数値、文字列を組み合わせたLabVIEWエラークラスタなどがあります。クラスタは、テキストベースのプログラミング言語におけるレコードまたは構造体に似ています。

いくつかのデータ要素をクラスタにまとめることによって、ブロックダイアグラム上のワイヤの混雑を取り除き、サブVIに必要なコネクタペーン端子の数を減らします。コネクタペーンには、最大28個の端子があります。フロントパネル上に別のVIに渡したい制御器および表示器が29以上ある場合は、制御器および表示器の一部を1つのクラスタにグループ化して、このクラスタをコネクタペーン上の端子に割り当てます。

ブロックダイアグラム上のほとんどのクラスタには、ピンク色の配線パターンとデータタイプ端子があります。エラークラスタには濃い黄色のワイヤのパターンおよびデータタイプ端子が含まれています。数値のクラスタは (ポイントと呼ぶこともあります)、茶色の配線パターンとデータタイプ端子を持っています。茶色の数値クラスタを「」や「平方根」のような数値関数に配線し、クラスタのすべての要素に対して同時に同じ演算を実行することができます。

クラスタ要素の順序

クラスタおよび配列要素はどちらも順番が付いていますが、「バンドル解除」関数を使用してすべてのクラスタ要素を一度にバンドル解除する必要があります。「名前でバンドル解除」関数を使用すると、名前でクラスタ要素をバンドル解除できます。「名前でバンドル解除」を使用する場合、各クラスタ要素にラベルを付ける必要があります。クラスタは、固定サイズであるという点でも配列と異なります。配列の場合と同様に、クラスタは制御器または表示器のいずれかです。1つクラスタでは、制御器と表示器を併用することはできません。

クラスタ要素にはシェル内の位置に関係のない論理上の順位が割り当てられます。クラスタに配置する最初のオブジェクトは要素0、2番目のオブジェクトが要素1などのようになります。要素を削除すると、この順位は自動的に調整されます。クラスタ順序によって、要素が「バンドル」関数および「バンドル解除」関数の端子としてブロックダイアグラム上に表示される順序が決まります。クラスタ順序を表示したり、修正したりするには、クラスタの枠線を右クリックしてショートカットメニューからクラスタ内の制御器の並び替えを選択します。

クラスタを相互に配線する場合、両方のクラスタの要素数を同じにする必要があります。クラスタ順序によって決定される対応要素は、データタイプとの互換性がある必要があります。たとえば、1つのクラスタの倍精度浮動小数点数値がクラスタ順位で他のクラスタの文字列に対応する場合、ブロックダイアグラム上の配線は破線で表示され、VIは実行されません。数値が異なる表現の場合、LabVIEWはこれらの数値を同じ表現に強制的に変換します

クラスタ関数

クラスタを作成して操作するには、クラスタ、クラス、バリアントVIおよび関数を使用します。たとえば、以下のようなタスクを実行できます。

  • クラスタから個々のデータ要素を抽出する。
  • クラスタに個々のデータ要素を追加する。
  • クラスタを個々のデータ要素に分割する。

クラスタ制御器、表示器、および定数を作成する

以下のフロントパネルのとおり、フロントパネルにクラスタシェルを追加し、データオブジェクトまたは要素 (数値、ブール値、文字列、パス、Refnum、クラスタ制御器、またはクラスタ表示器など) をクラスタシェル内にドラッグして、フロントパネルにクラスタ制御器または表示器を作成します。

ブロックダイアグラム上にクラスタ定数を作成するには、関数パレットでクラスタ定数を選択してクラスタシェルをブロックダイアグラムに配置し、次に文字列定数、数値定数、ブール定数、またはクラスタ定数をクラスタシェル内に配置します。クラスタ定数を使用すると、定数データを保存するか、または他のクラスタと比較する基準として保存できます。