モフォロジー分割
- 更新日2026-02-23
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画像解析とマシンビジョンアプリケーション(工業用欠陥検査または生物医学画像など)の中には、画像品質が不十分であったり、検査中のオブジェクトが接触し合うか重複するために、2値化またはエッジ検出に基づいた分割が不十分なものもあります。そのようなアプリケーションでは、画像分割の手法としてモフォロジー分割を使用すると効果的です。モフォロジー分割では、画像の地形面に基づいて画像を分割します。画像は、それぞれ固有の粒子を含む、重複しない領域に分割されます。
使用目的
オブジェクトが完全に互いに分離され、背景と極めて異なる明るさの強度値を含む場合のみ、2値化によって背景からオブジェクトを分割することが可能です。クローズまたはオープンなどのバイナリモフォロジー操作では、重複した粒子を分割する場合、不正確な結果が返される場合があります。
概念
モフォロジー分割は、複数のVision関数を含む複数の段階による処理です。以下に、モフォロジー分割の各段階とそれらに関する詳細情報の参照先を説明します。
- グローバルまたはローカル2値化を使用して、バイナリ画像を作成します。2値化の詳細については、グローバルグレースケール2値化、グローバルカラー2値化、ローカル2値化を参照してください。
- 必要に応じて、バイナリモフォロジー操作によって粒子の穴埋めまたは画像からの余分なノイズの除去を行い画像を改善します。
- ダニエルソン関数を使用して、バイナリ画像をグレースケール距離マップに変換します。グレースケール距離マップでは、各粒子ピクセルに、粒子の境界から最短のユークリッド距離に等しいグレーレベル値が割り当てられます。
- ウォーターシェッド変換を距離マップに実行して、ウォーターシェッドの離線を検出します。
- 画像マスクを使用して、元の画像にウォーターシェッドラインを重ね合わせます。
以下の図は、モフォロジー分割処理の概要と各段階の例を示します。
ウォーターシェッド変換
地理学では、ウォーターシェッド(川の流域)は地面に落ちる雨が特定の水域に流れ出る分水地点の領域を指します。画像処理では、ウォーターシェッド変換アルゴリズムは検査中のオブジェクトを水域とみなします。以下の図は、この概念を表しています。
- 図Aは、2値化された検査画像を示しています。
- 図Bは、傾斜パレットを使用した画像内のオブジェクトの距離マップを示しています。
- 図Cは、距離マップの地形面を示します。
検査画像からの各オブジェクトは、集水域と呼ばれる深い円錐形の流域を形成します。距離マップ関数が最大値を割り当てたピクセルは、各集水域の最も深い部分を表します。画像背景は、集水域を囲む土地を表します。
ウォーターシェッド変換のしくみを理解するには、集水域が乾いていると想像してください。雨が画像全体に均等に落ちる場合、流域は同様のレートで満たされます。最終的に円と正方形で表される流域の水は結合されて、1つの湖を形成します。ウォーターシェッド変換アルゴリズムは、2つの湖が1つの湖になることを防ぐために、水域が混合し始める場所にダム(ウォーターシェッドライン)を構築します。
図Aは、下の2つのオブジェクトを結ぶラインがある図Bと同じ距離マップを示します。図Bは、図Aのライン上のピクセルの明るさの強度を示します。ウォーターシェッドラインが2つの集水域が混合することを防いでいることに注目してください。
降水が続くにしたがって、3つのすべての湖の上昇する水によって土地が氾濫します。ウォーターシェッド変換アルゴリズムは、土地にダムを構築して、各湖からの洪水が結合されることを防ぎます。以下の図は、分割化が完了した後のウォーターシェッド変換画像を示します。各集水域からの水は、異なるピクセル値によって表されます。黒のラインは、ウォーターシェッドラインを表します。
詳細情報
Vincent and Soilleアルゴリズム
Vincent and Soilleアルゴリズムでは、集水域が下から上に向かって満たされます。各局所最小値に穴があることを想像してください。地形面が浸水すると、水は水位下の極小値の集水域全体に流入し始めます。2つの集水域が続く浸水の結果結合する寸前までに至る場合、アルゴリズムは最高地表標高まで垂直のダムを構築します。ダムはウォーターシェッドラインを表します。Visionウォーターシェッド変換関数の中心アルゴリズムは、Vincent and Soilleアルゴリズムに基づいています。VisionのVincent and Soilleアルゴリズムでは、すべてのピクセルがグレースケール値に従って降順に並べ替え、さらに全ピクセルの高速幅優先スキャンによる洪水処理が実行されます。