パイプライン型ADCを使用するアナログ入力

メモ すべてのSシリーズデバイスにパイプライン型ADCがあるわけではありません。ご使用のデバイスにパイプライン型ADCがあるかどうかを判断するには、デバイスの仕様を参照してください。

多くのSシリーズデバイスには、固有のパイプライン深度を持つパイプライン型ADCがあります。このパイプラインにより、デバイスで高いレートでのサンプリングが可能になりますが、デバイスのタイミング要件にも影響が及ぼされます。NI 6143を除くSシリーズデバイスは、AIハードウェアタイミングのシングルポイントサンプリングモードをサポートしません。読み取りの前にパイプラインを介してデータを渡す必要があるため、読み取られるデータは常にパイプライン深度のポイント分だけ古くなります。たとえば、デバイスのパイプライン深度が3の場合、最初のサンプルは1個目のクロックティックで集録されますが、4個目クロックティックが発生するまでは読み取れません。この論理により、有限集録時のパイプラインをクリアするには、パイプライン深度数だけ余分にクロックパルスを供給する必要があります。上記の例の他、パイプライン深度が3で1000サンプルを集録する場合、1003サンプリングクロックパルスを生成する必要があります。オンボードサンプリングクロックを使用している場合、NI-DAQmxは自動的に適切なサンプリングクロックパルス数を生成します。ただし、外部サンプリングクロックを使用する場合やデバイスを同期する場合、適切な数のサンプリングクロックパルスを供給していることを確認する必要があります。

また、サンプルが測定確度の低下や損失がない状態でパイプラインに保持される時間には制限があります。この時間制限によって、デバイスで指定された測定確度を維持するための最低限のサンプリングレートが決定します。この推奨最小サンプリングレートよりも遅い速度でサンプリングすることもできますが、デバイスの確度仕様への適合は保証されません。推奨の最小サンプリングレートを決定するには、デバイスの仕様を参照してください。

また、このパイプラインのサンプルの精度低下は、オンデマンドシングルポイント集録および一時停止トリガを使用する集録に影響します。オンデマンドシングルポイント集録については、NI-DAQmxは、読み取りが行われる各サンプルにデバイスの最大サンプリングレートで複数サンプリングクロックを生成します。パイプライン型ADCを持つSシリーズデバイスについては、生成されるサンプリングクロック数はパイプラインの深度に1を加算した数値と同じです。パイプライン型ADCを持たないSシリーズデバイスについては、2つのサンプリングクロックパルスが各ポイントに生成されます。これにより、オンデマンドシングルポイント集録の実行中にサンプリングクロックをエクスポートする場合、データポイント数よりも多いサンプリングクロックパルスが出力されます。その後、NI-DAQmxは最初のサンプリングクロックパルスで発生したデータポイントを除く、すべてのポイントを破棄します。これにより、返されるデータは必ず有効なデータとなります。一時停止トリガを使用する集録については、パイプラインの深度数を最小サンプリングレートで除算した値よりも長い時間トリガがアサートされる場合、トリガがパイプラインでそのサンプルを無効にできます。たとえば、デバイスがパイプライン深度3で、最小サンプリングレートが1秒あたり1000ある場合、データは3 ms以上パイプラインに常駐するべきでありません。これにより、一時停止トリガは、パイプラインのデータが過去の仕様を低下させる前に最長3 ms、アサートされた状態と検出された3つのサンプリングクロックを維持できます。一時停止トリガの場合、NI-DAQmxは無効サンプルの検出や破棄を行いません。ユーザがこの状態を検出し、適切に無効サンプルの処理を行う必要があります。

アナログ出力

有限生成タスクにおいて外部クロックをao/SampleClockとして使用する場合は、生成サンプル数よりも1つ余分に多いサンプリングクロックパルスを供給する必要があります。これにより「DAQmx完了まで待機」関数/VIがタスクの完了を確認することができます。たとえば、外部サンプリングクロックを使用して1000個のサンプル生成する場合、1001個のサンプリングクロックパルスを供給する必要があります。サンプリングクロックパルスが1000しかないと、「DAQmx完了まで待機」関数/VIでタスクの完了が示されません。すべてのサンプルが生成されますが、アナログ出力タイミングエンジンは、生成の完了を示すために1つ余分なクロックパルスを必要とします。アナログ出力生成を別の集録/生成タスクと共通のクロックによって同期する場合は、マスタクロックとしてao/SampleClockを使用するか、マスタクロックを供給する別の集録/生成タスクのデータから生成/集録生成を完了するタイミングを判断することができます。

メモ STC2タイミングチップを使用するSシリーズデバイス (NI 6154など) では、タスクを完了するために1つ余分なサンプリングクロックパルスを適用する必要はありません。