粒子形状を変更するモフォロジー操作は、ピクセルをその近接ピクセルの数と値に基づいて処理します。近接ピクセルとは、特定の画像処理関数の実行中にその値が隣接するピクセル値に影響するピクセルを指します。モフォロジー変換では、「構造要素」と呼ばれる2次元のバイナリマスクを使用して、粒子の形状と境界線に対するバイナリモフォロジー関数の作用を制御し、各ピクセルの近傍のサイズおよび作用を定義します。

使用目的

基本モフォロジー操作または分離上級バイナリモフォロジー操作を実行する際、構造要素を使用します。構造要素のサイズと値を変更して、特定の方法で粒子形状を変更することができます。ただし、独自の構造要素を定義する前に基本的なモフォロジー操作について学習してください。

概念

モフォロジー操作で処理するピクセルの新しい値は、構造要素のサイズと内容に応じて決定される対象ピクセルに基づいて計算されます。構造要素は、処理対象のピクセルが中心となるよう軸が奇数サイズである必要があります。構造要素の内容は必ず1と0の値で構成されるバイナリになります。最も標準的な構造要素は、1の値を含む3 × 3行列です。以下に示すこの行列は、ほとんどのバイナリおよびグレースケールモフォロジー変換のデフォルトの構造要素です。

構造要素のサイズ、構造要素セクタの値、ピクセルフレームの形状の3つの要素は、構造要素がモフォロジー変換中に処理するピクセルを定義する方法に影響します。

構造要素のサイズ

構造要素のサイズは、処理中のピクセルを囲む近傍のサイズを決定します。処理中のピクセルの座標は、構造要素の作用として決定されます。以下の図では、処理中のピクセルの座標はそれぞれ(1, 1)、(2, 2)、(3, 3)です。基点(0, 0)は常に左上隅のピクセルです。

構造要素を使用するには、画像の縁が必要です。3 × 3構造要素には、最小1の縁のサイズが必要になります。同様に、5 × 5および7 × 7の構造要素には、それぞれ2および3の縁のサイズが必要になります。より大きい構造要素では、その大きさに対応するように画像の縁サイズが増加する必要があります。

メモ Vision画像のデフォルトの縁サイズは3です。この縁のサイズにより、変更を行わずに最大7 × 7の構造要素を使用することが可能になります。7 × 7よりも大きいサイズの構造要素を使用する予定がある場合、画像作成時にそのサイズに対応するようにより大きいサイズの縁を指定します。

構造要素のサイズによって、モフォロジー変換の速度が決定します。構造要素が小さいほど、変換速度は速くなります。

構造要素値

構造要素のバイナリ値によって、以下の方法で変換中に考慮する近接ピクセルが決定します。

  • 構造要素セクタの値が1である場合、変換中に対応するソース画像ピクセルの値は中央ピクセル値に影響します。
  • 構造要素セクタの値が0である場合、モフォロジー関数では対応するソース画像のピクセル値は考慮されません。

以下の図は、モフォロジー関数の実行中の構造要素値の作用を示します。構造要素を使用するモフォロジー変換では、その近接ピクセル値の作用となるようにピクセルP0が変更されます。

ピクセルフレームの形状

デジタル画像は、長方形グリッドで整列されたピクセルの2D配列です。粒子の構造を抽出および変更するモフォロジー変換により、正方形または六角形のどちらかの構成でピクセルを処理することが可能になります。これらのピクセル構成から、ピクセルフレームの概念が生まれます。ピクセルフレームは、整列(正方形)またはシフト(六角形)のいずれかが可能です。ピクセルフレームパラメータは、それらの近接ピクセル強度に応じてピクセル値を変更する関数にとって重要になります。正方形または六角形フレームのどちらを使用するかによって、Visionがこのフレーム概念を使用する関数で処理する画像をどのように解析するかが影響されます。デフォルトでは、Visionは正方形フレームを使用します。

メモ 画像内のピクセルは、水平ピクセルフレームでは物理的にシフトしません。ピクセルフレームの形状を設定することが可能な関数では、六角形のフレームを指定する場合でもピクセル値を処理する方法はほとんど異なりません。

以下の図は、3 × 3および5 × 5の構造要素が適用される場合の正方形と六角形のピクセルフレーム間の違いを示します。

モフォロジー関数が3 × 3の構造要素と六角形のフレームモードを使用する場合、変換操作で処理中のピクセルに対する近接ピクセルの作用を計算する際、要素[2, 0]および[2, 2]は考慮されません。モフォロジー関数が5 × 5の構造要素と六角形のフレームモードを使用する場合、変換操作では要素[0, 0]、[4, 0]、[4, 1]、[4, 3]、[0, 4]、[4, 4]は考慮されません。

以下の図は、3 × 3の構造要素と長方形のフレームモードを使用したモフォロジー変換を示します。

以下の図は、3 × 3の構造要素と六角形のフレームモードを使用したモフォロジー変換を示します。

以下の表は、3つの構造要素のサイズを仮定した場合の近傍上のピクセルフレーム形状の作用を示します。グレーのボックスは、黒の各中央ピクセルの近接ピクセルを示します。

正方形のフレーム

正方形のフレームでは、ピクセルは正常に整列します。以下の図は、8つの近接ピクセルに囲まれた正方形のフレーム内のピクセルを示します。dが中央ピクセルに対して垂直および水平方向の近接ピクセルからの距離である場合、対角方向の近接ピクセルは中央ピクセルから

2
中心ピクセルからのdです。

六角形のフレームでは、画像の偶数のラインはピクセルの半分の距離分右の方向にシフトします。したがって、六角形のフレームは真円に似ている構成でピクセルを配置します。以下の図は、6つの近接ピクセルに囲まれた六角形のフレーム内のピクセルを示します。各近接ピクセルは、極めて高い精度のモフォロジー測定の結果を生成する中央ピクセルから等しい距離dです。