NI 4070
- 更新日2023-08-23
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NI 4070
NI 4070は、PXIおよびPCIバス用の6½桁DMMです。NI 4070は、1.8 MS/sで波形を集録できます。NI 4070の仕様については、関連ドキュメントの「NI 4070 仕様」を参照してください。
相互接続とケーブル
NI 4070モジュールのフロントパネルには、5つのコネクタ (4つのバナナコネクタと1つの9ピン ミニサーキュラDINコネクタ) が装備されています。4つのバナナプラグコネクタは、安全機関認証の高電圧信号対応コネクタです。AUX I/Oとラベル表示されている9ピンDINコネクタは、デジタル信号コネクタで、トリガとSCXI 通信信号を送信します。フロントパネルコネクタと配線についての説明は、「NI 4070 フロントパネルへの接続」を参照してください。
NI 4070の入力コネクタは金メッキ、低熱起電力の銅でできており、優れた低電圧性能を提供します。絶縁素材はLexanの合成材で、あらゆる環境における動作レンジでの漏れ電力を最小限に抑えます。
NI 4070と一緒に使用する場合、NIではBelden 83317Eと類似した特性のあるケーブルを選択することを推奨します。このケーブルについては、Belden CDT Incorporated のWebサイト (www.belden.com) 参照してください。
四フッ化エチレン樹脂 (PTFE) テープで包装することで、漏れ電力を最小に抑えることができます。銀メッキの銅伝導体は、低熱起電力であるため低電圧測定に最適です。90%以上のシールド効果のあるケーブルを使用してください。
絶縁体の種類 | AWG | 伝導体の素材 | 1フィートあたりの抵抗値 | 1フィート当たりのキャパシタンス |
---|---|---|---|---|
TFE | 26 | 銀メッキ銅 (標準) | 39 mΩ | 35.5 pF |
動作
NI 4070は、DMMとしての使用が可能で、最高1.8 MS/sの速度で波形を集録できます。次の表は、NI 4070のDMMモードでサポートされている機能と測定レンジを示しています。
DMM機能 | レンジ |
DC電圧 | 100 mV、1 V、10 V、100 V、300 V |
AC電圧 | 50 mV、500 mV、5 V、50 V、300 V |
DC電流1 | 20 mA、200 mA、1 A |
AC電流1 | 10 mA、100 mA、1 A |
2線式抵抗 | 100 Ω、1 kΩ、10 kΩ、100 kΩ、1 MΩ、10 MΩ、100 MΩ |
4線式抵抗 | 100 Ω、1 kΩ、10 kΩ、100 kΩ、1 MΩ、10 MΩ |
ダイオード | 10 V (1 µA/10 µA/100 µA時) 、4.5 V (1 mA時) |
周波数/周期2 | 1 Hz~500 kHz / 2 µs - 1 s |
1 NI 4070での標準レンジ外の電流を測定する場合、電流シャントモジュール (CSM) を使用する必要があります。詳細については、「電流を測定する」を参照してください。2 周波数/周期電圧レンジは、AC電圧レンジと同じです。 |
次の表は、波形集録でサポートされている機能とレンジを記載しています。
波形機能 | レンジ | カプリング |
電圧波形 | 100 mV、1 V、10 V、100 V、300 V | ACまたはDC |
電流波形1 | 20 mA、200 mA、1 A | DC |
1 NI 4070での標準レンジ外の電流を測定する場合、電流シャントモジュール (CSM) を使用する必要があります。詳細については、「電流を測定する」を参照してください。 |
次の表は、NI 4070で選択可能な入力抵抗を示しています。NIは、表示されたすべての入力抵抗において完全な確度が保持されるようにNI 4070をキャリブレーションします。
DCV | ACV | 波形集録 | |||
---|---|---|---|---|---|
レンジ | 入力抵抗 | レンジ | 入力抵抗 | レンジ | 入力抵抗 |
100 mV | 10 MΩ (デフォルト) または10 GΩ | 50 mV | 1 MΩ | 100 mV | 10 GΩまたは1 MΩ (デフォルト) |
1 V | 10 MΩ (デフォルト) または10 GΩ | 500 mV | 1 MΩ | 1 V | 10 GΩまたは1 MΩ (デフォルト) |
10 V | 10 MΩ (デフォルト) または10 GΩ | 5 V | 1 MΩ | 10 V | 10 GΩまたは1 MΩ (デフォルト) |
100 V | 10 MΩ (デフォルト) | 50 V | 1 MΩ | 100 V | 1 MΩ (デフォルト) |
300 V | 10 MΩ (デフォルト) | 300 V | 1 MΩ | 300 V | 1 MΩ (デフォルト) |
その他の機能
- セルフキャリブレーション
- オートゼロ
- オートレンジを構成する
- オフセット補正抵抗
- ADCキャリブレーション
- 入力抵抗
- 測定タイミングを構成する
- アパーチャ遅延
- DCノイズ除去
- 波形集録
- シングルポイント集録
- 測定完了信号を生成する
- スイッチモジュールをスキャンする
ヒューズを交換する
NI 4070は、速断型ヒューズを搭載してDMMとテストシステムを保護するよう設計されています。ヒューズの交換方法については、 ヒューズ交換を参照してください。
NI 4070をキャリブレーションする
キャリブレーションを行うことで、DMMの確度を最高に保持することができます。確度を保持するためにはキャリブレーションが不可欠です。NIでは、2年に1度外部でキャリブレーションすることを推奨しています。NI 4070を内部的にキャリブレーションするには、「セルフキャリブレーション」または「ADCキャリブレーション」の項を参照してください。NI PXI/PCI-4070/4072を外部キャリブレーションする方法については、NIの校正サービスWebサイトで『NI 4070/4072 6½-Digit FlexDMM Calibration Procedure』を参照してください。NI キャリブレーション エグゼクティブを使用したNI 4070のキャリブレーションについては、NIの校正サービスWebサイトを参照してください。NI計測器は、すべて出荷前にNISTキャリブレーション証明書を取得します。