Continental Automotive社：自動車センサテストシステムのコストを削減

可変リラクタンス (VR) 速度センサの信頼性は極めて重要です。これらのセンサは、非常に厳しい条件下でも動作でき、かつシステムのすべての部分と高い互換性をもつ必要があります。また、温度、湿度、汚れ、一部の化学物質などの外部要因に対する耐性が必要です。さらに、電磁場や他のセンサ付近の影響を受けることなく、信頼性の高い情報を提供する必要があります。

アプリケーションの説明

このプロジェクトでは、フィーラーゲージの作成から異なる速度センサを検証するソフトウェアのプログラミングまで、あらゆる電気および機械的側面に対応する完全なテストシステムを設計する必要がありました。

システムのVRセンサは、以下の2つの主なテストを実行します。

1.  コイルの公称抵抗およびインダクタンスの測定 (センサのコイルの抵抗とインダクタンスの値が正常な動作パラメータ内であることを確認するなど)。

2. 誘導電圧の測定。 NI PXI-6515モジュールを使用して、回転するタイヤのシミュレーションである歯車のサーボモータを制御できます。回転によってセンサのコイルが励起され、電圧信号が生成されます。NI PXIデジタルマルチメータ (DMM) とNI LabVIEWプロフェッショナル開発システムに含まれているNI LabVIEW Advanced Signal Processing Toolkitを使用して、信号の形状、振幅、位相角を測定して解析することができます。また、サーボモータからの信号を使用して、DMMからデータを送信し、誘導電圧を常に同じホイールコグで測定することもできます。この測定方法を各VRセンサに使用しました。それ以外の場合、各ピンに異なる電圧測定を行い、R&R解析の潜在的なコストは100%増加します。

NI PXI-4072 DMMをNI PXI-2503デジタルI/Oモジュールとともに使用するメリットの1つは、1つの計測器を使用して抵抗、インダクタンス、電圧など、複数の測定値を計測できることです。これにより、コストが大幅に削減できました。また、NI PXI-6515デジタルI/Oカードを使用すると、追加のハードウェアを必要とせずにサーボモータとフィーリングゲージの回転を直接制御できるため、このタスクのためだけにプログラム可能なロジックコントローラを使用するよりもさらにコストが削減できました。最後に、テスタをPXI産業用プラットフォームで実装したことにより、小型のモジュール式システムが実現しました。そのため、デジタル信号、アナログ計測、整流用のすべてのテスト装置と、処理用および数学的解析用の装置を小さなラックに収めることができ、テストキャビネットのサイズを小型化することができました。

LabVIEWソフトウェアを使用してアプリケーションを開発し、ユーザインタフェースを設計して、抵抗、インダクタンス、および信号位相値を視覚的に描写しました。さらに、大きな表示器は部品が合否要件を満たしているかどうかを示し、オペレータが障害のあるセンサを破棄できるようにします (図1)。

ステートマシンベースのアーキテクチャを使用して、LabVIEWのグラフィカル特性を活用するようにアプリケーションロジックを設計しました。これにより、1つの環境、1つのセンサ、かつ短時間でアプリケーションを構築することができました。また、センサを並列でテストするシステムの数を2倍にすることが必要のなった場合 (図2)、元のコードの大半を再利用することができたため、コードの修正を短時間で行うことができました。あとは追加の計測器に対応した大きなサイズのラックを用意するだけで済みました。

NIプラットフォームを使うメリット

当社は、直近のテストのニーズを満たし、将来のアプリケーションにも対応できるテストシステムをNIのソフトウェアとハードウェアを使用し、NIメキシコのセールスおよびサポートチームのサポートを受けつつ、最初から最後まで設計および開発しました。わずか6か月でプロジェクトを完了し、1年間で約80万米ドルのコストを削減することができました。私たちは、NIプラットフォームを使用して、より多くのプロジェクトに取り組んでいます。理由は、NI製品の柔軟性と拡張性、およびNIのサービスとサポートの品質です。

作成者​情報:

Ing. Alejandro Sarabia
Continental Automotive
Cd.Juarez, Chih.
Mexico
電話: (656) 649-8646
alejandro.zarabia@siemens.com