時間ヒストグラム
- 更新日2025-12-09
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時間ヒストグラムは、トリガポイントを基準とする時間に基づいて、定義された電圧レンジおよび時間ウィンドウの範囲内に属するサンプルをビンに配置します。時間ヒストグラムの時間分解能は、トリガを基準とする時間内に配置できるサンプル数に直接依存します。時間内でのより正確なサンプル配置により、小さなビンをより多く使用することが可能になるため、ヒストグラムの分解能が向上します。デジタイザは通常、分解能がサンプル周期に等しい場合、時間内にサンプルを認識することができます。ただし、多くのNIデジタイザには、時間/デジタル変換 (TDC) 回路が搭載されています。TDC回路はタイムスタンプと呼ばれるプロセスを使用し、高確度なトリガポイントを基準としてサンプルを配置します。たとえば、NI 5122にはTDC回路が搭載されていて、10 nsサンプル周期を使用中に、100 psの分解能を持つタイムスタンプを可能にします。そのため、TDC回路およびタイムスタンプは、高度に分割された時間ヒストグラムビンにデータを分類し、ヒストグラムの分解能を最大限に引き上げます。
以下の図は、時間ヒストグラムが構築される方法を示します。最初の図は、高速デジタイザによってサンプルされた時間領域波形です。2番目の図は、相当する時間ヒストグラムを示します。複数のパルスが集録され、エッジトリガが各パルスの立ち上がりエッジを揃えます。ヒストグラムの電圧 (垂直) 弁別器レベルは、各パルスの立ち下がりエッジを囲むウィンドウを定義するために構成されています (図中の灰色の領域)。これらの弁別器レベルを設定する際、波形の立ち下がりエッジのみを取得してください。それ以外の場合は、ヒストグラムは完全に均一になります。
この設定を使用する場合、立ち下がりエッジの各サンプルは、以下の図のように時間ヒストグラムに追加されます。この例では、1番目と3番目の両集録で立ち下がりエッジが同時に発生し、2番目の集録では遅れて発生しています。ヒストグラムは、この統計情報を取得します。
時間ヒストグラム測定アプリケーション
ヒストグラムは、リアルタイムI/Oシステムの入出力における遅延ジッタの特性評価に使用することができます。定義では、リアルタイムシステムは時間において確定的ですが、所定の測定システムの確定性を判断する場合にも役立ちます。時間ヒストグラム測定は、リアルタイムシステムのジッタ特性に使用することができ、リアルタイムI/Oシステムにおける確定性の測定も可能です。
たとえば、1 kHzのレートでサンプリング中に、リアルタイムシステムのアナログ入力に方形波を送り込みます。集録されたサンプルは、リアルタイムシステムの1クロックサイクル後のアナログチャンネルに対する出力です。これにより、リアルタイムシステムのアナログ入出力間の確定的な遅延は1 msecになります。入出力間の遅延によるジッタを測定することで、リアルタイムI/Oシステムにおいて一定の安定性を得ることができます。
この例では、NI 5122、2チャンネル高速デジタイザがジッタ測定に使用されています。リアルタイムシステムにおける方形波の入力およびアナログ出力は、NI 5122で行われます。1番目のチャンネルのエッジから2番目のチャンネルの同じエッジまでの遅延時間ヒストグラムが作成されます。「時間ヒストグラム最小値」、「時間ヒストグラム最大値」、「時間ヒストグラムヒット数」、および「時間ヒストグラム平均値」などの時間ヒストグラムによる統計から、最大ジッタ、ヒストグラム内の測定されたサンプル数、および平均遅延を測定することができます。
以下の図に示される結果は、遅延におけるガウス分布です。これはジッタが測定システムの電気的ノイズによって生じた可能性が高いことを示します。
