伝達関数システムモデルを浮動小数点から固定小数点表記に変換します。このモデルを取得するには、FP伝達関数モデル制御器に値を入力するか、またはLabVIEW Control Design & Simulation (制御系設計/シミュレーション) モジュールに含まれるVIを使用します。

次に、「離散伝達関数ダイレクト」VIを使用すれば、FPGAでこのモデルを実装することができます。


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入力/出力

  • ccclst.png FP伝達関数モデル

    FP伝達関数モデルは、このVIが固定小数点表記に変換する際に使用する浮動小数点伝達関数のコントローラモデルを指定します。

    この端子に配線するモデルは、以下の要件を満たす必要があります。
    • モデルは伝達関数形式である必要があります。モデルが零点-極-ゲイン (ZPK) または状態空間 (SS) 形式である場合、モデル変換VIを使用してモデルを伝達関数形式に変換します。これらのVIは、LabVIEW Control Design & Simulation (制御系設計/シミュレーション) モジュールをインストールすると使用することができます。
    • 分母の次数は8以下である必要があります。
    • 伝達関数は分母の次数が分子の次数以上である必要があります。
    • モデルはシミュレーションデータタイプである必要があります。LabVIEW Control Design & Simulation (制御系設計/シミュレーション) モジュールを使用してモデルを作成した場合、「CD Convert Control Design to Simulation」VIを使用してモデルをシミュレーションデータタイプに変換する必要があります。
    • モデルは離散型である必要があります。連続モデルの場合、Control & Simulation (制御系設計/シミュレーション) モジュールで使用が可能な「CD Convert Continuous to Discrete」VIを使用してモデルを離散化します。
    • 離散モデルのサンプル時間はFPGAの実行レートと一致する必要があります。適切なサンプル時間とFPGAの実行レートを計算するには、以下の要素を考慮に入れてください。
      • コントローラがセンサから入力u(k)を受け入れるレート
      • アクチュエータがコントローラから入力y(k)を受け入れるレート
      これらのレートが等しくなるのが理想です。この場合、モデルのサンプル時間とFPGAの実行レートをこのレートに設定します。たとえば、コントローラが1 kHzで入力を受け入れ、アクチュエータが1 kHzで出力を受け入れた場合、モデルのサンプル時間を1/1,000つまり0.001秒に設定します。FPGAの実行レートを1 kHzに設定します。

      これらの2つのレートが異なる場合、サンプル時間とFPGAの実行レートを、これらの2つのレートのうち速いほうのレートに設定します。たとえば、コントローラが1 kHzで入力を受け入れ、アクチュエータが2 kHzで出力を受け入れた場合、サンプル時間を1/2,000つまり0.0005秒に設定します。FPGA実行レートを2 kHzに設定します。

  • c1ddbl.png 分子

    分子は、一次元配列で多項式の分子の係数を表します。

  • c1ddbl.png 分母

    分母は、一次元配列で多項式の分母の係数を表します。

  • cerrcodeclst.png エラー入力 (エラーなし)

    エラー入力は、このノードを実行する前に発生したエラーの状態を示します。この入力は、標準エラー入力として機能します。

  • icclst.png FXP伝達関数モデル

    FXP伝達関数モデルは、固定小数点表記でFP伝達関数モデルを返します。この出力を「離散伝達関数ダイレクト」VIのFXP伝達関数モデル入力に配線します。

    FXP伝達関数モデルの各要素のデータタイプは<+/–, 32, 12>です。このデータタイプの変更は可能ですが、変更する前に、この表示器を右クリックしてショートカットメニューからタイプ定義から切断を選択する必要があります。

  • i1dunkn.png 分子

    分子は、多項式の固定係数を昇順で含み、SISO伝達関数の分子を表します。

  • i1dunkn.png 分母

    分母は、多項式の固定係数を昇順で含み、SISO伝達関数の分母を表します。

  • iu8.png 順序

  • ierrcodeclst.png エラー出力

    エラー出力には、エラー情報が含まれます。この出力は、標準エラー出力として機能します。