一部のNI デジタイザは、ソフトウェアの介入なしに複数トリガによる波形集録を許可する、複数レコード集録 (再トリガ可能集録) をサポートしています。NI-SCOPEは、各レコードをデジタイザの別のメモリ位置に格納します。複数レコード集録をサポートするデジタイザの一覧については、「デバイスがサポートする機能」を参照してください。

複数レコード集録の主な利点は、複数のトリガによる高速波形集録が可能なことです。複数レコード集録では、デジタイザのハードウェアリアームが可能です。デジタイザのハードウェアは、後続のトリガを受信する前に複数の状態(デジタイザの集録エンジン状態図を参照)間を遷移する必要があります。2つのトリガが短い間隔で連続して受信された場合、2番目のトリガが検出されない場合があります。

  • 最初のレコードが完了する前に2番目のトリガが受信されると、2番目のトリガは無視されます。NI-SCOPEドライバでは、1つのレコードに対して1つのトリガしか受信できません。
  • 最初のレコードが完了して2番目のトリガを受信しても、デッドタイムが経過していない場合は、2番目のトリガは無視されます。
  • 最初のレコードが完了して2番目のトリガを受信し、デッドタイムも経過しても、連続レコード用のプレ基準トリガの最小サンプリングが完了する前に、2番目のトリガが受信されると無視されます。
  • 最初のレコードが完了してデッドタイムも経過し、連続レコード用のプレ基準トリガの最小サンプリングも完了した後に2番目のトリガが受信されると、トリガは受理されます。
メモ   上記の情報は、ホールドオフの値 (トリガホールドオフなど) が設定されていないことを推定しています。

基準トリガ間の最小時間

トリガ間の最小時間は、次のようにデッドタイムとレコードあたりの時間を基に計算できます。トリガ間の最小時間 = レコードあたりの時間 + デッドタイム

最大トリガレートは次のように計算できます。 最大トリガレート (Hz) = 1/ (トリガ間の最小時間)

基準トリガタイプが即時に設定されてすべてのホールドオフ値が0秒の場合、デジタイザは外部信号の存在に関わらず最大トリガレートでトリガします。

一部のデジタイザは、最小リアーム時間を指定します。最小リアーム時間は、レコード長が最小に近づいた時(たとえば、レコード長 = 1サンプル)の基準トリガ間の最小時間です。そのため、レコード長が1サンプルの場合、最大トリガレート (Hz) = 1/ (最小リアーム時間) になります。

複数レコードのサンプル

複数レコード集録の概要については、Multi Recordサンプルを参照してください。アプリケーションの「niScope_ConfigureHorizontalTiming」関数で、numRecordsパラメータを集録するレコード数に設定して変更を行います。デジタイザでは、指定されたすべてのレコードが集録されるまで、トリガを受信するたびに各レコードが集録されます。