スイスのABB社研究所向けの新しいデータマイニングおよびレポートソフトウェア

ABB社は、電力およびオートメーションテクノロジのグローバルリーダーです。弊社のソリューションは、環境への影響を最小限に抑えつつ、顧客の業務の効率、生産性、品質を向上させます。弊社では、イノベーションを事業の最前線に位置付け、現代社会を牽引する多くのテクノロジにおいて先駆的役割を果たしてきました。

研究所でのテストにより、弊社の製品はIEC、ANSI/IEEE、GB、GOSTなど、幅広い国際標準に対応した性能が証明されています。弊社は世界数か所に研究所を擁しており、テストプロセスを統一することが製品の市場投入を迅速化するための重要な手段となります。

高電力および高電圧製品の認証テストでは、実際のテストはわずか数秒で完了するにもかかわらず、セットアップには通常、数日間の多大な労力を要します。そのため、ABB社のビジネスの中核であるテストデータは、きわめて価値の高い資産と言えます。したがって、年間数百万のデータ記録を管理する適切なデータ管理システムは、社内外の顧客に提供する研究所サービスにおいてもっとも重要です。

ABB社の従来のシステムは、UNIXベースのデータ収集および管理システムで、デバイスとソフトウェアのサポートが終了したため、交換する必要がありました。

弊社では約25種類のソフトウェア/ハードウェアソリューションを比較し、最適な代替ソリューションを見出しました。NI社のテクニカルデータ管理 (TDM) プラットフォームには、DIAdemソフトウェア、SystemLink TDM DataFinderモジュール、データプラグインなどの既製品が含まれており、新しいシステムへ移行するにあたり、弊社の基準を最も満たしています。

データプラグインテクノロジを活用することで、元のデータファイルをそのまま使用できるため、データ損失の恐れがある新しいファイル形式への変換が不要でした。これにより、従来のシステムを動作させたまま新しいシステムを導入できるため、社内の抵抗を最小限に抑えることができました。また、新しいシステムの実装が従来のシステムと同等以上であることを十分に検証できました。従来のシステムの利点を新しいシステムですべて実現し、データ管理および解析の機能を強化できました。さらに、データプラグインを使用することで、どの部門でも既存のプロセスを変更することなく、部門間でデータを容易に共有できるようになりました。

DIAdemを使用してデータ処理を半自動化することにより、作業の質と量を大幅に向上することができました。また、手動のデータ処理など、ローリターンのタスクに掛けていた時間とリソースも削減できました。

さらに、SystemLink TDM DataFinderモジュールのインデックス作成サービスによって、ユーザは同種のテストをすばやく検索でき、類似のデバイスを同様の条件下で再度テストすることを回避できます。既存のデータを活用し、テストの再実行を回避することで、1回のテストにつき最大5万ドルも節約できます。

DIAdemの柔軟性の高いレポート機能を使って、ABB社の基盤となっている、UNIXソフトウェアで生成された出力レポートも再作成できました。マルチセグメント時間軸と、複数のy軸の整理された表示には、特に意識しました。DIAdemソリューションの包括的なツールに加えて、簡易ユーザインタフェースを使用することにより、「表示されたままが得られる」機能も実装できました。これにより、後処理の時間が大幅に短縮され、出力速度が10倍に高まり、テストレポートの品質も向上します。

弊社が時間とコストを削減したもう1つの方法は、NIとエンタープライズ契約を結んだことです。NI社のオンライントレーニングとトレーニングクレジットを使用することで、より多くのユーザがソフトウェアを効率的に使用できました。 社内でトレーニングコースを実施せず、調整作業を軽減することにより、業務時間を削減できます。

結果

弊社では、DIAdemとSystemLink TDM DataFinderモジュールを使用し、自社開発のUNIXソフトウェアを市販の製品に置き換えました。また、UNIXシステムのメンテナンス担当者2名を、新しいIT関連タスクの開発に配置換えしました。プラットフォーム移行に伴う問題を解決し、ソリューションやトレーニングコースもNI社から購入できます。

お客様情報:

Marco Mailand
ABB Switzerland High Power Laboratory
スイス
marco.mailand@ch.abb.com