FPGAアプリケーションは、1つのFPGA VIを実行する開発用コンピュータ上のFPGAターゲットを使用したローカルシステムから、複数のFPGAターゲット、1つ以上のRTターゲット、さらに開発用コンピュータ上で実行されるLabVIEWが含まれる大規模な組込システムまで、幅広い種類があります。LabVIEWプロジェクトファイル (.lvproj) を使用して、FPGAアプリケーションを作成する必要があります。システムアーキテクチャを理解すると、LabVIEWプロジェクトを使用して、FPGAアプリケーションをビルドし、管理する際に役立ちます。

ローカルシステムと組込システムについて

LabVIEWプロジェクトの構造は、FPGAアプリケーションに含まれるコンポーネントによって異なります。FPGAターゲットが含まれるローカルシステムと組込システムの物理的レイアウトを理解するには、以下の図を参照してください。

FPGAプロジェクトのコンポーネントについて

プロジェクトエクスプローラウィンドウを使用して、FPGAプロジェクトを管理します。FPGAプロジェクトはそれぞれ、システムアーキテクチャのコンポーネントに応じて異なります。以下の図は、ローカルシステムのコンポーネントであるLocal System.lvprojと組込システムであるEmbedded System.lvprojを示しています。

FPGAアプリケーションのコンポーネントと、それらのLabVIEW FPGAプロジェクトでの場所を以下の表に示します。

コンポーネント 説明

LabVIEWプロジェクト LabVIEWプロジェクトを使用すると、開発用コンピュータでアプリケーションの開発を進めながら、VIとターゲットの管理を行うことができます。LabVIEWプロジェクトファイルには、プロジェクトで参照するファイル、構成情報、デプロイメント情報、ビルド情報などが含まれます。

マイ コンピュータ マイコンピュータ (別名開発用コンピュータ) は、LabVIEWプロジェクトを開発するために使用するコンピュータです。開発用コンピュータとは、LabVIEWおよびLabVIEW FPGAモジュールがインストールされたWindowsのサポート対象バージョンが実行されているPCです。

RIOシャーシ RIOシャーシには、FPGAターゲットのI/Oブロックが格納されており、このブロックは相互交換可能なI/Oモジュールに直接接続して、高性能のタイミング、トリガ、同期を行います。

コントローラ コントローラは直接RIOシャーシに接続されており、直接、またはネットワークを通じて開発用コンピュータと通信します。コントローラには、RTOS (リアルタイムオペレーティングシステム) またはWindowsのいずれかを実行する組込プロセッサが含まれています。

FPGAターゲット FPGAターゲットは、論理ブロック、I/Oブロック、LabVIEW FPGAモジュールを使用して設計したデジタル回路を実装するプログラム可能な内部配線で構成されているプログラム可能なチップです。

FPGA VI FPGA VIは、FPGAターゲットにダウンロードし、そこで実行されるVIです。LabVIEWコンパイルツールは、FPGA VIを回路図形に変換して、FPGAターゲット上でブロックや相互接続を再構成します。

ホストVI ホストVIはコントローラ上で実行され、プログラム的にFPGA VIと通信します。ホストVIを使用して、データのログ、データ転送のタイミング制御、FPGAターゲットをコンポーネントにしたシステムの作成などを行います。

ユーザインタフェースVI ユーザインタフェースVIは開発用コンピュータ上で実行され、ホストVIと通信を行います。ユーザインタフェースVIを使用すると、ユーザはプログラム的にホストVIの制御器と表示器を相互作用させることができます。コントローラのない状況では、ユーザインタフェースVIがホストVIとなり、直接FPGA VIと通信します。

I/O I/Oとは、熱電対、RTD、ブリッジセンサ、カウンタ、パルス生成など、FPGAシステムのアナログ/デジタル出入力を指しています。サポートされているI/Oについては、特定のハードウェアのドキュメントを参照してください。

クロック クロックは、FPGAシステムの必要なタイミングを指定して、そのFPGA VIの実行レートを制御します。タイミングを制御する追加のコードを含めない限り、VIのデータフローにより決定されたレートで操作が実行されます。大部分のFPGAターゲットのデフォルトクロックレートは40 MHzです。

ビルド仕様 FPGAターゲットのビルド仕様は、FPGA VIをコンパイルしたときに、LabVIEWで作成されるものを以下のオプションの中から指定します。
  • シミュレーションエクスポート―サードパーティシミュレーション用に、プロジェクトファイルを構成およびエクスポートします。
  • コンパイル―プロジェクトファイルを構成し、ビットファイルに変換して、FPGAターゲットへとダウンロードします。
  • ソース配布―スタンドアロンのアプリケーションとして配布するプロジェクトファイルを構成します。
FPGA VIのコンパイル、ダウンロード、実行を行う前に、ビルド仕様を作成する必要があります。ビルド仕様を自分で作成しないと、ビルド仕様は自動的に作成され、デフォルトのビルド仕様として指定されます。