進み/遅れ機能付きのPIDコントローラを実装します。進み/遅れ機能は、通常、フィードフォワード制御スキームでダイナミック補償器として使用されます。このVIは位置アルゴリズムを使用して、真の指数的進み/遅れを近似します。単一の制御ループを実装するには、このVIのDBLインスタンスを使用します。並列マルチループ制御を実装するには、DBL配列インスタンスを使用します。


icon

入力/出力

  • cu16.png 時間単位

  • c1ddbl.png 入力

    入力には入力値を指定します。

  • c1dnclst.png チューニングパラメータ

    チューニングパラメータは、チューニングパラメータを指定します。

  • cdbl.png ゲイン

    ゲインは、DCゲインを指定します。デフォルトは1です。ゲインを負の値に設定すると、180度の位相シフトを追加した反転アンプを生成します。

  • cdbl.png 遅れ時間

    遅れ時間には、位相遅れ (分) を指定します。値をゼロにすると遅延はオフになります。

  • cdbl.png 進み時間

    進み時間には、位相進み (分) を指定します。値をゼロにすると進みはオフになります。進み時間に大きな値を指定すると、出力の振動が激しくなる場合があります。

  • c1dnclst.png 出力レンジ

    出力範囲は、制御出力を強制する範囲を指定します。デフォルトの範囲は –100~100であり、これはフルスケールのパーセントとして指定された値に対応します。

    この範囲は、制御システムに合わせて変更できます。たとえば、パーセントからパーセントではなく、工学単位から工学単位に関連付けることができます。このVIは、指定された最小値または最大値でコントローラ出力が飽和したときに、積分器アンチワインドアップを実装します。

  • cdbl.png 出力上限

    出力上限には、コントローラ出力の最大値を指定します。デフォルト値は100です。

  • cdbl.png 出力下限

    出力下限には、コントローラ出力の最小値を指定します。デフォルト値は –100です。

  • cdbl.png dt (s)

    dt (s) には、このVIが呼び出されるループサイクル時間または間隔を秒数で指定します。dt (s) がゼロ以下の場合、このVIは、分解能1 msの内蔵タイマーを使用して、前回呼び出し以降の時間を計算します。dt (s) が1 ms未満である必要がある場合は、値を明示的に指定してください。デフォルトは -1 です。

  • cbool.png 再初期化? (F)

    再初期化?には、出力を現在の入力値に再初期化するかどうかを指定します。

  • i1ddbl.png 出力

    出力は、制御するプロセスに適用するPIDアルゴリズムの制御出力を返します。このVIは、入力配列のサイズを元に出力の長さを決定します。

  • idbl.png dt出力 (s)

    dt出力 (s)は、実際の時間間隔 (秒) を返します。dt出力 (s)は、dt (s)の値、または計算された間隔 (dt (s)を「–1」に設定した場合) を返します。

  • この多態性VIのDBL配列インスタンスは、マルチループPID制御アプリケーションで使用できます。この場合、入力により、出力配列の長さが決まります。他の入力配列は、必ずしも入力と同じ長さである必要はありません。このVIは、以下のように他の入力配列を入力と同じ長さに変更します。

    • 入力配列が入力よりも長い場合、入力配列は入力の長さで切り捨てられます。配列内の追加値は使用されません。
    • 入力配列が入力よりも短い場合は、サイズが入力のサイズに一致するまで、入力配列の最後の値が繰り返されます。

    こうすることで、各出力計算に使用する必要がある入力を、このVIに渡す配列で繰り返し指定する必要がなくなります。その代わりに、各出力計算に使用する単一値を配列に含めることができます。

    サンプルプログラム

    LabVIEWに含まれている以下のサンプルファイルを参照してください。

    • labview\examples\control\PID\Simulation - Cascade and Feedforward Surge Tank Level.vi