この記事では、データ収集(DAQ)デバイスまたはモジュール、CompactDAQ(cDAQ)またはCompactRIO(cRIO)Cシリーズモジュール、またはSCXIシステムのコンポーネントまたはシステム全体の計測確度の計算方法を説明します。 この情報は、システムを使って作業を始めたばかりで、謝った計測データや予期せぬ計測データが出力される場合に役立ちます。 デバイスまたはモジュールがアプリケーションのニーズを満たすことを検証する際にも役立ちます。
まず、相関関係があるものの、コード幅と分解能のビットだけではデバイスまたはモジュールの確度は定義できないことを理解する必要があります。
このソリューションでは、最初に各システムコンポーネントの確度を特定することで、システム全体の確度を算出する方法を取ります。 計測のシステム確度を計算するには、次のステップを踏みます。
まず最初に、各コンポーネントとシステムの接続を確認し、測定確度に寄与するすべての変数を特定します。
この例では、SCXI-1125絶縁モジュールは、SCXI-1352ケーブルを使用してSCXI-1141フィルタモジュールにカスケード接続されているものと想定します。 このフィルタモジュールは、NI 6052E DAQデバイスに接続されています。
SCXI 1125 » SCXI 1141 » NI 6052E
次の条件を仮定します。
次に、各コンポーネントの絶対確度を計算します。
ナショナルインスツルメンツでは、ゲインを生成する全てのデバイス(アンプまたはアッテネータ)に対して、指定公称レンジにおける絶対確度(ミリボルト単位)を提示しています。 確度を計算する公式は、誤差の表記法に基づいて3種類あります。 全ての公式は以下のとおりです。
絶対確度= ±[(電圧読み取り値 x ゲイン誤差) + (電圧レンジ x オフセット誤差) + ノイズの不確かさ]
条件
上記の公式で使用されているパラメータ値は、各コンポーネントのマニュアル、仕様、またはデータシートの仕様に記載されています。
絶対確度 =± [(入力電圧 x 読み取り値の%) + (電圧レンジ x オフセット) + システムノイズ + 温度ドリフト]
条件
上記の公式で使用されているパラメータ値は、各コンポーネントの仕様、マニュアル、またはデータシートに記載されています。
Cシリーズモジュールでは、動作温度範囲(キャリブレーション済み最大、--40~70)全体において確度を特定できるように仕様値が明記されています。 この確度値は、温度変化、最悪のケースにおけるコンポーネントの許容値、温度ヒステリシスなどを考慮した上で定められています。
絶対確度= ±[(入力読み取り値 x ゲイン誤差) + (レンジ x オフセット誤差) + 入力ノイズ]
条件
上記の仕様は全てコンポーネントのデータシートまたは仕様に記載されています。
最後に、各コンポーネントの絶対確度を使用し、システム確度とシステム確度のRTIを計算します。 ピタゴラスの定理と同様、システム確度は、各コンポーネントの絶対確度の2乗の合計の平方根です。
入力換算(RTI)システム確度は以下のように計算します。
システムの各コンポーネントの絶対確度の計算は以下のとおりです。
SCXI-1125の絶対確度
絶対確度 = ±[(入力電圧 x 読み取り値の%) + オフセット + システムノイズ + 温度ドリフト]
絶対確度 = ± [(10 V x 0.002478) + 0.01 V + 0.0191 V + N/A] = ± 54.88mV
SCXI-1141の絶対確度
絶対確度 = ±[(入力電圧 x 読み取り値の%) + オフセット + システムノイズ + 温度ドリフト]
絶対確度 = ±[(5 V x 0.0002) + 0.0006 V + 0.00142 V + N/A] = ± 3.02mV
PCI-6052Eの絶対確度
絶対確度 = ±[(入力電圧 x 読み取り値の%) + オフセット + システムノイズ + 温度ドリフト]
絶対確度 = ± [(5 V x 0.000071) + 0.000476 V + 0.000491 V + N/A] =± 1.322mV
システム確度
システム確度RTI