すべてのスイッチシステムには多少のインダクタンスが存在します。リレーがインダクタンスを含む回路を開くと、リレー接点においてアーク放電が起こり、破損の原因となる場合があります。小さいリードリレースイッチは、アーク放電が起こった時に、リードが破損しやすくなります。

バウンスが発生すると、一時的にリレーが閉じることで電流が流れます。接点が開いたときにアーク放電が起こり、接点表面の一部を溶融します。接点が閉じた状態で安定した時に融解された状態で、再度スイッチが開くまでに固まってしまうと、マイクロ溶接が形成され、リレーは永続的に閉じたままとなります。コイルに電流が流れなくなると、リードのバネの力ではこの溶接部を離すことは困難になります。このような溶着が発生すると、リレーの寿命末期となります。以下の一連の図は、リレーのバウンス、アーク放電、および溶着の例を示します。

リレーは閉じた状態です。電流が流れます。

リレーがバウンスします。アーク放電により接点が溶解します。

リレーが閉じます。接点はまだ溶解した状態です。

接点は溶着したまま閉じます。バネの応力では溶着を離すことができません。

すでに閉じているリレーに高電流を流した場合も、接点の溶着が起こる場合があります。接点に抵抗があることで発熱し、上記と同じ溶着現象が起きます。以下の一連の図は、高電流によって閉じているリレーが溶着する様子を示します。

リレーは閉じた状態です。

高電流が接点を溶解します。

接点は溶着したまま閉じます。バネの応力では溶着を離すことができません。