LabVIEW PID and Fuzzy Logic Toolkit API Reference

上級PIDアルゴリズム

  • 更新日2023-02-21
  • 4分で読める

PID上級」VIはPID VIのアルゴリズムと同じアルゴリズムを使用しますが、以下のセクションで説明する機能が追加されています。

以下のシミュレーションダイアグラムは「PID上級」VIで提供されるPID実装を表しています。

メモ  上のようなシミュレーションダイアグラムを作成するには、LabVIEW Control Design and Simulation (制御系設計/シミュレーション) モジュールが必要です。しかし、PID VIを使用するとPIDコントローラを実装できます。PIDコントローラを作成するために、制御系設計/シミュレーションモジュールは必要ありません。

手動/自動操作

場合によっては、PIDコントローラの電源を切って、システムを開ループモード(または手動モード)で操作することが必要になる場合があります。「PID上級」VIは、手動モードと自動モードの間の移行によりコントローラの出力に変動が生じないようにするためにアンチワインドアップアルゴリズムと似た方法を使用します。

比例動作および微分動作用の設定値加重

設定値加重とは、コントローラの誤差の修正を指します。ベータ入力(Β)(0から1の間)は、以下のように比例動作に適用されます。

ここで、 eは誤差
SPは設定値
PVはプロセス変数
Kcはコントローラゲイン

ベータ入力を使用することで、設定値変更のオーバーシュートを減少させ、また、コントローラのゲインを増加させることでコントローラの外乱除去を向上させることができます。

ガンマ入力(γ)(これも0から1の間)は、以下のように誤差および微分動作に適用されます。

微分動作用のフィルタ(

PID上級」VIにより実装される微分動作は、微分動作用の後退方法に基づいています。しかし、微分動作の値、比例ゲイン、サンプリング時間によっては、コントローラは、特にPIDでオートチューニングを実行するときには、振動が高速の応答を生成する場合があります。この問題を解決するために、このVIは、微分動作(D)用に追加フィルタを実装するアルファ)パラメータを提供します。このフィルタは、以下のように帯域幅成分を減少させます。

ここで、Tdは微分時間(分)で、レート時間とも呼ばれます。

線形性係数(L)により実装される二乗誤差PID

線形性入力は、以下の式で示すように、ゲインの線形性変化を導入します。

2自由度制御で比例動作を計算するときの誤差は、以下の式で表されます。

ここで SPrangeは設定値の範囲
ßは比例動作の式で表される2自由度PIDアルゴリズムの設定値係数です。
Lは、コントローラゲインが誤差の振幅とともに増加する非線形ゲイン項を形成する線形性係数です。

Lが1の場合、コントローラは線形です。値が0.1のときにコントローラの最小ゲインは0% Kcになります。非線形ゲイン項の使用は、二乗誤差PIDアルゴリズムと呼ばれます。

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