オフセットヌルは、測定パスで対応するゼロの読み取り値を測定し、この値を後に続くサンプル値から減算する機能です。

ゼロの読み取り値を取得するためのリード線接続方法は、実行している測定の種類によって異なります。

オフセットヌルを実行するには、以下の手順に従ってください。

  1. DMMに接続しているリード線をDUTから切断します。
  2. DC電圧、インダクタンス、または抵抗を測定している場合、入力リード線を短絡して対応するゼロの読み取り値を取得します。DC電流またはキャパシタンスを測定する場合、リード線を接続せずに対応するゼロの読み取り値を取得します。スイッチシステムでは、短絡または開回路専用のチャンネルを使用して開回路測定または短絡回路測定を行うことが可能です。測定パスによって導入されるオフセットを最小限に抑えるため、低熱電圧およびローパス抵抗のケーブルとスイッチを使用することをお勧めします。詳細については、「熱電圧」セクションを参照してください。
  3. 測定値を記録します。
  4. リード線をDUTに接続し、手順3で測定された値を後に続くすべての測定値から減算します。

減算操作は、ADEを使用してプログラミングするか、InstrumentStudioでオフセットヌルを使用して実行できます。

キャパシタンスおよびインダクタンスの測定には、オフセットヌルを使用してオフセット誤差を除去する方法よりもOPEN/SHORT補正を使用することを推奨します。OPEN/SHORT補正は、テスト周波数で装置/ケーブル特性を実行してオフセットおよびゲインエラーを補正します。オフセットヌルを使用した場合、装置/ケーブルに存在するオフセットの減算を行うだけです。

10 kΩ以下のレンジの抵抗測定では、オフセット補正抵抗を有効にできます。これにより、オフセットヌルのみを実行するよりも効果的に測定パス上のオフセットを除去できます。