以下の表に示すように、ケースストラクチャのセレクタラベルには、1つの値か、値のリストまたは範囲を入力できます。

値のタイプ 値のタイプの説明
数値範囲
  • 数値範囲―範囲を10..20 (10~20のすべての数値の場合) のように指定します。
  • 上限/下限のない数値範囲―範囲を..100 (100以下のすべての数値の場合)、および100.. (100以上のすべての数値の場合) などのように指定します。
  • リストと範囲―カンマを使用し、..5, 6, 7..10, 12, 13, 14などのように値を区切ります。同じケースセレクタラベルに重なる範囲が含まれる値を入力すると、ケースストラクチャは、コンパクトな形式でラベルを再表示します。この例では、..10, 12..14と再表示されます。
メモ セレクタ端子がエラークラスタに配線されている場合、LabVIEWは、セレクタラベルの数値を、その数値や範囲にエラーを追加することによりエラーコードに変換します。
文字列範囲 a..cの範囲には、aまたはbで始まる文字列のすべてが含まれますが、cで始まる文字列は含まれません。文字列範囲は大文字と小文字を区別します。たとえば、LabVIEWでは文字列範囲を決める際にASCII値を使用するため、A..cの範囲はa..cの範囲とは異なる動作になります。
列挙体の値 値は引用符で囲まれて表示されます (例:"red""green"、および"blue")。ただし、文字列や列挙された値にカンマまたは範囲記号 (","または"..")が含まれていない場合は、値を入力するときに引用符を入力する必要はありません。文字列の値には、英数字以外の文字に特別な"\"コードを使用します。たとえば、復帰文字には\r、改行文字には\n、タブには\tを使用します。

ケースストラクチャのケースセレクタに接続されたワイヤのデータタイプを変更した場合、可能であれば、ケースストラクチャはセレクタラベル値を自動的に新しいデータタイプに変換します。たとえば、数値19を文字列に変換すると、文字列値は“19”になります。文字列を数値に変換する場合、LabVIEWは数値を表す文字列の値だけを変換します。他の値は文字列のまま残されます。数値をブール値に変換する場合、0はFALSEに変換され、1はTRUEに変換されます。それ以外のすべての数値は文字列になります。

ケースセレクタに配線されたオブジェクトとして同じタイプでないセレクタラベル値を入力した場合、この値は赤で表示されます。これは、その値を削除または編集するまで、VIを実行しないことを示します。

メモ 浮動小数点値は、浮動小数点演算特有の丸め誤差が生じる可能性があるため、セレクタラベル値として使用することはできません。ケースセレクタに浮動小数点値を配線すると、LabVIEWはその値を最も近い整数に値を丸めます。セレクタラベルに浮動小数点値を入力すると、その値は赤で表示されて、ストラクチャを実行する前に値を削除または編集する必要があることを示します。固定小数点数もセレクタラベル値としては使用できません。ケースセレクタに固定小数点数を配線すると、VIが実行ボタンが壊れた状態で表示されます。