マトクス拡張例

概要

マトリクスは使用用途が最も広いスイッチトポロジです。M行とN列(M x N)で構成され、任意の入力を任意の出力に接続できます。マトリクススイッチシステムを使用すると、テスト対象ユニット(UUT)のさまざまなテストポイントに複数の計測器を接続できます。この機能により、同じ計測器を何台も用意する必要がなく、テストにかかる費用を削減できます。

NI マトリクススイッチの製品ライン一覧を参照するには、スイッチ製品選択ガイドを参照してください。

また、マトリクスモジュールは、大規模な構成を構築するための構成ブロックとしても役立てることができます。マトリクスの行数を拡張するには、モジュールの列に接続する必要があります。マトリクスの列数を拡張するには、モジュールの行に接続する必要があります。スイッチシステムを拡張して16 x 128マトリクスを構築する方法を見てみましょう。

内容

マトクス拡張例

ここでの課題は、NI SCXI-1129高密度スイッチモジュールを数台使用して16 x 128マトリクスを構築することです。マトリクスを拡張するには、まず必要となるモジュール数を決める必要があります。この数を決めるには、以下の4つの手順に従います。

  1. 単一スイッチモジュールのマトリクスサイズを決定する。ここでは、4 x 64マトリクス構成のNI SCXI-1334端子台を使用します。
  2. 必要な行数を、単一のモジュールの行数で除算する(値は次の整数に繰り上げる)。(この例では16 / 4 = 4台のモジュール)
  3. 必要な列数を、単一モジュールの列数で除算する(値は次の整数に繰り上げる)。(この例では128 / 64 = 2台のモジュール)
  4. 手順2と3で得た数値を乗算して、構築するマトリクスで必要なモジュール数を求める。

この例では4 x 2 = 8ですので、希望のマトリクスアーキテクチャを構築するには、8つのSCXI-1334端子台に加えて8台のSCXI-1129モジュールが必要です。マトリクス拡張には、マトリクス拡張プラグとマトリクス拡張ケーブルも必要です。拡張プラグと拡張ケーブルの数を求めるには、行数と列数の両方に対して必要なモジュール数を計算します。この例では、マトリクス拡張プラグ6個とマトリクス拡張ケーブル4本が必要です。

拡張

所要の行数を得るには、このマトリクスでは4台のモジュールを接続する必要があります。行を拡張するので列への接続が必要です。SCXI-1129でマトリクス拡張プラグを使用して行を拡張します。それぞれのマトリクス拡張プラグは上部または底部で2つの端子台を接続します。図1に示すように、4台のモジュールを以下の要領で接続して16 x 64マトリクスを構築します。

  1. モジュール1とモジュール2の列をマトリクス拡張プラグAで接続します。
  2. モジュール2とモジュール3の列をマトリクス拡張プラグBで接続します。
  3. モジュール3とモジュール4の列をマトリクス拡張プラグCで接続します。

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図1. マトリクス拡張の方法

拡張

次に、必要な列数を得るためのモジュール数を考えます。上記では、このマトリクスには2台のモジュールが必要と判断しました。しかし、行数も拡張するため、ここで判断した2という数値はモジュール数ではなく、モジュールセットの数を表します。すなわち、必要な行数を得るためには、4台のモジュールを使用して16x64構成を構築します。必要な16 x 128構成を得るには、2台の16 x 64マトリクスの行を接続する必要があります。上の図1に示すように、4台のモジュールを以下の要領で接続して2つめの16 x 64マトリクスを構築します。

  1. モジュール1とモジュール2の列をマトリクス拡張プラグDで接続します。
  2. モジュール2とモジュール3の列をマトリクス拡張プラグEで接続します。
  3. モジュール3とモジュール4の列をマトリクス拡張プラグFで接続します。

SCXI-1129の行接続はマトリクス拡張ケーブルで行います。図1に示すように、モジュール4台が接続されているセットを2セット用意し、以下の要領で接続して16 x 128マトリクスを構築します。

  • モジュール1の行をケーブル1で接続します。
  • モジュール2の行をケーブル2で接続します。
  • モジュール3の行をケーブル3で接続します。
  • モジュール4の行をケーブル4で接続します。

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