ヒストグラムは、各グレースケールレベルでピクセルの合計数をカウントし、グラフ化します。グラフを参照することで、画像内に特定のグレーレベル値の固有な領域があるかどうかを識別できます。

ヒストグラムは画像の一般的な外観の描写を表し、背景、オブジェクト、ノイズなどの異なる要素を識別するのに役立ちます。

使用目的

ヒストグラムは、画像内にあるピクセルの明るさの強度がどのように配分されているかを表す基本画像解析ツールです。ヒストグラムを使用して、画像内の全体的な明るさの強度が検査タスクを行うのに十分に高い値であることを確認します。また、ヒストグラムを使用して、画像内に特定のグレースケール値の固有な領域があるかを確認することができます。また、画像集録の状態を調整することもできます。

ヒストグラムを参照することで、2つの重要な条件を検出することができます。

  • 飽和―画像環境で光量が不足している場合は画像センサの露光不足の原因となり、過剰の光量は画像センサの露光過多または飽和が生じる原因となります。露光不足または飽和状態で集録された画像には、観察中のシーンから検査したい必要なすべての情報は含まれません。これらの画像状態を検出して、画像システムのセットアップ中にこれらの状態を補正することが重要になりますす。ヒストグラムを参照することで、センサが露光不足または飽和されているかどうかを検出することができます。露光不足の画像には、低いグレーレベル値のピクセルが多く含まれます。これはヒストグラムの下部でピークとして表示されます。露光過多または飽和状態の画像には、非常に高いグレーレベル値のピクセルが多く含まれます。
  • コントラスト不足―幅広く使用されている画像アプリケーションのタイプには、シーン内の対象部分の検査およびカウントが含まれます。オブジェクトを背景から分離する手法は、2つの明るさの強度間の差異(たとえば、明るい領域と暗い背景間)に依存します。この場合、画像のヒストグラムの解析は、適切に分離された明るさの強度の集合体を示します。集録された画像のヒストグラムアプリケーションに必要なコントラストが含まれるまで、画像設定を調整してください。

概念

ヒストグラムは、グレースケール範囲[0, …, k, …, 255]で定義された関数Hで、ピクセル数がグレーレベル値kに等しい、

H k = n k

ここで、

  • kはグレーレベル値、
  • nkは、kに等しいグレーレベル値を持つ画像内のピクセル数です。
  • ∑ k = 0~255のnkは、画像内のピクセルの合計数です。

以下の図のヒストグラムのプロットは、頻繁に発生するグレーレベルとほとんど発生しないグレーレベルを示します。

以下の画像は、グレースケール範囲を示します。

線形と累積の2つのタイプのヒストグラムを計算することができます。

どちらの場合も、水平軸は0~255の範囲のグレーレベル値を表します。グレーレベル値kの場合、線形ヒストグラムの垂直軸はkの値に設定されたnkのピクセルの数、累積ヒストグラムの垂直軸はk以下に設定されたピクセルの割合(%)を示します。

線形ヒストグラム

密度関数は、

H l i n e a r k = n k

ここで、

  • HLinear(k)は、kに等しいピクセル数です。

確率関数は、

P l i n e a r k = n k n

ここで、

  • PLinear(k) は、ピクセルがkに等しくなる確率を示します。

累積ヒストグラム

分布関数は以下のようになります。

H C u m u l k = i = 0 k n i

ここで、

  • HCumul(k)は、k以下のピクセルの数です。

確率関数は、

P C u m u l k = i = 0 k n i n

ここで、

  • PCumul(k)は、ピクセルがk以下の確率を指します。

解釈

ピクセルセットが集中しているグレーレベルの区間は、画像内の主要な要素と対応する明るさの強度の範囲を示します。

線形ヒストグラムから、画像が3つの主要成分で構成されることが分かります。同じ画像の累積ヒストグラムからは、最も左側の2つのピークが画像の約80%を占め、残りの20%は3番目のピークに対応することが分かります。

ヒストグラムスケール

ヒストグラムプロットの垂直軸は、線形または対数スケールで表示することが可能です。対数スケールでは、わずかな数のピクセルによって使用されるグレースケール値を視覚化することが可能です。これらの値は、ヒストグラムが線形スケールで表示される場合、使用されていないように見える場合があります。

対数スケールでは、ヒストグラムの垂直軸は各グレースケール値に対してピクセル数の対数を割り当てます。マイナーなグレーレベル値を頻繁に使用するほど、主要なグレーレベル値が目立たなくなります。対数スケールでは、通常線形スケールでは目立たない小さいヒストグラム値が強調されます。以下の図は、同じ画像のヒストグラムの表示を線形および対数スケールで表した差異を示します。この特定の画像では、3つのピクセルは0に等しくなります。

以下の画像は、線形垂直スケールを示します。

以下の画像は、対数垂直スケールを示します。

カラー画像のヒストグラム

カラー画像のヒストグラムは、以下の表のカラーモデルにある3つの主要成分のヒストグラムにそれぞれ対応する3つの表で表現されます。

カラーモデル

コンポーネント

RGB Red、Green、Blue
HSL 色相、彩度、明度