米国テキサス州オースティン – 2020年6月9日 - 自動テスト/自動計測システムの開発とパフォーマンスを加速するソフトウェアベースプラットフォームのプロバイダであるNI(Nasdaq: NATI)は本日、ECUテストシステムの提供を発表しました。
多くの車両において機械システムから電子システムへの移行の機会が増えるにしたがい、近年の民間車両では電子制御ユニット(ECU)の数と複雑さが増大する一方です。それと同時に、近年の車両の「頭脳」は100を超えるECUのネットワークにより形成されるようになってきました。私達が目にする車両の安全性、接続性、効率性、快適性を実現するすべての技術革新は、この頭脳が支えています。ECUは、自動緊急ブレーキや車線逸脱警告システムなどのADAS機能により安全性を向上させます。またこれらのコントローラはより正確なエンジンの制御も行うため、従来の内燃機関よりも高いパフォーマンスを実現します。さらに、身体に合わせて自動調整を行うラグジュアリーシートや、降雨量に応じて速度を調整する雨滴感知式ワイパーシステムなど、快適さと利便性を高める機能も存在します。
ECUの普及に伴い、それぞれのコントローラをテストする必要性がかつてないほどに重要となっています。しかし、ECU(およびECUがサポートする機能)が高度になるほど、そのテストもより複雑になります。自動車業界はこの課題に取り組むために日々苦心しています。米国の2019 Automotive Defect Recall Reportによると、2018年に発生したソフトウェア関連のリコール件数は、前年の3倍であったと記載されています。またこれらの欠陥は、その年に米国で発生したリコール対象のすべての車両の3分の1を占めたとされています。
ライン最終テストは、ユニットがサプライヤーに出荷され、OEMの生産ラインに組み込まれる前の最後のテストであるため、NIはその課題と重要性を高く認識しています。そしてサプライヤーはさまざまな理由により、納期と予算を考慮しながら機能テスタを提供しています。NIはこのストレスを和らげるお手伝いをしたいと考えています。そのために自動車用ECUのテストを目的とした初めての専用システムを立ち上げており、一部のお客様はすでに結果を生み出しています。
Vitesco Technologies社のI&IEテストエンジニアであるSergio Mejia氏は次のように述べています。「ECU機能テストの課題解決を目的としたNIとの協力体制により、高い品質基準を維持しながらテストのトータルコストを削減することができました。」「NIのテスターで標準化することにより、サイクルと開発期間が短縮され、システムの再利用の機会が増え、デバッグ、デプロイ、メンテナンスが容易になりました。」
ECUテストシステム(ECUTS)は、テスターの開発、メンテナンス、テスト時間を効率化するための柔軟性と標準化を同時に実現する世界最高のソリューションです。NIは、最初のレベルの共通コンポーネントを標準化されたテストアーキテクチャに統合することにより開発プロセスに要するお客様の時間を節約し、テスターのメンテナンスを簡素化しました。モジュール式のPXI設計によりテストはフレキシブルとなり、選択した計測器に基づいて、ボディ、シャーシ、パワートレインの各種ECU全体にわたって拡張できます。さらに、TestStandを搭載した高性能ハードウェアは、テスト時間の短縮に役立ちます。単一のテストシステムで最大4つのDUTを並行してテストすることができます。
ECUTSによりテストのトータルコストを削減し、サプライヤーを成功に導く方法:
ECUのテストのコストを削減することにより、経済面と作業面の両方の負担から解放されるため、テストエンジニアは今日の問題を解決し、明日のテストの課題に向けた技術革新に取り組むことができます。NIは、テストチームが次の期限に間に合わせるために悪戦苦闘することなく、スピードと自信を持ってテスターを予定どおりに予算内で提供できるようにお手伝いしたいと考えています。
ECUテストシステム(ECUTS)の詳細をご覧ください。
NI(ni.com)は、現在だけでなく将来を見据えたエンジニアリングの課題解決をサポートする、高性能な自動テスト/計測システムを開発しています。NIのソフトウェア定義のプラットフォームは、モジュール式ハードウェアと拡大を続けるエコシステムから構成されており、このオープンなプラットフォームを採用することにより、優れたアイデアを具現化できます。