ファジーPIコントローラ

PIコントローラは、比例+積分制御動作を生成するコントローラです。PIコントローラには1つの入力と1つの出力だけがあります。入力値が増加すると出力値も増加します。

ファジーPIコントローラは、エラー信号とその微分を入力信号として使用する従来のPIコントローラを一般化したものです。ファジーPIコントローラには、2つの入力と1つの出力があります。複数の入力があることで、ファジーPIコントローラでは従来のPIコントローラに比べて制御の幅が広がります。

下図のファジーPIコントローラは、測定データの前処理ステップから得た誤差信号e(t)とその微分de(t)/dtを入力として使用します。出力信号が現在の出力値に必要な差を記述する場合は、コマンド変数値を作成するために後続の積分器が必要です。

ファジーPIコントローラの長所

ファジーPIコントローラの長所は、特別な動作ポイントを必要としない点です。ルールは、測定値と設定値の差（誤差信号）を評価します。また、ルールは、制御変数を増加させるか減少させるかを判断するために誤差信号の傾向を評価します。コマンド変数の絶対値には効力はありません。

ファジーPIコントローラが従来のPIコントローラに比べて優れているもう1つの点は、非線形の制御を実装でき、言語的なルールする点です。ファジーPIコントローラでは、誤差が小さくなるときに、それ自体で誤差の傾向を考慮することができます。