NI Linux Real-Timeオペレーティングシステム
- 更新日2025-02-20
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LabVIEW Real‐Timeモジュールは、NI Linux Real‐Timeオペレーティングシステム上でVIを実行します。ただし、このリアルタイムオペレーティングシステムを使用する場合は、注意事項を守る必要があります。
その他の注意事項
NI Linux Real-Timeターゲットを使用する場合は、以下の注意事項を考慮してください。ni.com/infoで「Linux」と入力すると、NI Linux Real-Timeオペレーティングシステムに関する詳細が表示されます。
一般
- FTPサーバはデフォルトで無効になり、セーフモードではFTPサーバを使用できません。NIは、改善されたセキュリティのために、ファイル転送方法としてWebDAVを使用することを推奨します。
- 仮想メモリがサポートされ、以下であることを意味します。
- プロセスがクラッシュすると、ターゲットを再起動せずにプロセスを再起動します。
- 最大連続メモリブロックを監視しても、NI Linux Real-Timeターゲットで役立つまたは必要な情報は提供されません。
- システム実行VIがサポートされています。
- タイムゾーンを変更するには、ターゲットの再起動が必要ありません。
ファイルシステムとディレクトリ構造
- ファイルシステムは大文字と小文字を区別します。
- ディレクトリパスはLinux形式で表示されます。たとえば、パスはスラッシュを使用し、ドライブ文字は含まれません。
- NI Linux Real-Timeターゲットは、ファイルとフォルダへのアクセス権を強制します。これらのアクセス権の詳細については、技術サポートデータベースの記事「Working with File Paths on Real-Time Targets」を参照してください。
- RTOSはターゲットの再起動時に一時フォルダである/tmpの内容を削除します。一時フォルダは最大64 MBのサイズまでのスペースをRAMから割り当てます。
- c:\ni-rtディレクトリは、NI Linux Real-Timeターゲット上に存在しません。NI Linux Real-Timeターゲットでのディレクトリマッピングの詳細については、技術サポートデータベースの記事「Working with File Paths on Real-Time Targets」を参照してください。
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ni-rt.ini構成ファイルを直接修正することは極力避けてください。このファイルの修正が、不正なシステム動作を引き起こす可能性があります。メモ 一部のNIトラブルシューティング手順では、このファイルを手動で編集する必要があります。このような場合は、トラブルシューティングドキュメントに記載された手順に正確に従うように注意してください。
Webサービス
- WebDAVはデフォルトで有効になっています。
- SSLはデフォルトで有効になっています。
- NI Web-based Configuration & Monitoringはセーフモードで使用できます。
- IPアドレス (DHCP、リンクローカル、またはスタティック) を介してアクセス可能なターゲットのみを構成できます。ターゲット検出にはmDNSが使用されます。
- NI Web-based Configuration & Monitoringを使用して、NI Linux Real-Timeターゲット上でConsole Outを使用することはできません。代わりに、Console Outの出力表示にシリアルポートを使用するコンピュータに、NI Linux Real-Timeターゲットを接続します。Console Outの使用法の詳細については、技術サポートデータベースの記事「cRIO、sbRIO、およびcFPコントローラのコンソールアウト」を参照してください。
認証
- NI Web-based Configuration & Monitoring、SSH、またはシリアル接続を使用してターゲットにログインできます。RTターゲット上でSSHを有効にする情報については、使用するハードウェアのドキュメントを参照してください。メモ NIでは、ログイン用のパスワードを設定してSSHまたはシリアル接続を使用することを推奨します。
- 忘れた管理者パスワードをリセットするには、物理的にそのターゲットにアクセスし、すべての設定を工場出荷時のデフォルトにリセットします。この手順については、NIにお問い合わせください。
- ターゲットは、Linuxシステムにおけるrootユーザと同じadminユーザを作成します。

注意 NI Web-based Configuration & Monitoringでシステムアカウントと同じ名前のユーザを作成しないでください。たとえば、rootまたはsshという名前のユーザを作成しないでください。そうすることで、システムアカウントが上書きされます。 - SSHは代替形式の認証としてパブリックキーをサポートしています。
セキュリティ
- NI製品に関連したセキュリティ関連の最新情報を常に確認できるようにするには、ni.com/infoに「RTSecurity」と入力してください。
サポートされていない機能
LabVIEW Real-Timeモジュールでは、RTターゲットで実行されるVIに対し、LabVIEWの一部の機能がサポートされていません。たとえば、RTターゲットでサポートされていない機能のあるVIをデプロイして実行しようとしても、VIは実行可能である場合があります。ただし、サポートされていない機能は動作せず、標準のLabVIEWエラーコードが返されます。LabVIEW Real-Timeモジュールは、NI Linux Real-Time RTOSを実行するRTターゲットでは以下の機能をサポートしていません。
- ActiveX VI
- NI TestStand VI (ActiveXベース)
- .NET VI
- レポート生成VI
- WindowsレジストリアクセスVI
- レポートExpress VI (サポート外のReport Generation VIを使用)
- グラフィック&サウンドVI
- Database Connectivity VI
- メニュー関数
- カーソルVI
- IrDA関数
- ファイルシステムWebサービスLabVIEW API
- NI Linux Real-Time以外のオペレーティングシステムAPIにアクセスするライブラリ関数ノードの呼び出し
- ファイルダイアログボックスを対話的に使用する「ファイルを開く/作成/置換」関数
- 実行プロパティページの呼び出されたら表示器をクリアオプション
- 「ヒストグラム作成」Express VIの自動構成オプション
- 特定の上級TDMS関数
- バッファ割り当てをプロファイルウィンドウ
- 最大利用可能メモリブロックプロパティノード―このプロパティノードがNI Linux Real-Timeターゲットに役立つ情報を提供することはなく、使用された場合はエラーを返します。代わりに、物理メモリの空き領域プロパティノードを使用します。
- 放されるまでラッチおよび放されるまでスイッチブールの機械的動作―ブールを使用するこれらの機械的動作をリアルタイムターゲット上では動作できない理由については、技術サポートデータベース「Boolean "Until Released" Mechanical Action Not Supported on Real-Time Targets」を参照してください。
RTターゲットVIのフロントパネルオブジェクトを変更する
VIまたはスタンドアロンのアプリケーションがヘッドレスのRTターゲットで実行されている場合や、組込UIを無効にした場合は、フロントパネルを変更するVIを実行できません。RTターゲットで実行されるVIにはフロントパネルが存在しないため、たとえばプロパティノードを使用してフロントパネルオブジェクトのプロパティを変更したり読み取ることはできません。この場合、RTターゲットでVIは実行されますが、フロントパネルオブジェクトには変更が適用されず、エラーが発生します。ただし場合によっては、フロントパネルとRTターゲットを接続して、サポートされていないLabVIEWの機能を使用できます。ターゲットとフロントパネル接続を確立するには、プロジェクトエクスプローラウィンドウでRTターゲットを右クリックし、ショートカットメニューから接続を選択します。
以下の機能は、フロントパネル接続されているRTターゲットでのみ使用できます。
- フロントパネルのプロパティノードと制御器リファレンスメモ RTターゲットでは、プロパティノードと制御器リファレンスの値が非同期的に更新されます。つまり、プロパティノードまたは制御器リファレンスには表示器または制御器の最新の値が反映されているとは限りません。
- ダイアログVIおよび関数
- VIサーバフロントパネル関数
Real-TimeモジュールとExpress VIに関する注意事項
LabVIEW Express VIを使用すると、対話的ダイアログボックスによって最小限のプログラミングで簡単に効率よく測定アプリケーションを作成できます。Express VIを使用すると、実行中のパフォーマンスにオーバーヘッドが加わります。したがって、確定的アプリケーションやプロセッサを集中的に使用するアプリケーションには使用できません。代わりに、LabVIEWの標準VIを使用してリアルタイムアプリケーションを作成してください。
再入可能VIをデバッグする
LabVIEWのデバッグツールは、RTターゲットで実行中の再入可能VIのコピーで使用できません。LabVIEWは再入可能VIのコピーをフロントパネルで識別しますが、RTターゲットで実行中のVIにはフロントパネルが含まれないため、LabVIEWは再入可能VIのコピーをデバッグするために開くことはできません。ただし、RTターゲットにアプリケーションをデプロイする前に、Windowsでアプリケーションを実行してデバッグすることができます。