FD-11634をプログラミングする

有限集録および連続集録のアナログ入力アプリケーションでFD-11634を使用できます。

FD-11634には、以下のタイミング信号およびトリガ信号が備わっています。

AIサンプルクロック信号

1つのサンプルは、AIタスク内の各チャンネルからの1つの読み取り値で構成されます。サンプルクロック信号は、タスク内のすべてのアナログ入力チャンネルのサンプルを開始します。

サンプルクロックソースのオプションについては、以下の図を参照してください。

図 30. AIサンプルクロックのタイミングオプション


FD-11634はデルタシグマデバイスと見なされます。精密な同期データを生成するために高周波数のオーバーサンプルクロックを必要とする複数のA/D変換器が搭載されています。FieldDAQデバイスは、各サンプルクロックパルスで1つのサンプルを返します。

オーバーサンプルクロックはAIサンプルクロックタイムベースとして使用されます。FieldDAQデバイスは、13.1072 MHz12.8 MHz12.288 MHz10.24 MHzのタイムベースを供給します。デフォルトでは、選択されたデータレートに最適なタイムベースがNI-DAQmxによって自動的に選択されます。[1]1 自動タイムベース強制は、NI-DAQmx 18.5以降でサポートされています。旧バージョンのNI-DAQmxでは、デフォルトで12.8 MHzのタイムベースが使用されます。

FieldDAQデバイスは、各バンクのADCを同時にリセットする同期パルスを発行します。同期パルスを発生させる特定の時間を指定することもできます。デルタシグマ型FieldDAQデバイスでのフィルタリング機能により、これらのデバイスには、システム内のデルタシグマ型以外のデバイスに対して一定の入力遅延が見られます。この入力遅延の詳細は、『 FD-11634 仕様 』に記載されています。

FD-11634などのデルタシグマ型デバイスの他、複数のFieldDAQデバイスのチャンネルを同じタスクに含む場合、それらのチャンネルの1つがチャンネルリストの最初にあることを確認してください。

AIサンプルクロックタイムベース信号

AIサンプルクロックタイムベース信号は分周されて、サンプルクロックのソースになります。

AI開始トリガ信号

測定データの集録を開始するには、開始トリガ信号を使用します。測定データは、1つ以上のサンプルで構成されています。トリガを使用しない場合は、ソフトウェアコマンドによって測定を開始します。開始した集録は、次のいずれかの場合に停止するよう構成します。

  • 有限モードで、特定数のポイントがサンプリングされたとき
  • 連続モードで、ソフトウェアコマンドを使用したとき

開始トリガから最初のサンプルまでの遅延を指定することができます。

NI-DAQmxで特定の時間を指定して、時間ソースで開始トリガ信号を使用します。NI-DAQmx APIの時間ベース機能にアクセスする方法については、『NI-DAQmxユーザマニュアル』の「時間トリガ」を参照してください。

アナログ入力同期パルス

FieldDAQデバイスでは、時間を同期パルスのトリガとして使用することができます。

同期パルスを時間ソースと使用するには、NI-DAQmxで特定の時間を指定します。NI-DAQmx APIの時間ベース機能にアクセスする方法については、『NI-DAQmxユーザマニュアル』の「時間トリガ」を参照してください。

メモ 2つ以上の別々のタスクでデルタシグマ型デバイスを正確に同期させるには、同じ同期パルスを指定する必要があります。そうしない場合は、たとえタスクの時間開始トリガが指定されていても、ソフトウェアによって指定なしに同期パルスが開始されます。ただし、マルチデバイスタスクの場合、同期パルスと開始トリガは自動的に同期されます。

1 自動タイムベース強制は、NI-DAQmx 18.5以降でサポートされています。旧バージョンのNI-DAQmxでは、デフォルトで12.8 MHzのタイムベースが使用されます。