Real-Timeシステムコンポーネント
- 更新日2025-02-20
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リアルタイムシステムは、ソフトウェアコンポーネントとハードウェアコンポーネントで構成されます。ソフトウェアコンポーネントには、LabVIEW、RTエンジン、ユーザが作成するLabVIEWプロジェクトとVIが含まれます。ハードウェアコンポーネントは、ホストコンピュータとRTターゲットで構成されます。以下のセクションでは、リアルタイムシステムの各コンポーネントについて説明します。
ホストコンピュータ
ホストコンピュータは、LabVIEWとLabVIEW Real-Timeモジュールがインストールされたコンピュータです。リアルタイムシステムのVIはこのコンピュータで開発されます。開発が完了したリアルタイムシステムのVIは、RTターゲットにダウンロードして実行できます。ホストコンピュータは、ユーザインタフェースを提供するために、RTターゲット上で実行するVIと通信するVIを実行します。
LabVIEW
VIの開発は、ホストコンピュータ上のLabVIEWで行います。LabVIEW Real-Timeモジュールは、確定性のあるVIの作成、デバッグ、開発するためのLabVIEWへの追加ツールです。
LabVIEWプロジェクト
LabVIEWプロジェクトを使用して、LabVIEWファイルとLabVIEW以外のファイルをグループ化したり、スタンドアロンリアルタイムアプリケーションを作成したり、ビルド仕様を作成したり、RTターゲットにVIをデプロイまたはダウンロードすることができます。プロジェクトを保存すると、LabVIEWはプロジェクトのファイルへのリファレンス、構成情報、ビルド情報、デプロイ情報などを含む、プロジェクトファイル (.lvproj) が作成されます。
RTエンジン
RTエンジンとは、RTターゲット上で実行されるLabVIEWのバージョンです。RTターゲットにダウンロードされたVIは、RTエンジンによって実行されます。RTエンジンの以下の特徴により、確定的なリアルタイムパフォーマンスが実現されます。
- RTエンジンはリアルタイムオペレーティングシステム(RTOS)上で実行され、LabVIEWの実行システムなどのサービスをリアルタイム操作と結びつける役割を果たします。
- RTエンジンはRTシリーズハードウェアで実行されます。RTターゲットでは、RTアプリケーションに必要なデバイスドライバとVIだけが実行されるため、他のアプリケーションによってRT VIの実行が妨害されることがありません。
- RTターゲットは、予期しないパフォーマンスの原因となる仮想メモリを使用しません。
RTターゲット
RTターゲットとは、RTエンジンとLabVIEWで開発されたVIを実行するRTシリーズハードウェアです。ネットワークRTシリーズデバイスとは、RTエンジンとLabVIEWのVIを実行する組込プロセッサとリアルタイムオペレーティングシステムを搭載する、ネットワーク接続されたハードウェアプラットフォームです。ネットワークRTシリーズデバイスで実行されるVIは、イーサネット接続を介して別のホストコンピュータから通信または制御できます。ネットワーク接続型RTシリーズデバイスの例としては、以下のデバイスがあります。
- NI RTシリーズPXIコントローラ―NI PXIシャーシに取り付けるネットワークデバイスで、シャーシの他のNI PXIモジュールと通信します。PXIシャーシに取り付けられたPXIモジュール、SCXIモジュール、およびその他の信号調節デバイスのI/O機能を使用するVIを作成することができます。また、RTエンジンは、RTシリーズPXIコントローラの機能をサポートします。各ネットワークデバイスのRTエンジンでサポートされる機能については、NIのWebサイトでLabVIEW Real-Timeサポートページを参照してください。
- NI CompactRIOシリーズ―高いパフォーマンスと信頼性を必要とするアプリケーションを実行するための再構成可能な制御/集録システムです。
- NI RTシリーズFieldPointおよびCompact FieldPoint―RTOSを実行するネットワークデバイスです。
- NI CVS-1457RT Compact Vision System―GigE Visionカメラの画像を集録、処理、表示するための、手軽な分散リアルタイム画像処理システムです。
- デスクトップコンピュータRTターゲット―RTエンジンソフトウェアがインストールされたデスクトップコンピュータです。デスクトップコンピュータをネットワーク接続したRTターゲットとして構成する方法については、『デスクトップコンピュータをReal-TimeモジュールでRTターゲットとして使用する』を参照してください。
USBストレージデバイス
Real-Timeモジュールは、オンボードUSBハードウェアを持つRTターゲットでのUSBストレージデバイス (サムドライブ、外付けUSBハードディスクドライブなど) の使用もサポートしています。RTターゲットのUSBポートに接続された外付けUSBストレージデバイスには、RTターゲットで実行中のVIからアクセスできます。
RTシステムに接続したUSBサムドライブには、自動的にU:というドライブ名が割り当てられます。さらにドライブを追加すると、次の文字が自動的に割り当てられます。たとえば、V:、W:、X:のように続きます。
| 注意 操作中にUSBドライブの接続を解除すると、データが破損する恐れがあります。データを保護するために、ドライブを接続解除する前に、USBドライブのファイルをすべて閉じてください。 |