電流測定の理論と実測

発行日: 8 22, 2017 | 2 評価数 | 5 段階中平均 3.00 | 印刷

概要

このドキュメントは、 「センサ・信号計測の理論と実測ガイド」 ポータルサイトの一部です。

目次

  1. 電流の概要
  2. 電流測定の理論と実測
  3. 推奨ソフトウェアとハードウェア
  4. 電流Webイベント、チュートリアルなどのハウツーリソース

1. 電流の概要

電流は電荷の流れです。国際単位系(SI)での電流の単位はアンペア(A)で、1アンペアは1秒間に1クーロンの電荷が流れる場合の電流と等しいと定義できます。

電流測定の方法は複数ありますが、最も一般的な方法は間接的な測定方法です。高精度な抵抗の電圧を測定し、オームの法則によって抵抗を流れる電流を測定する方法です。



電流の基本

導電性の高い金属には、可動電子または自由電子が多数存在しています。電池などのDC電圧ソースの2つの端子に金属線を接続すると、ソースによって伝導体に電界が発生します。金属線が接続された瞬間、伝導体の自由電子がこの電界の影響を受けてプラス端子に向かって移動します。

つまり、自由電子は固体伝導体で電流キャリアになります。1アンペアの電流とは、1クーロンの電荷(約6.242 × 1018個の電子)が1秒間に伝導体の断面を流れることと定義できます。

図1.電流の図

電気科学の歴史の初期には、電流は正電荷の流れと定義されていました。導線などの固体の金属では、正電荷キャリアは動かず、負電気を帯びた電子のみが移動します。電子は負電荷を運ぶため、電流は常規電流とは逆の方向に流れます。

電気回路を解析する場合、特定の回路素子を流れる電流の実際の方向は通常不明です。したがって、各回路素子に流れる電流値を変数として割り当て、正負号を用いて向きを任意に決めた上で解析を行います。回路解析を実施すると、各回路素子に割り当てた電流変数は正または負の値を持つことになります。負の場合は、その回路素子を流れる電流の向きは、実際に設定した方向とは逆になることを意味します。

上に戻る

2. 電流測定の理論と実測

電流の測定方法

電流の主な測定方法は2つあります。一つは、電磁気学に基づいた方法で、初期の可動コイル(ダルソンバル)検流計を使用します。もう一つの方法は、電気学の代表的な説であるオームの法則に基づいています。

ダルソンバル検流計

ダルソンバル検流計は電流計の一種で、電流の検出や測定を行います。アナログ電気機械トランスデューサで、コイルに電流が流れると、指針が制限内で円弧を描くようにふれます。

現在使用されているダルソンバル検流計は、永久磁界内でコイル状の小さなワイヤが旋回するように設計されています。コイルは細い指針に取り付けられていて、この指針が目盛を行き来するようになっています。小さなねじりバネがコイルと指針をゼロの位置に引っ張ります。

直流(DC)がコイルを流れた場合、コイルは磁界を発生させます。この磁界は永久磁石に反発します。コイルはねじれ、ばねが押され、指針が動かされます。指針は電流を表す目盛を指し、指針のふれ角は電流に比例しています。

その他の電流計

基本的に今日の電流計のほとんどは、電気学の基本定理であるオームの法則にのっとっています。今日の電流計は基本的に高確度の抵抗を持つ電圧計です。オームの法則を利用し、高確度かつコスト効率のよい測定が可能です。

オームの法則– 導体の2点の間を流れる電流は2点の電位差(電圧降下または電圧)に正比例しており、2点の間の抵抗には反比例する。

この関係を表した方程式は次のとおりです。

I = V/R

Iは電流(単位:アンペア)、Vは2点間の電位差(単位:ボルト)、Rは回路パラメータ(単位:オーム)(1アンペアあたりのボルトと等しい)を表しています。このRは抵抗と呼ばれます。

電流計の動作– 電流計には内部抵抗があり、信号電流を測定します。ただし、内部抵抗で扱えないほどの大きな電流を測定する場合は、外部の構成が必要になります。

大電流を測定する場合、シャントと呼ばれる高確度の抵抗を検流計と並行に配置します。電流のほとんどはシャントを流れるため、検流計には少量の電流しか流れません。これにより、検流計で大電流を測定できます。

最大電流が電流計またはデータ集録デバイスの入力範囲を超えない限り、どのような抵抗でも使用することができます。

この方法で電流を測定する場合、可能な限り抵抗は小さくする必要があります。既存の回路に与える影響を最小にするためです。ただし、抵抗が小さくなると、電圧降下も少なくなり、分解能と回路に対する影響の間で妥協点を見つける必要があります。

図2は、シャント抵抗を使用した電流測定の一般的な回路図です。

図2.シャント抵抗を接続した回路

この方法を使用すると、電流は検流計/データ集録ボードには流れず、外部のシャント抵抗に流れます。シャント抵抗の電圧降下が検流計/データ集録ボードの有効な電圧範囲を超えなければ、測定可能な最大の電流量は理論的には無限です。

4~20 mAカレントループ

4~20 mAカレントループは、2本の導体を使用してデバイスをリモートで監視または制御する場合に使用します。常に1つの電流レベルが示されます。

「4~20 mAのカレントループ」または4-20 mAは、工業用計測器および通信のためのアナログ電送規格です。伝送信号は4 mAが0%信号を表し、20 mAが100%信号を表すカレントループです。

4 mAにおける「ライブゼロ」によって、受信機はゼロ信号と壊れたワイヤまたは故障した計測器の違いを認識できます。[1]1950年代に開発されたこの規格は現在も業界で広く使用されています。4-20 mAの規則のメリットとしては、メーカーに広く普及していること、実装にかかるコストが比較的に低いこと、定電流型であることから電気的ノイズに強いことが挙げられます。また、ライブゼロを使用して、ループから直接低電力計測器の電源を入れることができ、ワイヤを追加するコストを節約できます。

精度に関する注意事項

シャント抵抗の回路への配置方法は重要です。外部回路と検流計/データ集録ボードのグランドが共通の場合、シャント抵抗を回路上のグランド点とできる限り近づけて接続する必要があります。共有しない場合、シャント抵抗が発生させたコモンモード電圧は、検流計/データ集録ボードの仕様を超える場合があります。これは、不正確な読み取り値、あるいはボードの損傷につながる恐れがあります。図3は、シャント抵抗の正しい配置と間違った配置を示しています。

図3.シャント抵抗の配置

データ集録デバイスによる測定

アナログ入力の測定方法は3つあります。各構成に関する詳細については、『電圧測定の理論と実測』をご参照ください。

サンプルとして、NI CompactDAQ USBデータ集録システムを紹介します。図4は、NI CompactDAQシャーシおよびNI 9203アナログ電流入力モジュールを示しています。NI 9203には内部に高確度の抵抗を備えているため、外部シャント抵抗を必要としません。

図4.NI CompactDAQシャーシおよびNI 9203アナログ電流入力モジュール

図5は、NI cDAQ-9172シャーシをNI 9203と組み合わせて使用した場合のRSE電圧測定の接続図とモジュールのピン配列を表しています。図では、ピン0が「アナログ入力0」チャンネルに、ピン9がコモングランドに対応しています。

図5.RSE構成での電流測定

NI 9203に加えて、NI 9205などの汎用アナログ入力モジュールは、外部シャント抵抗を用いて電流入力を行うことができます。

測定結果の表示NI LabVIEW

センサを計測器に接続したら、LabVIEWグラフィカルプログラミングソフトウェアを使用して、必要なデータを視覚化して解析できます。

図6.LabVIEW電流測定

参考文献・資料

Bolton, William:Instrumentation and Control Systems. Elsevier. 2004. ISBN 0750664320.

上に戻る

3. 推奨ソフトウェアとハードウェア

電流測定システムの推奨構成

NI CompactDAQ:簡単セットアップビデオ(3分)

NI CompactDAQバーチャルツアー

NI LabVIEWとは

上に戻る

4. 電流Webイベント、チュートリアルなどのハウツーリソース

DC/AC電流測定(英語)

NI-DAQmx:連続電流測定(英語)

絶縁技術による信頼性の高い工業計測の実現

上に戻る

ブックマーク&共有


評価

文書に対する評価

解答が見つかりましたでしょうか?
はい いいえ

送信