NI LabVIEWCompactRIO使用世界最大燃料電池ハイブリッド機関車制御

Tim Erickson、Vehicle Projects LLC

「私LabVIEWCompactRIO理由は、信号調節機能内蔵するNI Cシリーズモジュールで、流量計圧力センサなど広範特殊センサ接続ながら、多様I/Oポイント高速監視する仕組み実装できからです。」

- Tim Erickson、Vehicle Projects LLC

課題:

250 kWの燃料電池式ハイブリッド機関車の運転を制御する。

ソリューション:

NI CompactRIOコントローラを使用して、燃料電池式機関車の安全性と運転を監視および制御する。また、コントローラエリアネットワーク (CAN) バス経由で、NI LabVIEWソフトウェアでプログラミングしたタッチパネルにエンジンの状態を表示して運転者に通知する。

従来の入換機関車は、1~2 MWのディーゼルエンジンを原動力としてオルタネータを駆動し、トラクションモータと機関車の補助システムに電力を供給します。そのような従来型入換機関車は、高出力のディーゼルエンジンを必要とするため、一般に燃料効率が悪く、排出ガスの制御能力も限られています。その後、入換機関車の設計は電力ハイブリッド型へと移行した結果、バッテリが高出力過渡電流用のエネルギーを蓄えるようになってエンジンが小型化され、排出ガスと燃料消費が全体的に抑制されています。

 

 

ただし都市部におけるディーゼル排気微粒子による汚染は、今なお車両基地のディーゼル機関車が大きな要因となっています。この汚染を軽減するため、北米のある官民共同事業が、都市部の鉄道用にディーゼルエンジンに代わる正味250 kWの燃料電池発電機を持つ燃料電池式ハイブリッド入換機関車を試作しています。これは、燃料電池式ハイブリッド機関車として世界最大です。

 

コロラド州デンバーにあるVehicle Projects LLC社は、CompactRIO組込コントローラとLabVIEWグラフィカル設計ソフトウェアを使用して、燃料電池用制御システムを開発しました。私達の目標は、港湾関連の操車場を含む都市部の鉄道用途で発生する大気汚染の緩和です。これに加えて、軍事基地のグリッド障害発生時や民間の災害救援活動時に、重要インフラ施設向けの移動型バックアップ電源を提供することです。

 

燃料電池ハイブリッド伝導装置

燃料電池とは、燃料の化学エネルギーを電力に変換する電気化学的な発電装置です。電池セルは、液体水素燃料と酸素から電気と水を生成します。これは水電解の逆反応です。燃料電池はバッテリと同じ原理で動作する一方、異なる点として電気化学的に活性な物質である水素と酸素は保管されるかまたは外部から利用可能であり、デバイスへと連続的に供給されます。つまり、電極に蓄えられるわけではありません。燃料電池は、電気的に充電されるのではなく、エンジンのように定期的に燃料補給されます。バッテリと同様、個々のセルは「スタック」としてグループ化され、必要な電圧または電力を供給します。

 

燃料電池ハイブリッド伝導装置は、燃料電池の原動力と補助電源/エネルギー貯蔵装置を利用して、デューティサイクルのピーク出力電力で機関車を動かし、ブレーキ作動時に動力/ポテンシャルエネルギーを回収します。定常状態運転では、原動力の連続正味出力はデューティサイクルの平均電力と同じかそれ以上の電力にする必要があります。予備調査では、ハイブリッド入換機関車の導入により、設備投資と経常運転コストの削減につながるとの結果が出ています。

 

 

CompactRIO利用した制御システム設計

大型の水素燃料電池車両の開発に取り組んでいるとき、重量、パッケージング、安全性など、設計と統合にかかわるいくつかの課題に直面しました。車両連結時に発生する衝撃荷重など、過酷な条件下での運用に耐える、非常に頑丈なコンポーネントシステムを必要としたのです。これ以外にも、燃料電池式制御システムは既存の商用車両制御装置と通信して、運転者の要求を解釈し、電力要件に合わせて燃料電池式発電パラメータを調整することも必要です。CompactRIO組込コントローラは、このアプリケーションに適した組み合わせのI/Oを備えていて、上述の仕様に合致する最適なフォームファクタを提供しました。このプログラマブルオートメーションコントローラ (PAC) を使用して、すべての発電機能を管理および運用し、水素貯蔵/燃料電池電力システムの性能と安全性を継続的に監視しました。

 

LabVIEWベースソフトウェアアーキテクチャ

LabVIEW Real-TimeおよびLabVIEW FPGAモジュールを実行するCompactRIO組込コントローラによって、燃料電池発電装置の動作を制御します。機関車の運転室に設置されたタッチパネルで、ユーザは制御システムを監視します。その制御アプリケーションは、モジュール式の制御アルゴリズムVI群で構成されています。これらのVIは互いに通信しながら、タグベースのアーキテクチャによってFPGAのI/Oシステムと通信します。タグを使用しているため、LabVIEWアプリケーション内部で割り当てた名前で各I/Oポイントを判別し、参照することができます。それぞれのタグには、プロパティが関連付けられています。プロパティには、アラームリミット、スケーリング (電圧から工学単位への変換)、イベントなどがあります。イベントの例として、イベントログをディスクに保存するタイミングをユーザが指定することができます。自分達のPACベースのシステムに、プログラマブルロジックコントローラ (PLC) の知能を組み込んだということです。

 

LabVIEWCompactRIO完璧制御プラットフォーム開発

LabVIEWとCompactRIOを選んだ理由は、信号調節機能を内蔵するNI Cシリーズモジュールによって、流量計や圧力センサなどの広範な特殊センサに接続し、多様なI/Oポイントを高速で監視する仕組みを実装できたからです。

 

さらに、シンプルなPID (比例/積分/微分) 制御の域を越えて、複雑な制御アルゴリズムも高速ループレートで実行しました。その制御アルゴリズムの中には、LabVIEWで実装した数理モデルもあります。PLCプラットフォームのような柔軟性に乏しい環境では、このような開発は無理であったかもしれません。また、自分達が求めていた高速ループレートを実現できたのも、制御アルゴリズムの一部をFPGAに組み込むことができたからです。

 

著者​情報:

Tim Erickson
Vehicle Projects LLC
621 17th Street, Suite 2131
Denver, CO 80293
電話:(303) 296-4218
tim.erickson@vehicleprojects.com

燃料電池式発電装置と水素貯蔵装置を据え付けるために、私達はディーゼル燃料タンクと発電装置を取り外しました。写真提供: Railpower Hybrid Technologies
機関車の燃料電池式原動力が250 kWを連続的に発電し、これを牽引 (トラクション) に利用します。他方、予備のトラクションバッテリは、1 MW超の過渡的な電力を供給します。
燃料電池式ハイブリッド伝導装置の主要コンポーネントは、予備蓄電池またはフライホイール予備エネルギー/電力装置と、ブレーキ作動時に発電機として使用するトラクションモータです。