Real-Timeプロジェクトウィザードを使用して、RTターゲットを定義し、VIおよびその他のアプリケーションファイルを含む新規プロジェクトを作成します。Real-Timeプロジェクトウィザードでは、3つのアーキテクチャ (連続通信、ステートマシン、またはカスタム) のいずれかを使用してプロジェクトを作成できます。

連続通信アーキテクチャ

ディスクにログデータを保存し、ユーザインタフェース用にホストコンピュータと継続的に通信するデータ収集アプリケーションを作成するには、連続通信アーキテクチャを使用します。

連続通信アーキテクチャでは、RTターゲットVIで1つまたは2つのタイミングループを使用するアプリケーション構成を選択することができます。

  • 1ループ―RTターゲットVIは、タイミングループを使用して、アプリケーションタスクのタイミングと実行を制御します。
  • 2ループ―RTターゲットVIは、異なる優先度で実行される2つのタイミングループを使用して、アプリケーションタスクのタイミングと実行を制御します。優先度の高いタイミングループは確定的タスクを制御します。優先度の低いタイミングループは、ユーザインタフェース通信およびファイルI/Oタスクを制御します。

リアルタイムアプリケーションのユーザインタフェースは、ホストコンピュータで実行するVIを使用、またはLabVIEWリモートフロントパネルからRTターゲットVIに接続することで実現できます。

  • ホストVI―LabVIEWシェア変数を使用して、RTターゲットVIからユーザインタフェースデータを送信します。ホストコンピュータで実行するVIは、ユーザインタフェースデータにアクセスし、フロントパネルに表示します。
  • リモートパネル―LabVIEWリモートパネルを使用して、RTターゲットVIのフロントパネル制御器および表示器を表示します。確定性を必要とするアプリケーションでは、単一のタイミングループ構成でリモートパネルを使用することはできません。Real-Timeプロジェクトウィザードによって、RTターゲットのWebサーバでパブリッシュできるHTMLファイルが作成されます。このHTMLファイルによって、ホストコンピュータからRTターゲットのフロントパネルにアクセスできます。

ステートマシンアーキテクチャ

状態図またはフローチャートによる複雑な意思決定アルゴリズムを実装するには、ステートマシンアーキテクチャを使用します。ステートマシンアーキテクチャでは、ムーアマシンで表わされるあらゆるアルゴリズムを実装できます。ムーアマシンは、状態図の各ステートに対して特定の操作を一定の時間で実行します。データの損失を防止するために、各操作の実行時間はすべての集録データをターゲットのメモリに保持できる程度に短くなければなりません。また、RTターゲットはすべてのデータをホストコンピュータに1つのパッケージで送信できなければなりません。ステートマシンアーキテクチャは、通信タスクと非確定的タスクを確定的タスクから切り離し、確定的タスクの前または後に実行します。

Real-Timeプロジェクトウィザードは、ケースストラクチャで状態図のステートを定義するRTターゲットVIを生成します。同時に、RTターゲットで実行するステートを選択するためのユーザインタフェースとなる、ホストコンピュータで実行するVIも生成します。ホストVIは、シェア変数を使用してRTターゲットでの特定のステートの実行をトリガします。RTターゲットVIは、選択されたステートのサブダイアグラムを実行し、結果をホストVIに返します。

メモ LabVIEW Statechart (ステートチャート) モジュールを使用して、Real-Timeターゲット用にステートベースのアプリケーションを設計、実装できます。Statechartモジュールの詳細については、NI Webサイトを参照してください。

カスタムプロジェクト

ホストコンピュータまたはRTターゲットにブランクVIを追加するか、既存のVIをインポートして実行するには、カスタムプロジェクトアーキテクチャを使用します。