ModalVIEW​と​NI CompactDAQ​を​使用​した​小型​無人​機​の​構造​解析

「解析​に​使用​した​の​は、​NI LabVIEW​ソフトウェア​を​使用​し​て​ABSignal​社​が​開発​した​ModalVIEW​ソフトウェア​です。​これ​は​LabVIEW​ツール​ネットワーク​で​入手​でき​ます。​この​ソフトウェア​を​選択​した​理由​は、​その​使い​やす​さ​と、​実施​し​てい​た​テスト​の​タイプ​に​最適​だ​っ​た​から​です。」

- Kaci J. Lemler - Unmanned Aircraft Systems Engineering Laboratory (無人​航空機​システム​エン​ジ​ニ​リング​ラボ)、​School of Engineering and Mines University of North Dakota (ノース​ダコタ​大学​工・​鉱山​学部)

課題:

翼​燃料​タンク​の​追加​により​小型​無人​機 (UAV) の​飛行​特性​が​どの​よう​に​変化​する​の​か​を​解析​する。 ​

ソリューション:

ModalVIEW​と、​最大​32​チャンネル​の​計測​が​可能​な​NI CompactDAQ​システム​を​使用​し​て、​翼​燃料​タンク​の​追加​積載​量​が​ある​場合​と​ない​場合​の​航空機​の​モー​ダル​パラメータ​を​抽出/​可視​化​し​て、​追加​積載​量​が​飛行​性能​に​悪影響​が​ある​か​どうか​を​判断​する。 ​

作成​者:

Kaci J. Lemler - Unmanned Aircraft Systems Engineering Laboratory (無人​航空機​システム​エン​ジ​ニ​リング​ラボ)、​School of Engineering and Mines University of North Dakota (ノース​ダコタ​大学​工・​鉱山​学部)
​William H. Semke - Unmanned Aircraft Systems Engineering Laboratory (無人​航空機​システム​エン​ジ​ニ​リング​ラボ)、​School of Engineering and Mines University of North Dakota (ノース​ダコタ​大学​工・​鉱山​学部)

 

 

無人​航空機​システム​エンジニアリング (UASE) ラボ​の​チーム​は、​Bruce Tharpe Engineering (BTE) 社​製​Super Hauler UAV​を​運用​し​ます。​UASE​チーム​は、​情報​収集/​偵察/​調査 (ISR) 任務​の​ため​に​最大​14 kg (30 lb) の​ペイ​ロード​を​開発​し、​空中​検出/​回避 (ABSAA) システム​も​開発​しま​した。​Super Hauler​は、​全長​3 m (10​フィート)、​翼​長​3.6 m (12​フィート)、​重量​22 kg (48​ポンド) です。​この​航空機​の​原型​で​の​挙動​は​十分​解明​さ​れ​て​いる​の​ですが、​将来的任務において翼にペイロードとなる燃料タンクを追加すれば、​航空機​の​構造​挙動​および​飛行​挙動​は​変化​し​ます。 

 

Super Hauler​は​カスタム​設計​で、​障害​物​の​ない​大きな​ペイ​ロード​ベイ​が​設け​ら​れ​て​おり、​飛行​テスト​で​複数​の​ペイ​ロード​を​搭載​できる​よう​に​な​って​い​ます。​この​機能​は、​従来​の​ペイ​ロード​の​テスト​の​ニーズ​は​満​た​し​て​いる​ものの、​新しい​任務​を​遂行​し、​レーダー​関連​の​業務​で​ペイ​ロード​を​評価​する​に​は、​翼​に​燃料​タンク​の​ペイ​ロード​を​追加​する​必要​が​あり​ます。​翼​燃料​タンク​の​ペイ​ロード​は​ほとんど​の​場合​一対​で​使用​し、​翼​面​荷重​を​等​しく​し​て、​機体​に​かかる​負荷​が​対称​的​に​なる​よう​にし​ます。​電気/​電源​コネ​クタ​および​配線​は​翼​の​中​に​収容​さ​れ​て​いる​ので、​空気​の​流れ​を​妨げる​こと​が​ありま​せん。​この​方法​で、​アンテナシステムを翼燃料タンクに収容すれば、​前面​の​視野​は​邪魔​さ​れる​こと​が​ありま​せん。

 

私​たち​の​目標​は、​UAV​の​モー​ダル​解析​を​行​って、​その​飛行​特性​と​翼​燃料​タンク​の​影響​を​より​よく​把握​し、​操作​に​最適​な​飛行​条件​を​決定​する​こと​です。​この​類​い​の​テスト​は​これまでに​も​様々​な​種類​の​飛行機​に​実行​さ​れ​て​き​ま​した​が、​私​たち​の​研究​が​同様​の​方法​で​小型​UAV​をテストしている人たちの助けになれば、​と​思​って​い​ます。

 

実験​モー​ダル​解析

解析​に​使用​した​の​は、​NI LabVIEWソフトウェア​を​使用​し​て​ABSignal​社​が​開発​したModalVIEWソフトウェア​です。​これはNI​ツール​ネットワークで​入手​でき​ます。​この​ソフトウェア​を​選択​した​理由​は、​その​使い​やす​さ​と、​実施​し​てい​た​テスト​の​タイプ​に​最適​だ​っ​た​から​です。​ModalVIEWとNI CompactDAQハードウェア​を​使用​し​て、​プラグ​アンド​プ​レイ​システム​を​作成​しま​した。​ModalVIEW​は、​センサ​を​接続​する、​検出​さ​れ​た​モード​形状​で​構造​物​を​修正​する、​といった​振動​テスト​プロセス​の​各​ステップ​に​対応​した、​わか​り​やすい​インタフェース​を​備え​た​唯一​の​モー​ダル​解析​プログラム​で​した。

 

 

 

実験​的​な​モー​ダル​解析​で​構造​物​の​モー​ダル​パラメータ​を​把握​する​の​に、​刺激​信号​で​励起​さ​れ​た​ときの​構造​物​の​ダイナミック​応答​の​計測​と​解析​を​行​いま​した。​ModalVIEW​は、​様々​な​複数​自由​度 (MDOF) グローバル​フ​ィ​ッ​ティン​グ​解析​法​および​MIMO(multiple input, multiple output)​ポリ​リファレンス​実験​法​に​衝撃​ハンマー​または​シェーカー​を​使用​し​て​対応​し​ます。​また、​航空機​の​モード​形状​を​可視​化​する​の​に​使用​する​アニメーション​ツール​も​あり​ます。

 

 

 

 

 

 

解析​する​Super Hauler​を​バン​ジーコ​ード​で​テスト​装置​に​固定​し​て、​全て​の​車輪​が​地面​から​1.25​インチ​浮き​上​が​って​いる​状態​にし​ます。​こう​する​こと​で、​モー​ダル​テスト​の​周辺​自由​境界​条件​を​シミュレート​し​ます。​各​翼​に​5​ポンド​の​重り​を​付け​て、​翼​燃料​タンク​を​シミュレート​しま​した。​解析​を​実行​する​ため、​BTE Super Hauler​に​は​最初、​重要​な​箇所​に​加速度​計​を​搭載​しま​した。​PCB Piezotronic​社​製​の​3​軸​および​1​軸​加速度​計​を​混在​さ​せ​て​航空機​外面​に​直接​取り付け​ま​した。​そして、​これらの​加速度​計​を​8​つ​の​NI 9234​ダイナミック​信号​収集 (DSA) モジュール​を​収容​した​NI cDAQ-9178​シャー​シ​に​接続​しま​した。​Super Hauler​は​PCB Piezotronics 086C03​衝撃​ハンマー​で​励起​しま​した。

 

 

NI CompactDAQ​フロント​エンド​は​解析​用​の​ModalVIEW​ソフトウェア​に​シームレス​に​接続​さ​れ​ま​した。​DAQ​チャンネルは適切なノードかつ計測方向に接続され、​衝撃​ハンマー​から​の​励起​で​トリガ​さ​れ​て​計測​する​よう​に​設定​さ​れ​ま​した。​6​つ​の​衝撃​テスト​は、​シミュレート​さ​れ​た​翼​燃料​タンク​を​使用​した​場合​と​使用​しない​場合​の​両方​で​実行​しま​した。​各​テスト​の​構成​では、​いずれ​か​の​ノード​で​Super Hauler​に​影響​を​与​え、​周波数​応答​を​計測​し、​周波数​応答​関数 (FRF) から​固有​周波数​を​取得​し、​対応​する​モード​形状​で​ライン​モデル​を​動画​にし​ます。​燃料​タンク​の​有無​によって​固有​周波数​は​異なる​と​予想​さ​れ​ます。​翼​と​機体​の​構造​的​カップリング​が​それ程​ない​の​が​理由​です。

 

結果

観測​した​モード​形状​では、​固有​周波数​の​全て​が​翼​燃料​タンク​を​追加​する​こと​で​大幅​に​低​く​なり​ま​した。​相当​量​の​重り​が​追加​さ​れ​た​ので、​これ​は​予測​し​てい​た​とおり​です。​したがって、​総​重量​の​20​パーセント​を​占める​翼​燃料​タンク​は​構造​応答​に対して​相当​大きな​影響​を​与​え​ます。​周波数​に​大きな​変化​が​観測​さ​れ​は​しま​した​が、​基本​モード​は​どれ​も、​燃料​タンク​を​取り付け​てい​ない​航空機​の​動作​周波数​レンジ​から​外れ​ま​せん​で​した。​したがって、​飛行​力学​の​変化​は​飛行​性能​の​重要​な​要素​に​は​なら​ない​と​予想​さ​れ​ます。

 

著者​情報:

Kaci J. Lemler
Unmanned Aircraft Systems Engineering Laboratory (無人​航空機​システム​エン​ジ​ニ​リング​ラボ)、​School of Engineering and Mines University of North Dakota (ノース​ダコタ​大学​工・​鉱山​学部)
kaci.lember@gmail.com

図​1: ​ ​BTE Super Hauler UAV​と​UASE​チーム ​
図​2. ​ ​ModalVIEW​による​翼​端​の​屈曲​の​視覚​化 ​
図​3. ​ ​加速度​計​を​搭載​し、​テスト装置に配置された​BTE Super Hauler ​
図​4. ​ ​テスト​で​観測​さ​れ​た​固有​周波数 (選択​さ​れ​た​もの) の​概要 ​