汎用DAQ
- 更新日2025-08-27
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汎用DAQデバイスとは、データを集録または生成し、複数チャンネルの設定が可能なデバイスです。また、汎用DAQデバイスを使用して、正弦波などのアナログ信号やパルスなどのデジタル信号を生成することもできます。通常、これらのデバイスをプラグインスロットを介してコンピュータの内部バスに直接接続することができます。
汎用DAQ計測システムはコンピュータにインストールされたソフトウェアが実際の計測を行うため、他の計測システムと異なります。DAQデバイスは、入力信号をコンピュータが使用できるデジタル信号に変換する作業のみを行います。これは、同じDAQデバイスが、データを読み取るソフトウェアアプリケーションを単に変更することによって、多数の計測を実行できるという意味です。データの集録の他にDAQ計測システムのアプリケーションは、データを処理して、結果を表示するソフトウェアも使用します。多種類の計測に対して単一のハードウェアのみを使用することが可能ですが、異なる種類の計測に対してそれぞれアプリケーションを構築する必要があります。LabVIEWには、さまざまなアプリケーションの構築に役立つ多くの集録および解析関数が含まれています。
コンピュータがDAQデバイスと通信する方法
コンピュータベースの計測システムが温度などの物理信号を計測する前に、センサまたはトランスデューサによって物理信号を電圧や電流などの電子信号に変換する必要があります。プラグインDAQデバイスは、計測システムを構成する1つのシステムコンポーネントにすぎません。信号をプラグインDAQデバイスに常に直接接続できるわけではありません。このような場合、信号調節アクセサリを使用して、プラグインDAQデバイスが信号をデジタル情報に変換する前に信号を調節する必要があります。ソフトウェアは、未処理データを集録、解析、そして結果を表示することによって、DAQシステムを制御します。
DAQシステムには以下のオプションがあります。
- プラグインDAQデバイスがコンピュータに常駐します。ポータブルDAQ計測システムではラップトップコンピュータのPCMCIAスロットまたはデスクトップコンピュータのPCIスロットにデバイスをプラグできます。
- DAQデバイスは外部でシリアルポートまたはイーサネットポートなどの既存ポートを介してコンピュータに接続されるため、計測ノードをセンサの近くに素早く簡単に配置できます。
ソフトウェアとDAQデバイス
コンピュータはDAQデバイスを介して未処理データを受信します。作成したアプリケーションソフトウェアは、未処理データを理解できる形式で表示し、操作します。また、ソフトウェアは、DAQデバイスにチャンネルからデータを集録するタイミング、そしてデータを集録するチャンネルを指定することによってDAQシステムを制御します。
通常、DAQソフトウェアには、ドライバとアプリケーションソフトウェアが含まれています。ドライバは、デバイスまたはデバイスの種類に固有のソフトウェアで、デバイスが受け入れるコマンドセットを含みます。LabVIEWなどのアプリケーションソフトウェアは、熱電対からの測定値を読み取るコマンドなどの、ドライバコマンドを送信します。また、アプリケーションソフトウェアは集録したデータを表示して解析します。
NI測定デバイスには、NI-DAQドライバソフトウェアおよびNI計測VIと関数が含まれており、それらを使用して測定デバイスの構成やデータの集録、およびデータの送信を行うことができます。
NI-DAQ
NI-DAQ 7.xには、Traditional NI-DAQ (Legacy) およびNI-DAQmxの2つのNI-DAQドライバが添付されています。各ドライバには、固有のアプリケーションプログラミングインタフェース、ハードウェア構成、ソフトウェア構成があります。NI-DAQ 8.0以降は、従来型NI-DAQmx(レガシー)を置き換えるNI-DAQmxのみと同梱されます。
- Traditional NI-DAQ (Legacy) は、NI-DAQソフトウェアの旧シリーズであるNI-DAQ 6.9.xのアップグレード版です。NI-DAQ 6.9.xと同じVIと関数があり、NI-DAQ 6.9.xと同様に動作します。NI-DAQ 6.9.xと使用できないNI-DAQmxと同じコンピュータ上でTraditional NI-DAQ (Legacy) を使用できます。ただし、従来型NI-DAQ(レガシー)はWindows Vistaでは使用できません。
- NI-DAQmxは、測定デバイスを制御するための、新しいVI、関数、開発ツールが搭載された最新のNI-DAQドライバです。NI-DAQmxは、デバイスのチャンネルや測定タスクを構成できるDAQアシスタント、より高速なシングルポイントアナログ入出力などのパフォーマンスの向上、以前のNI-DAQバージョンよりも少ない関数とVIで簡単にDAQアプリケーションが作成できるAPIがあるなどの点で、NI-DAQの以前のバージョンよりも優れています。メモ (Windows) LabVIEWでは、NI-DAQmxおよびDAQアシスタントがサポートされています。(Mac OS X) LabVIEWでは、NI-DAQmx BaseがサポートされていますがDAQアシスタントはサポートされていません。(Linux) LabVIEWでは、NI-DAQmxがサポートされていますがDAQアシスタントはサポートされていません。
従来型NI-DAQ(レガシー)とNI-DAQmxは異なるデバイスのセットをサポートしています。サポートされているデバイスのリストについては、NIのWebサイトでデータ収集 (DAQ) ハードウェアを参照してください。