CompactDAQデバイスバッテリ選択

概要

CompactDAQデータ収集デバイスのモジュール式およびコンパクトフォームファクタは、土壌品質の調査、橋梁の構造完全性テスト、車載データロギングの実装まで、幅広いアプリケーションに対応するポータブルな混合測定DAQシステムを提供するように設計されています。CompactDAQシャーシおよびコントローラは、60個以上のCシリーズI/Oモジュールと連携して、USB、イーサネット、IEEE 802.11 b/g接続を介してホストにデータをストリーミングしたり、統合されたオンボードプロセッサを搭載したCompactDAQコントローラの1つを使用してデータをローカルで処理および保存します。

ほとんどのCompactDAQアプリケーションでは、ユーザはおそらく電力網に接続できると思いますが、システムに電源を供給するポータブル電源を必要とするアプリケーションを使用する場合もあります。電源の確保が容易でない場合に、CompactDAQシステム用のバッテリを選ぶ方法をご紹介します。

内容

アプリケーションニーズ判定する

CompactDAQアプリケーションはそれぞれ異なり、電力要件も異なります。バッテリを選択する前に、重要な質問を自分自身に問いかけてみる必要があります。

930 VDC代替電源ありますか?

バッテリ電源がアプリケーションの唯一の電源となる場合もあれば、代替電源を補完したり、バックアップの役割を果たす場合もあります。例えば、屋外のリモートアプリケーションではソーラーパネルが一般的な電力ソリューションです。しかし、パネルは常時のエネルギー源を提供することができないため、太陽光が弱いとき、暗いときはバッテリが電力を供給できます。大半の市販ソーラーパネルソリューションには、バッテリと充電回路があらかじめ同梱されています。工場フロアなどの他のアプリケーションでは、データケーブル給電よりも、DC電源にアクセスする方が簡単な場合があります。このようなアプリケーションでは、大容量のバッテリを必要としない場合があります。

充電式オプション

バッテリは複数の種類から選ぶことができます (表1を参照)。バッテリは基本的に「使い捨て」と「充電式」の2つに分類されます。バックアップ電源としてたまに使用するだけなら、一般的なアルカリ単3電池などの使い捨て電池は、初期費用が少なくてすみます。しかし、主電源としてバッテリを使用するのであれば、充電式の方が長期的にはより経済的です。

CompactDAQデバイスバッテリ電源どれくらい時間動作させる必要あるか

最も重要な考慮点は、アプリケーションがバッテリによってどれくらいの時間動作する必要があるのか、ということです。使用するべきバッテリのタイプとサイズはそれによって決まります。CompactDAQデバイスは、使用するモデルに応じて、小~中サイズのバッテリで数時間から丸1日使用できます。ソーラーパネルなどが付いた充電式バッテリまたは定期電源供給サービスといった選択肢がない場合、数日間あるいは数週間にわたって稼働させる必要のあるアプリケーションには、さらに容量の大きいバッテリが必要となる場合があります。

バッテリ化学性質選択

電池は複数の方法でエネルギーを蓄積しますが、すべての電池が同じではありません。現在最も一般的なのは、アルカリ電池、リチウム電池、ニッケル水素 (NiMH) 電池です。鉛やニッケルカドミウム (NiCd) 電池といった古い技術の電池が現在でも使用されていますが、それぞれ重量や寿命の面でポータブルDAQアプリケーションに適していない場合があります。

アルカリ電池:最も一般的な使い捨て電池はアルカリ電池です。最も広く市販されているのは、アルカリ単1形/単2形/単3形/単4形/9V形電池です。これらの電池は低価格で、保存状態が良く、高密度なエネルギーを含むことができます。ただし、ほとんどのアルカリ電池の電圧は通常1.2 V~1.5 V程度と比較的低電圧です。CompactDAQデバイスの9 VDC~30 VDC入力レンジに電力を供給するには、これらの電池を最低8つ使用する必要があります。9 V電池は例外で存在しますが、その容量はとても小さいです。

NiMH電池:消費者向け製品で最も一般的な充電式電池の種類は、NiMH (ニッケル水素) 電池です。これらの電池はアルカリ電池と同じ標準サイズ、電圧のものが入手できますが (単4形、単3形、単2形、単1形など)、容量はアルカリ電池と同等または若干少なくなります。NiMH電池がアルカリ電池よりも優れている点は、充電による再利用が可能なことに加えて、寿命を迎えるまでの出力電圧レベルの変化がアルカリ電池よりも一定だという点です。また、その他の充電式電池と比較して低価格でもあります。NiMH電池の潜在的なデメリットは寿命が短いことです。室温でのNiMH電池の自己放電率は1日あたり約1~2%で、自己放電率が1年で2%のアルカリ電池と比べると高いと言えます。自己放電率を下げるには、バッテリを低温 (冷凍でもよい) 保存する必要があります。

リチウムイオン電池:ラップトップPCや携帯電話などの多くのハンドヘルド製品には、リチウムイオン (Li-Ion) 電池またはリチウムポリマー (Li-Poly) 電池が使用されています。これらの化学エネルギーは自己放電率が低く (1ヶ月あたり5%)、エネルギー密度が高いことからよく利用されています。リチウムイオン電池は同じ容量のアルカリ電池またはNiMH電池よりはるかに軽量です。ワイヤレスDAQアプリケーションに使用する場合、電圧レベルが高いという追加の利点もあります (セルあたり通常3.6~3.7 VDC)。ほとんどのリチウムイオン電池は、業界標準の18650サイズ (単3形に類似)、または (携帯電話やカメラに使用されているような) 平たい長方形のセルです。しかし、リチウムイオン電池は破裂や損傷によって不安定になる可能性があるため、ほとんどのものは追加の電流制限回路があらかじめ同梱されて、一般的な電圧レベル (11.1 VDCや18.5 VDC) で出荷されています。またリチウムイオン電池の価格は高く、他の種類の電池よりもリードタイム (出荷時間) が長いという点があります。

種類長所短所
アルカリ電池安価
大容量
低自己放電
すぐに利用可能
使い捨て
低電圧レベル (1.5 V)
NiMH充電可能
優れた容量
すぐに利用可能
低電圧レベル (1.2 V)
高自己放電
リチウムイオン電池充電可能
高エネルギー密度
高電圧レベル (3.7 V)
低自己放電
高価
破損すると危険
可用性

 

表1.CompactDAQアプリケーションに対する電池の種類ごとの相対的な長所と短所。

サイズ選択する

バッテリのサイズと重量は、容量、エネルギー密度、電圧レベルによって決まります。CompactDAQアプリケーションが継続的に動作する必要のある時間は、バッテリ容量に直接比例します。バッテリ容量の単位はミリアンぺアアワー (mAh) です。例えば、1000 mAhのバッテリでは、1 Aで1時間、500 mAで2時間、250 mAで4時間といった具合に供給できます。エネルギー密度は、これに関連する測定基準で、質量単位あたりの容量をキログラムあたりのワットアワー (Wh/kg) で表したものです。リチウムイオンといったエネルギー密度の高いバッテリは、NiMHのようなエネルギー密度の低いバッテリと比べて、同じバッテリ容量でも軽量です。また、バッテリのセル電圧も総重量およびサイズに影響を与えます。NiMHまたはアルカリ電池8個の電圧は、(およそ) リチウムイオン電池3個分の電圧に相当するためです。

バッテリ容量要件

バッテリソリューションの合計サイズは、使用するCシリーズモジュール、実行に必要な時間、選択する電圧レベルなど、CompactDAQアプリケーションのニーズよって大きく異なります。例として、4チャンネルすべてをフルレートで集録するNI 9234と組み合わせたcDAQ-9191を考えてみましょう。バッテリを指定する場合、ピーク電流の使用量と連続 (または正常) 電流の使用量を把握しておくことが重要です。モジュールとシャーシのこの組み合わせでは、ピーク突入電流が1.67 Aです。図1は、12 VDCの電源で、20秒後の定常電流が約220 mAである起動シーケンスを示しています。(これは、PXI-4110プログラマブル電源を使用して、cDAQ-9191をイーサネット接続せずにWPA2アクセスポイントで認証するように構成した場合の結果です)。

図1.NI cDAQ-9191をNI 9234のブートシーケンスと組み合わせると、12 VDCの電源で約220 mAの定常電力電流使用量の電力プロファイルを示しています。

全4チャンネルで最高サンプリングレート51.4 kS/秒でデータを収集した場合、NI 9234は平均290 mAの電力を連続的に消費します。このデバイスをバッテリで8時間動作させる必要がある場合、最低2320 mAhの容量を持つバッテリが必要です。

あらゆる種類の電池のおおよその寿命の計算は単純です。まず、すべてのバッテリ構成がぴったりと12 VDCではないため、ワット (W) とワットアワー (Wh) で考えると便利です。単純に上記の結果に12 Vを掛けて、CompactDAQシステムの連続電力使用量が求められます。次に、バッテリのWh単位の容量 (mAh X 公称電圧) をその使用量で割り、CompactDAQシステムが動作する時間を求めます。

バッテリ構成サンプル

NI 9234と組み合わせたサンプルcDAQ-9191を例に、次のバッテリ構成を考えてみましょう。

単3形アルカリ電池8個の場合:2000 mAhの容量を持った平均電圧1.2 Vの単3形アルカリ電池8個を直列接続した場合。

単3形NiMH電池8個の場合:2500 mAhの容量を持った公称電圧1.2 Vの単3形NiMH電池8個を直列接続した場合。

4/3A NiMH電池10個の場合:4000 mAhの容量を持った公称電圧1.2 Vの4/3AサイズのNiMH電池10個を直列接続した場合。

18650リチウムイオン電池6個の場合:2400 mAhの容量を持った公称電圧3.7 Vの18650サイズのリチウムイオン電池6個を3/2構成 (3つのセルを並列接続したもの2つを直列接続する) にした場合。

アプリケーション固有要件

上記の例では、システムに含まれる1つの特定のCシリーズI/Oモジュール (NI 9234) が取り付けられているCompactDAQシャーシ (cDAQ-9191) の1つのみを考慮し、そのアプリケーションで使用可能なバッテリ構成を決定します。ただし、システムの電力消費は、上に示すような類似したアプリケーションや、8つのCシリーズモジュールを搭載した8スロットCompactDAQコントローラを使用するアプリケーションとは大きく異なることがあります。そのため、アプリケーションに使用するバッテリを選択する際は、特定の設定に必要な消費電力を決定するための作業が必要です。システムの消費電力を正確に特定する最適な方法の1つは、電源コネクタで電流と電圧を測定し、特定のシステムの消費電力を計算することです。これが特定のアプリケーションに必要なバッテリサイズを決定することに役立ちます。システムの消費電力は、そのシステムを構成する個々のコンポーネントに完全に依存するため重要です。詳細については、CompactDAQシャーシおよびコントローラの仕様説明書を参照してください。これには、バッテリを選択する際に考慮すべき要素が書かれた「所要電力」セクションと、たとえ一時的な消費であってもシステムが消費する可能性がある「最大消費電力」仕様が含まれます。このセクションは、システムに必要なバッテリサイズを見積もるのにも役立ちます。

システムのバッテリサイズを決定する際の追加の考慮事項は、シャーシまたはコントローラ内のCシリーズI/Oモジュールなどのシステムコンポーネントです。一部のCシリーズI/Oモジュールでは、システム電源とは別に外部電源をモジュールの前面に配線する必要があります。モジュールが使用できる電圧入力および電力量については、それぞれのCシリーズI/Oモジュール仕様を参照してください。

接続

バッテリパックの種類と構成を決定した後で、バッテリをCompactDAQシャーシまたはコントローラに簡単に配線できます。CompactDAQシステムの電源接続には、NI 9976 (製品番号196739-01) 2ピンネジ留め式端子アクセサリキットまたはNI 9981 (製品番号783529-01) 4ピンネジ留め式端子アクセサリキットを使用します。充電するにはリードケーブルを別のコネクタに接続する必要がある場合があります。

バッテリ選択

1つのバッテリパックで、すべてのリモートCompactDAQアプリケーションまたはポータブル電源CompactDAQアプリケーションに対応できるわけではありません。しかし計画を立てれば、CompactDAQアプリケーション用にカスタムバッテリソリューションを選択することができます。

CompactDAQシステムへの電力供給の詳細

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