このトピックでは、Compile Farmの設定および構成方法について説明します。Compile Farmは、オンサイトのコンパイルサーバ1台に加えて、複数の開発者がターゲットにできる複数のオンサイトコンパイルワーカで構成されています。

開発用コンピュータ、コンパイルサーバ、コンパイルワーカを連動させて、FPGA VIをFPGAターゲットにデプロイする様子を以下の図と説明に詳しく示します。

開発者が開発用コンピュータでFPGA VIを作成し、LabVIEWの実行ボタンをクリックします。
コンパイルジョブがコンパイルサーバに送信されます。
コンパイルサーバは、コンパイルジョブを使用可能なコンパイルワーカに送信します。コンパイルワーカでは、FPGA VIがコンパイルされます。
コンパイルワーカが、コンパイルしたVIをコンパイルサーバに戻します。
コンパイルサーバが、コンパイルしたVIを開発用コンピュータに戻します。FPGA VIをFPGAターゲットにデプロイする準備ができました。

ハードウェアおよびソフトウェアの必要条件と推奨事項

NIでは、少なくともコンパイルサーバとコンパイルワーカの2台のコンピュータを用いて、コンパイルファームのセットアップを行うことをお勧めします。これらのコンピュータおよび開発用コンピュータを以下の表に示します。

メモ LabVIEWFPGAモジュールをインストールすると、FPGA Compile Farm Serverが自動的にローカルにインストールされます。リモートコンパイルサーバに使用するコンピュータには、別途FPGA Compile Farm Serverをインストールする必要があります。FPGA Compile Farm Serverのインストールについては、プラットフォームメディアのFPGAモジュールのインストールオプションを参照してください。

Compile Farmを設定する

最初に、表に記載のそれぞれの役割を果たすコンピュータを特定し、すべてのコンピュータがネットワーク全体で接続されていることを確認してください。続いて、以下の手順に従って、コンパイルサーバ、それぞれのコンパイルワーカ、開発用コンピュータを設定します。

コンパイルサーバを設定する

以下の手順に従って、コンパイルサーバを設定します。

  1. コンパイルサーバに指定するコンピュータにFPGA Compile Farm Serverをインストールします。このコンピュータのIPアドレスまたはホスト名を書き留めておきます。
  2. コンパイルサーバにログインします。
    1. コンパイルサーバと同じネットワーク上にあるコンピュータでWebブラウザを開き、「http://<computername>:3580」を参照します。<computername>の部分には、さきほど書き留めたコンパイルサーバのIPアドレスまたはホスト名を入力します。コンパイルサーバに、NI Web-based Monitoring & Configurationサービスのシステム構成ページが表示されます。このサービスを使用して、キューのコンパイルジョブの監視や管理を行います。
    2. ログインをクリックします。
    3. NI Web-based Monitoring & Configurationサービスへの管理者アクセスを持つユーザのユーザ名とパスワードを入力します。デフォルトのユーザ名は「admin」、パスワードは空です。
      メモ NIでは、早急にコンパイルサーバのセキュリティ保護を行うことをお勧めします。FPGA Compile Farmコンソールヘルプの「ターゲットを保護する」のセクションを参照してください。このタスクの詳細については、セキュリティ構成ページのヘルプをクリックすると表示されます。

      コンパイルサーバ自体からコンパイルサーバにアクセスする場合は、ログインの必要はありません。

  3. コンパイルファームを使用してFPGA VIをコンパイルできるユーザを構成します。
    1. セキュリティ構成ボタンをクリックします。
    2. ユーザタブの下にある+ボタンを使用して、ユーザ名を追加し、パスワードを割り当てます。このタブに表示されているユーザのみがコンパイルファームを使用できることになります。ユーザの追加方法の詳細については、ヘルプをクリックし、コンソールヘルプの「ユーザを追加または削除する」のセクションを参照してください。
    3. 1人または複数のユーザをadministratorsグループに割り当てます。このグループのユーザは、Compile Farmを使用してFPGA VIをコンパイルできますが、その他にコンパイルジョブキューを管理する、コンパイルジョブをキャンセルする、コンパイルワーカを表示/非表示にする、などの操作も行うことができます。管理者グループにユーザを割り当てる方法についての詳細は、ヘルプをクリックすると表示される、コンソールヘルプの「ユーザをグループに追加またはユーザをグループから削除する」のセクションを参照してください。
    4. ユーザと管理者の追加が終わったら、保存をクリックしてウェブブラウザを閉じます。

コンパイルワーカを設定する

次のステップでは、コンパイルサーバにそれぞれのコンパイルワーカを認識させます。コンパイルワーカごとに、以下の手順に従ってください。

  1. Xilinxコンパイルツールをコンパイルワーカに指定する任意のコンピュータにインストールします。
  2. コンパイルワーカを構成します。
    1. スタート→すべてのプログラム→National Instruments→FPGA→FPGA Compile Workerを選択して、コンパイルワーカを起動します。Windowsのタスクバーに、LabVIEW FPGA Compile Workerのアイコンが表示されるようになります。
    2. このアイコンをダブルクリックすると、コンパイルワーカのステータスと機能が表示されます。
    3. 構成をクリックして、コンパイルワーカを構成します。
    4. コンパイルサーバに接続を選択します。
    5. 以下の情報を入力してください。
      • ホスト名: <computername>:3580。ここで<computername>の部分に、コンパイルサーバのIPアドレスまたはホスト名を入力します。
      • ユーザ名: admin
      • パスワード: adminユーザ名に関連付けられたパスワード。デフォルトでは、パスワードは空です。
    6. Number of simultaneous jobsに、このワーカで同時処理できるコンパイルジョブの数を入力します。通常は、1つのCPUコアで1つのコンパイルジョブを処理します。ただし、NIはOSタスク用にコアを1つ別に確保しておくことをお勧めします。たとえば、クワッドコアのCPUを使用している場合、NIはNumber of simultaneous jobs3に設定することを推奨しています。
    7. OKをクリックします。
  3. コンパイルサーバに、それぞれのコンパイルワーカが表示されることを確認します。
    1. コンパイルサーバにログインします。
    2. LabVIEW FPGA Compile Farm Consoleボタンをクリックします。
    3. 追加したコンパイルワーカがワーカリストに表示されます。コンパイルワーカを表示するために、フィルタの調整が必要になることがあります。

開発用コンピュータを設定する

コンパイルファームを使用してFPGA VIをコンパイルするように開発用コンピュータを構成します。開発用コンピュータごとに、以下の手順に従ってください。

  1. LabVIEW、FPGAモジュール、NI-RIOドライバソフトウェアの順にインストールします。
  2. LabVIEWを起動し、ツール→オプションを選択すると、オプションダイアログボックスが表示されます。
  3. カテゴリリストからFPGAモジュールを選択します。
  4. コンパイルサーバセクションのコンパイルサーバに接続を選択します。
  5. ダイアログボックスが表示されたら、+ボタンをクリックしてサーバを追加します。
  6. <computername>:3580と入力します。<computername>はコンパイルサーバのIPアドレスまたはホスト名で、これをホスト名テキストボックスに入力し、OKをクリックします。
  7. コンパイルサーバを設定したときに構成したユーザ名パスワードを入力します。
  8. 接続テストをクリックして、開発用コンピュータとコンパイルサーバ間の接続をテストします。エラーが起きた場合は修正します。
  9. OKをクリックします。