NIデバイスEttus Research USRPデバイス相違点

概要

USRP (Universal Software Radio Peripheral) デバイスは、業界最高水準の商用オフザシェルフソフトウェア無線 (SDR) です。世界中にいる何千人ものエンジニアが、USRP SDRを使用して、無線システムの設計、プロトタイプ作成、デプロイを短期間で実現しています。これらはNIとEttus Researchという2つの異なるブランド名で市場に展開され、販売されています。別のNI USRP SDR (USRP-2954など) およびEttus Research USRP SDR (USRP N320など) についても見てみましょう。

内容

概要

以下のサマリーチャートに、NI USRP SDRとEttus Research USRP SDRの主な違いを示します。

 

表1.Ettus Research SDRとNI SDRの主な違い

モジュールハードウェア組み立て済みハードウェア比較

NIとEttus Research USRP SDRのハードウェアには、主にハードウェアの提供方法と使用可能なハードウェアオプションという2つの点で違いがあります。

NI USRP SDRは組み立て済みの状態でケースに同梱され、販売されています。一方、一部のEttus Research USRP SDRは、RFドータボードとマザーボードが別売のキットとして、モジュール式で販売されています。たとえば、NIのUSRP-2945は、1台のX310マザーボードに2台のTwinRXドータボードを組み合わせたハードウェアと同じです。NIとEttus Researchで同等となるUSRPモデルを比較するには、表2を参照してください。

NIの製品番号Ettus Researchの製品番号
N/AB200mini/B205mini
USRP-2900B200
USRP-2901B210
USRP-2920N210およびWBX
USRP-2921N210およびXCVR2450
USRP-2922N210およびSBX
USRP-2930N210、WBX、GPSDO
USRP-2932N210、SBX、GPSDO
N/AN310
N/AN320/N321
USRP-2974USRP-2974
USRP-2940X310およびWBX
USRP-2942X310およびSBX
USRP-2943X310およびCBX
USRP-2944X310およびUBX
USRP-2945X310およびTwinRX
USRP-2950X310、WBX、GPSDO
USRP-2952X310、SBX、GPSDO
USRP-2953X310、CBX、GPSDO
USRP-2954X310、UBX、GPSDO
USRP-2955X310、TwinRX、GPSDO

N/A

E310/E311/E313/E320


表2.
NIとEttus Research SDRの型番比較

USRP SDRが出荷前に組み立て済みであることのメリットの1つは、組み立て済みのユニットとしてデバイスの生産テストが行われていることです。キットでの販売の場合は、各コンポーネントが個別にテストされます。ただし、単一の組み立て済みデバイスでは一部の組み合わせが使用できないため、マザーボードとドータボードを個別に購入した方が製品の柔軟性が高まります。Ettus Researchの製品名で販売されている最新かつ最も上級な無線 (USRP N310、USRP N320、USRP N321、最新のNI Ettus USRP X410など) の一部は、組み立て済み無線でのみ販売されています。

両者長所:NIEttus Research新しい無線テクノロジ

NI Ettus USRP X410は、NIとEttus Researchの強みを活かした、初の新しい無線シリーズです。組み立て済みの無線は、USRP Hardware Driver (UHD)、GNU Radio、LabVIEWなど人気のオープンソースツールのフローに対応しています。新しいSDRはXilinx Zynq UltraScale+ RF System-on-Chip (RFSoC) 上に構築され、高性能なRFトランスミッタおよび受信機ハードウェアが搭載されています。これにより、NIでも最も強力な、最新のソフトウェア無線を提供します。RFSoCは、埋め込み式プロセッサとプログラム可能なFPGAの基盤となり、データ変換機と統合しています (アナログ-デジタル/デジタル-アナログ変換器)。クアッドコアArm®プロセッサにより、スタンドアロンオペレーション (埋め込みモード) または外部ホストマシンを使用したホストベースモードでのアプリケーションの実行が簡単になります。

NI Ettus USRP X410の前面

図1.NI Ettus USRP X410

LabVIEWおよびオープンソースソフトウェアにおけるプログラミング比較

NIとEttus ResearchのさまざまなUSRPモデルは同じ無線ハードウェアをベースとしていますが、ソフトウェアのサポートやユーザ設定は異なります。NI USRPデバイスは、主にNI-USRP LabVIEWドライバを使用したLabVIEWユーザに採用されています。Ettus Researchデバイスは、一般的なオープンソースUHDによってサポートされています。これら2つのオプション以外にも、NIおよびEttus Researchの無線には、いずれも強力なMathWorks MATLAB®設計環境を活用するオプションが用意されています。

USRP LabVIEWツールフローメリット

抽象化されたLabVIEW設計環境によって、無線システムにかかる設計の期間が短縮され、HDL設計に関する専門知識がない場合でもFPGAプログラミングを利用できるようになります。サードパーティIP (MathWorks MATLABソフトウェアやVHSICハードウェア記述言語 (VHDL) コードなど) を取り込む場合は、LabVIEWから直接インポートすることで、より上位のレベルから開発を開始することができ、アプリケーションの設計にかかる期間の短縮が可能になります。 

USRPオープンソースツールフローメリット

すべてのEttus Research USRP SDRおよびNI USRP SDRはUHDによってサポートされています。UHDは、オープンソースライセンスに基づき、NIによってパブリッシュされます。このドライバによって、C/C++言語によるUSRPハードウェアでのアプリケーション開発が容易になり、複数の業界標準の開発環境およびフレームワーク (RFネットワークオンチップ (RFNoC)、GNU Radio、HDL Coder、MathWorks MATLABおよびSimulink®ソフトウェアなど) に対応したクロスプラットフォームのサポートが提供されます。デュアルライセンスソフトウェアであるUHDは、オープンソースのGNU General Public Licenseバージョン3、またはその代わりとなる制限の緩いライセンスで使用できます。これは、Ettus Researchハードウェアを導入する多くのOEMカスタマー向けです。

NI USRP SDRはUHDによってネイティブにサポートされていますが、NIと同等のEttus Research USRP SDRをプロビジョニングしてLabVIEWワークフローを使用することも可能です。 

すべてのNI USRP SDRをサポートするネイティブUHDであっても、ユニットに付属するFPGAイメージが最新バージョンのドライバに対応していない場合があります。デバイスごとにファームウェアとFPGAイメージを確認し、UHDが正常に機能することを確認してください。

このオープンソースソフトウェアをEttusソフトウェア無線と使用し、マルチチャンネル無線通信システムのプロトタイプを作成する方法の詳細をご覧ください。 

サポート対象ソフトウェアの概要については、表3を確認してください。

 USRPハードウェアドライバNI-USRP
OSWindows
Linux
Mac OS
Windows
NI Linux Real-Time
プログラミング言語―ホストGNU Radio
C/C++
MATLAB
ソフトウェア/Simulink
ソフトウェア
Python
LabVIEW 2018以降
プログラミング言語―FPGAVHDL
Verilog
RFNoC (オープンソースのFPGAフレームワーク)
LabVIEW FPGA


表3.NIとEttus Researchドライバのソフトウェアサポートの比較

まとめ

どちらも固有のブランドですが、Ettus ResearchのUSRP SDRとNIのUSRP SDRは違いよりも似ている点の方が多くあります。どちらもハードウェアは同じで、ほとんどの場合、どちらのハードウェアのセットもNI-USRPドライバとUHDの両方でサポートされています。