NI CompactRIO使用した太陽エネルギーアプリケーションため最大電力追従コントローラ設計

「導入完了したも、NIアプリケーションエンジニアから引き続きサービス受けした。メンテナンス問題技術問題発生した問い合わせ行い、毎年われるフォーラムや​無料​のコンサルティング​も​役​立ち​ま​した。」

- Ru-Min Chao、Electromechanical Research Institute, National Cheng Kung University (台湾国立成功大学、電機工学科)

課題:

太陽光発電 (PV) アレイの最大電力点の検出と追従を行う電源制御システムを開発し、太陽電池から様々な環境条件下の負荷へと効率的に電力を伝送する。

ソリューション:

様々な環境条件で最大電力出力を達成できるよう、リアルタイムの太陽電池計測および制御システムを開発する。

太陽電池には、セルから負荷への電力伝送が最適となる、最適化ポイントがあり、最大電力点と呼ばれます。最大電力点は、気温や太陽光の量など、環境的条件によって異なります。太陽電池の出力電圧を固定した場合、最大電力出力を継続的に生成することはできません。そこで、最大電力点追従 (MPPT) アルゴリズムを使用し、アレイの電圧出力をDC/DC変換器で調節して最大電力点を継続的に検出および追従することにより、全体的な発電効率を高めます。MPPTテクノロジにより、所定の出力電力を得るために必要なソーラーパネルの台数を減らすことで、PVアレイシステムのコストを削減できます。

 

 

太陽電池MPPTの制御系設計を向上させるため、電池の電力/電圧曲線に二次方程式を当てはめ、二次関数の最大値を計算して最大電力点を検出するMPPTシステムを開発しました。システムは、電圧変換器の制御と高速データ収集のために、高速のパルス幅変調 (PWM) 信号を生成する必要があります。さらに将来のアプリケーションでの使用を見据えて、ポータブル​​で組み込み型の最大電力点演算システムを開発する必要がありました。

 

私たちはNI CompactRIOとNI LabVIEW FPGAモジュールを使用して、効率的で安定した統合システムを開発しました。電力消費量を最小限に抑えるため、CompactRIOシステムには、タイマで制御される電力スイッチも備わっています。アナログ計測と実際のテスト結果を使用して、MPPTコントローラを開発するためのシステムの実現可能性を検証しました。

 

 

 

アプリケーション

ユーザインタフェースの開発と新しいアルゴリズムの生成のために、LabVIEWソフトウェアを使用して太陽光エネルギーMPPTデバイスを設計しました。LabVIEW FPGAモジュールを使用して高速信号を取得し、DMAデータ転送を使用してそれらをプロセッサに伝送します。また、LabVIEW Real-Timeモジュールを使用して、MPPTアルゴリズムを実行するためのプロセッサのプログラミングを行いました。さらに、CompactRIO組み込みシステムを使用して、変化の遅い太陽電池の電流 (I) および電圧 (V) 値を取得し、データをリアルタイムプロセッサに伝送して演算を行いました。次に、FPGAで、降圧変換器回路用に目的のPWMデューティサイクル信号を生成し、最大電力点で出力電力を生成します。さらに、このシステムを使用して、バッテリ電源やモータなど、その他の負荷に対するMPPT演算もリアルタイムで実行できます。

 

システムアーキテクチャ

25 Wの太陽電池と降圧変換器から供給される電力は、充電式の6 V、10 AH鉛蓄電池および負荷モータに蓄電されます (図2のシステムアーキテクチャ図を参照)。負荷モータでは、NI 9474高速ソースCシリーズデジタル出力モジュールから供給されるPWMスイッチ信号を使用して、変換器の入出力電圧のスケーリングを行いました。NI 9221 Cシリーズモジュールを使用して太陽電池の出力電力を計測し、NI cRIO-9101 4スロット1Mゲート再構成可能組み込みシャーシでデータを取得した後、NI cRIO-9002組み込みリアルタイムコントローラでその取得したデータを使用してMPPT演算用の電力/電圧曲線を計算し、最大の太陽電池出力電力を実現するために必要なPWMコマンド信号を算出しました。

 

 

 

図3のように、アルゴリズムでは二次方程式を使用して最大電力点を計算します。セルの電圧/電流特性曲線をマッピングして、MPPT演算から得られるデューティサイクルが、太陽光照度レベルでの最大電力点であるかどうかを確認します。次に、MPPTを実行して、2つのデューティサイクルを比較し、電力の違いを特定してMPPTの効率を求めました。このシステムを使用して、充電プロセスを含む実際のMPPTパフォーマンスを把握しました。

 

 

NI製品サポートによって成功収める

CompactRIOを使用した開発は、他のハードウェアプラットフォームと比較してはるかに効率的でした。開発されたシステムは、超高速集積回路 (VHSIC) ハードウェア記述言語 (VHDL) で作成された他のシステムに匹敵するものですが、LabVIEW FPGAツールは多くの複雑な手順を簡素化します。40 MHzの内部動作周波数を使用して、MPPT演算に必要な20 kHzのPWM出力信号の生成と電圧/電流計測を行いました。また、ユーザの参照用に表示や記録などの機能を同期するとともに、cRIO-9002組み込みリアルタイムコントローラによってリアルタイムでの演算を行い、MPPTシステム運用の安定性をさらに強化しました。

 

 

導入を完了した後も、NIのアプリケーションエンジニアから引き続きサービスを受けました。メンテナンスの問題や技術的な問題が発生した際には問い合わせを行い、毎年行われるフォーラムや​無料​のコンサルティング​も​役​立ち​ま​した。私たちはNIの製品とサービスを利用することで、太陽電池のリアルタイム演算用のMPPTシステムの開発に成功しました。そのため、変わりやすい周辺環境でも最大出力を維持することが可能となりました。将来的には、電力追従のこのMPPT演算手法を、他の太陽光発電システムにも適用できます。

 

 

著者​情報:

Ru-Min Chao
Electromechanical Research Institute, National Cheng Kung University (台湾国立成功大学、電機工学科)

図1. 太陽電池の最大電力 (PMAX) は、電圧 (V) と電流 (I) の積がピークに到達したときに得られる。
図2. ハードウェアシステムアーキテクチャ図
図3. MPPTプロセスの流れ
図4. 充電テストプロセスの流れ
図5. CompactRIO FPGAからリアルタイムプロセッサへの高速データ伝送の仕組みを示す図
図6. 太陽電池およびバッテリの電圧と電流の波形
図7. 異なる照明条件での実験的計測に基づく太陽電池の電力/電圧 (PV) 曲線