完全なルールベース

入力言語変数と言語要素の可能な組み合わせ1つに対して少なくとも1つのアクティブなルールをもつルールベースは完全なルールベースです。不完全なルールベースを定義する場合は、アクティブなルールがない前件部をファジーコントローラが処理できるように、出力言語変数ごとにデフォルト言語要素を指定する必要があります。

自動車の位置 x入力言語変数には5つの言語要素があり、自動車の方向β入力言語変数には7つの言語要素があります。ゆえに、自動車操縦サンプルのルールベースはN = 5 x 7 = 35ルールで構成されます。以下の自動車操縦ファジーシステムの図が示すように、完全なルールベースを行列形式でドキュメント化することができます。

上の図では、各列または各行がルールの前件部を表します。列と行の交点にある言語要素が、集計されたルール前件部に対応するルールの後件部です。たとえば、以下のルールがハイライト表示されています。

カスケードファジーシステム

上図のようにルールベースを行列形式に書き出すことで、相反するルールなどの不一致を見つけやすくなります。しかし、小さなルールベースの場合は、ルールベースを行列形式に書き出すのは効率的ですが、大きなルールベースでは不一致を見つけることが困難です。多くの制御入力をもつファジーシステムでは、大きなルールベースを避けるためにカスケードファジーシステムを使用することができます。カスケードファジーシステムでは、最初のファジーシステムの出力が次のファジーシステムの入力になることが繰り返されます。