LabVIEW FPGAモジュールには、FPGA VIをVivado Design Suiteプロジェクトとしてエクスポートするオプションがあります。このオプションにより、Vivado Design Suiteでエクスポートされたプロジェクトを設計し、それをビットファイルにコンパイルすることが可能になります。その後、FPGAモジュールで、Kintex-7 FlexRIOターゲットや高速シリアル計測器など、FPGAターゲット上でビットファイルを実行できます。このオプションでは、NI FPGAハードウェアリソースを最大限に使用しながらVivado Design Suiteの設計機能を活用できます。以下のセクションでは、エクスポートプロセスについて説明します。

メモ
  • すべてのターゲットでVivado Design Suiteのプロジェクトエクスポートがサポートされているわけではありません。ターゲットで利用可能なエクスポートオプションについては、特定のFPGAターゲットのハードウェアドキュメントを参照してください。
  • FPGA VIをVivado Design Suiteプロジェクトとしてエクスポートしたり、エクスポートされたプロジェクトを開くには、ローカルコンピュータに必要なVivado用Xilinxコンパイルツールをインストールすることが必要です。Vivado用Xilinxコンパイルツールの各バージョンでサポートされているNIハードウェアおよびLabVIEWバージョンについては、ni.com/infoでInfo Codeに「XilinxCompileTools」と入力してください。Vivado用Xilinxコンパイルツールをインストールする手順は、『Xilinx Compilation Tools Readme』を参照してください。

FPGA VIをエクスポートする

プロジェクトの設計またはFPGAターゲットにデプロイ可能なビットファイルのコンパイルを実行する前に、FPGA VIをVivado Design Suiteプロジェクトとしてエクスポートする必要があります。FPGA VIをエクスポートするには、最初にビルド仕様を作成する必要があります。

メモ Vivado Design Suiteでエクスポートされたプロジェクトの設計を可能にするには、FPGA VIにサードパーティIPを統合して、設計ファイルにUserRTL_から始まる名前を付ける必要があります。たとえば、VHDLファイルをUserRTL_FpgaTop.vhdと名付けることができます。エクスポート用に生成されたすべての設計ファイルは、ファイル名がUserRTL_で始まるファイル以外は暗号化されます。

以下の手順に従って、プロジェクトエクスプローラウィンドウからFPGA VIをエクスポートします。

  1. Vivado Design Suiteプロパティのプロジェクトエクスポートダイアログボックスを表示するには、プロジェクトエクスプローラウィンドウでビルド仕様を右クリックし、ショートカットメニューから新規→Vivado用のプロジェクトエクスポートを選択します。また、Vivado Design Suiteのプロジェクトエクスポートで既存のビルド仕様を右クリックし、ショートカットメニューからプロパティを選択して、このダイアログボックスを開くことができます。
  2. 情報ページで、ビルド仕様名と他の記述的な情報を指定します。
  3. ソースファイルページを表示して、トップレベルVIを指定します。トップレベルVIになるFPGA VIは1つのみです。
  4. ダイアログボックスを閉じるにはOKをクリックし、FPGA VIのエクスポートを開始するにはビルドをクリックします。ビルドをクリックした後に、LabVIEWはエクスポートに必要なファイルを作成し、それらのファイルを手順2で指定したエクスポートディレクトリに配置します。
    メモ Vivado Design Suiteプロジェクトとしてエクスポートした後にFPGA VIに変更を加えるには、ビルド仕様の下でVivado Design Suiteプロジェクトを右クリックしビルドまたは再ビルドを選択することで、変更を既存のプロジェクトに統合できます。

エクスポートされたプロジェクトの設計とコンパイルを実行する

FPGA VIをVivado Design Suiteプロジェクトとしてエクスポートした後に、Vivado Design Suiteでエクスポートされたプロジェクトの設計とコンパイルを続けることが可能です。以下の手順に従って、プロジェクトを開くことができます。

  • プロジェクトエクスプローラウィンドウで、ビルド仕様の下にあるプロジェクトを右クリックし、Launch Vivado Design Suiteを選択します。
  • プロジェクトエクスプローラウィンドウで、ビルド仕様の下にあるプロジェクトを右クリックし、エクスプローラを選択してエクスポートディレクトリを開きます。エクスポートディレクトリでLaunchVivadoDesignSuite.batを開きます。
  • エクスポートディレクトリを選択し、LaunchVivadoDesignSuite.batを開きます。
メモ FPGA VIをVivado Design Suiteプロジェクトとしてエクスポートする際に、FPGAはVivado Design Suiteで、Project Settings→Synthesisの下の-flatten_hierarchyと-keep_equivalent_registers設定、およびProject Settings→Implementation→Write Bitstream (write_bitstream)の下のtcl.post設定を自動的に構成します。tcl.post設定は、エクスポートされたプロジェクトから生成されたビットファイルがNI FPGAターゲットにデプロイ可能なことを保証します。NIは、これらの設定をVivado Design Suiteでプロジェクトを設計する際に維持することを推奨します。

エクスポートされたプロジェクトの設計やビットファイルへのコンパイルを実行する詳細については、Vivado Design Suiteのドキュメントを参照してください。

エクスポートされたプロジェクトから生成されたビットファイルを実行する

Vivado Design Suiteでエクスポートされたプロジェクトのビットファイルを生成した後に、プログラムFPGAインタフェース通信を使用してビットファイルをプログラム的にダウンロードしたり実行するには、FPGAモジュールにホストVIを作成することが必要です。

その他の情報

FPGA VIをVivado Design Suiteプロジェクトとしてエクスポートする詳細を学習するには、デバイス固有のサンプルを参照してください。デバイス固有のサンプルにアクセスするには、LabVIEWからヘルプ→サンプルを検索を選択してNIサンプルファインダを起動します。参照タブをクリックしてデバイス固有のサンプルを参照するか、検索タブをクリックして、インストールされたすべてのサンプルをキーワードで検索します。