DCモータコントローラNI LabVIEWDAQ使用

Hean Gay Rodney Tan、UCSI大学

「NI LabVIEWモータコントローラとして使用することで、1ソフトウェア環境のみ複数目的適うようDCモータ制御できます。LabVIEWボタン押すだけで、DCモータ開始、停止、任意方向回転行うことできます。さらに、LabVIEWソフトウェアバーチャルノブ回しモータシャフト希望角度回転させることで、位置簡単調整できます。」

- Hean Gay Rodney Tan、UCSI大学

課題:

小規模モデルから大規模な産業用アプリケーションまでカバーする、モータ操作用のインタフェース制御システムを開発する

ソリューション:

メインコントローラ/プロセッサ用にNI LabVIEW、インタフェースにNI DAQ、サブコントローラにHブリッジ、センサにモータのホール効果エンコーダをそれぞれ使用して、DCモータ制御システムを開発する

投稿者:

Hean Gay Rodney Tan - UCSI大学
Yuen Peng Loh - UCSI大学
Ying Hua Tan - UCSI大学

 

DCモータは直流で動作し、電気エネルギを回転運動の形で機械エネルギに変換します。DCモータは、ディスクドライブやロータリーアクチュエータなどの多くのアプリケーションで使用されています。私たちNIでは、NI USB-6008 DAQモジュールにLabVIEWソフトウェアを使用して、直交ホール効果エンコーダ付きDCモータの回転方向と回転角を制御しました。LabVIEWの使用により、DCモータは複数の動作モードが可能になります。通常のDCモータは、電圧の極性に応じて、時計回りか反時計回りにのみ連続的に回転できます。一方エンコーダ付きのDCモータを構成すれば、目的の位置で開始および停止させることができます。これにより、アプリケーションの可能性が広がります。

 

システム概要

DCモータを制御するため私たちは、メインコントローラ/プロセッサ用にLabVIEW、インタフェースにUSB-6008 DAQモジュール、サブコントローラにHブリッジ、センサにモータのホール効果エンコーダをそれぞれ使用して、DCモータ制御システムを開発しました (図1を参照)。

 

モータの後部シャフトには90度離して2つのホール効果センサを取り付けました。これら2つのセンサにより、最終的に90度位相がずれた2つの方形波出力が得られます。このアプリケーションのモータのギア比は300で、エンコーダは1回転あたり12パルスを発生するため、このシステムはメインシャフトの1回転あたり合計3,600パルスカウントを生成しました。

 

Hブリッジは、DCモータの回転方向を制御する上で重要な役割を担います。電子回路であるHブリッジは負荷の両端に両方向の電圧を印加して、DCモータを時計回りか反時計回りに回転させます。Hブリッジの供給電圧と電流範囲用にL293D集積回路、また誘導性過渡抑制用に出力クランプダイオードをそれぞれ選択しました。

 

ホール効果センサとHブリッジ回路に対してLabVIEWを使用すると、DCモータを自由に制御し、さまざまなアプリケーションニーズを満たすことができます (図2を参照)。


制御モードは、DCモータとサーボモータの2つを使用しました。DCモータモードでは、モータは時計回りか反時計回りに連続的に回転し、速度も表示されます。モータの回転方向を制御するため、システムはユーザの選択に基づいてUSB-6008 DAQモジュールを介して2つのデジタル出力をHブリッジに送信しました。モータの始動と停止は、Hブリッジのピンに別のデジタル出力を送信することで行いました。さらにシステムはエンコーダ出力をLabVIEWに送信するとともに、アナログ入力をユーザに送信して、ユーザがエンコーダの出力波形を観察してモータの現在の回転速度 (1分あたりの回転数) を取得できるようにしました (図2と3を参照)。

 

回転方向の制御とは別に、このシステムを使用してDCモータ (サーボモータ) モードの角変位を制御することもできました。モータシャフトを設定した角度に変位させました。前述のように、エンコーダは主軸の1回転で合計3,600パルスを生成しました。主軸が所定の角度に達した (パルスカウントが所定の値になることで判明する) 後にモータを停止することで、システムはモータの角変位を制御しました。パルス入力の立ち上がりエッジか立ち下がりエッジをカウントするようUSB-6008 DAQを構成することも可能なため、システムはそのような方法でエンコーダのパルスカウントを計算することもできます。ある角度に到達するのに必要なパルス数を計算し、その計算をプログラミングブロック図に挿入することで、システムはDCモータの角変位を制御できます (図4と5を参照)。

LabVIEW利点

LabVIEWをモータコントローラとして使用することで、1つのソフトウェア環境のみで複数の目的に適うようDCモータを制御できます。LabVIEWのボタンを押すだけで、DCモータの開始、停止、任意の方向への回転を行うことができます。さらに、LabVIEWソフトウェアのバーチャルノブを回してモータシャフトを希望の角度に回転させることで、位置を簡単に調整できます。このシステムでは、LabVIEWフロントパネルの波形グラフを使用してエンコーダ入力をリアルタイムで監視できるため、オシロスコープは不要になります。

 

このアプリケーションはまた、ロボットアプリケーションへのLabVIEWの大きな可能性を拓くものです。そのような可能性に向けて開発を継続することで機能が追加され、モータ制御の利便性がさらに高まります。このシステムはまた、同様の制御シーケンスを必要とする他のアプリケーションに簡単に変換できます。LabVIEWは、モータアプリケーションでのシステムの簡単な制御を可能にするオープンプラットフォームです。

 

まとめ

私たちは、LabVIEWのシンプルでグラフィカルなプログラミングを使用して、モータのエンコーダ応答をリアルタイムで監視しました。ソフトウェアがオシロスコープに代わる機能を発揮したので、コストも節約できました。リアルタイムの応答により、プログラムのテストと編集の効率が向上しました。DCモータの制御には、LabVIEWが最適な選択肢であることが証明されました。

 

投稿者​情報:

Hean Gay Rodney Tan
UCSI大学
Jln Menara Gading UCSI Heights South Wing Malaysia Kuala Lumpur
56000
Malaysia
電話: 60-3-91018880-408
rodneyt@ucsi.edu.my

図1: システムのブロック図
図2: DCモータコントローラモデル
図3: DCモータコントローラのLabVIEWフロントパネル
図4: DCモータコントローラのLabVIEWプログラミングブロック図
図5: DCモータコントローラのLabVIEWフロントパネル
図6: DCモータコントローラのLabVIEWプログラミングブロック図