バイナリデータのスケールおよび正規化

通常の集録では、バイナリデータが垂直レンジに正確にマッピングされることは期待できません。たとえば、16ビットのバイナリデータをフェッチする場合、正のフルスケールバイナリ値は垂直レンジの最大正電圧、負のフルスケールバイナリ値は最大負電圧に一致すると推定されますが、さまざまな理由により、実際は異なります。

まず、ADCのフルスケールは垂直レンジにマッピングされません。正および負のいくつかのコードは、入力信号が指定垂直レンジを超えてしまった場合のためにヘッドルームとして確保されています。次に、バイナリ値は校正されたデータに基づくゲインおよびオフセットに対して必要な調整を行ないません。バイナリデータをフェッチする場合、wfmInfoストラクチャからのゲインおよびオフセットを取得して電圧値を変換するか、「niScopeスケール係数を取得」VIまたは「niScope_GetScalingCoefficients」関数を使用することができます。これらの値は、ADC正規化および校正データです。

電圧 = (バイナリ値 x ゲイン) + オフセット

ADC正規化およびキャリブレーションの両方に対応するバイナリデータを取得するには、「niScope正規化係数を取得」VIまたは「niScope_GetNormalizationCoefficients」関数を使用します。正規化係数のゲインおよびオフセットを適用すると、バイナリ値の範囲が構成された垂直レンジどおりにマッピングされます。

正規化されたバイナリデータ = (バイナリ値 x ゲイン) + オフセット

電圧 = 正規化されたバイナリデータ x (レンジ/2ビット単位の分解能)

通常の集録では、バイナリデータを電圧値に正しく変換するためには、ゲインおよびオフセット値が必要となります。「niScope正規化係数を取得」VIまたは「niScope_GetNormalizationCoefficients」関数のゲインおよびオフセット値を適用した後、以下を前提とすることができます。

  • 正の最大バイナリ値は、垂直レンジの最大正電圧にマッピングされる。
  • 負の最大バイナリ値は、垂直レンジの最大負電圧にマッピングされる。
  • 垂直レンジは、可能なバイナリ値で均一に分割される。