TSN Ethernet​ベース​の​分散​型​測定​システム​の​設計

概要

テクノロジ​が​進歩​し、​フィジカル​システム​が​高性能​化​する​につれて、​より​複雑​に​な​っ​た​これらの​デバイス​を​理解​する​ため​に​必要​な​データ​の​量​が​増え​た​だけ​で​なく、​収集​する​さまざま​な​測定​値​を​正確​に​関連付ける​必要性​も​高​まっ​てい​ます。​これらの​大規模​で​より​複雑​な​アプリケーション​を​使用​すると、​センサ​や​同期​の​配線​が​ます​ます​難​しく​なり、​実装​コスト​が​かかり​ます。​この​よう​な​大規模​で​複雑​な​センサ​や​同期​配線​構造​を​生み出す​代わり​に、​もう​1​つ​の​アプローチ​として、​より​測定​対象​の​近く​で​データ​収集​デバイス​を​分散​させる​よう​にし​ます。​Time Sensitive Networking(TSN)​テクノロジ​を​分散​型​測定​システム​に​統合​する​こと​によって、​ネットワーク​上の​さまざま​な​デバイス​から​の​すべて​の​測定​値​に​時刻​ベース​の​同期​を​使用​する​こと​が​でき、​1​本​の​ネットワーク​ケーブル​で​サーバ​や​制御​室​に​データ​を​転送​する​こと​が​でき​ます。​ただし、​TSN Ethernet​ベース​の​測定​システム​の​設計​や​実装​時に​考慮​すべ​き​要因​が​いくつか​発生​し​ます。

内容

Time Sensitive Networking​とは

TSN​は、​標準​的​な​Ethernet、​具体​的​に​は​IEEE 802.1​規格​が​進化​した​もの​です。​TSN​は、​Ethernet​上​で​の​パケット​転送​を​使用​し​て​デバイス​の​時間​同期​を​実行​する​メカニズム、​協定​時刻​を​使用​し​て​循環​的​な​パケット​伝送​の​スケジュール​を​設定​する​機能、​および​すべて​の​ネットワーク​要素​を​設定​する​ため​の​標準​的​な​一連​の​パラメータ​を​提供​し​ます。​デバイス​周辺​の​複数​の​場所​から​関連​付け​ら​れ​た​センサ​読み取り​値​を​必要​と​する​TSN Ethernet​ベース​の​測定​システム​は、​TSN​の​時間​同期​要素​を​使用​し​ます。​TSN​同期​は、​IEEE 802.1AS​規格​により​提供​さ​れ​てい​ます。

 

IEEE 802.1AS​とは

IEEE 802.1AS​は​IEEE 1588​プロファイル​の​1​つ​で​あり、​IEEE 802.1AS​サブ​ネット​内​の​すべて​の​ノード​に​共通​の​時間​表記​を​提供​し​ます。​複数​デバイス​の​この​同期​では​パケット​ベース​の​通信​を​使用​する​ため、​信号​伝播​の​遅延​による​影響​を​受ける​こと​なく​長距離​にわたる​同期​が​可能​です。この​プロファイル​を​使用​した​デバイス​上​で​の​I/​O​同期​は​1​マイクロ​秒​未満​ですが、​システム​の​構成​によって​は​数百​ナノ​秒​範囲​まで​大幅​に​短縮​させる​こと​が​でき​ます。2​つ​の​エンド​ステーション​を​同期​する​場合、​それらの​間​に​IEEE 802.1AS​準拠​の​スイッチ​を​持つ​パス​が​必要​です。​この​よう​な​パス​が​ある​場合​は、​自動的に検出され、​TSN​同期​が​使用​さ​れ​ます。​cDAQ-9185​と​cDAQ-9189​の​両方​に​は、​IEEE 802.1AS​準拠​の​内蔵​型​スイッチ​が​搭載​さ​れ​て​いる​ため、​直接​接続​さ​れ​て​いる​場合、​または​外部​の​IEEE 802.1AS​準拠​の​ネットワーク​インフラ​ストラクチャ​が​ある​場合​に、​同期​する​こと​が​でき​ます。

図​1: IEEE 802.1AS​準拠の統合型スイッチが搭載された​cDAQ-9185/9189

 

トポロジ​の​選択

TSN Ethernet​ベース​の​分散​型​測定​システム​を​設計​する​際​の​重要​な​ステップ​は、​アプリケーション​に​使用​する​トポロジ​を​決定​する​こと​です。​IEEE 802.1AS​プロファイル​は​デバイス​間​の​ケーブル​長​を​補完​する​もの​で​ある​ため、​特定​の​アプリケーション​に​も​たら​さ​れる​トポロジ​の​長所​と​短所​に​重き​を​置​い​たり、​アプリケーション​の​必要性​に​最も​適​した​ハイブリッド​ト​ポロ​ジ​を​作り​出し​たり​する​こと​が​でき​ます。​測定​システム​に​一般​的​な​3​つ​の​トポロジ​の​オプション​として、​線形、​リング、​および​スター​が​あり​ます。

ライントポロジ

デイジーチェーン​接続​とも​呼ばれる​ライントポロジ​では、​1​本​の​バス​線​により、​システム​内​の​すべて​の​デバイス​と​ホスト​が​直接​通信​し​ます。​ライントポロジ​は​最も​シンプル​で​あり、​最も​安価​に​実装​でき​ます。​ただし、​この​トポロジ​が​実際​に​役立つ​の​は、​内蔵​型​Ethernet​スイッチ​を​搭載​した​デバイス​のみ​です。​この​トポロジ​内​の​各​デバイス​は、​直前​の​デバイス​から​100​メートル​まで​離す​こと​が​でき​ます。​そのため、​この​トポロジ​では​あまり​複雑​に​なる​こと​なく、​非常​に​長い​距離​に​及ぶ​拡張​が​可能​です。​ホップ​長​の​制限​について​は、​デバイス​の​仕様​書​を​ご​確認​くだ​さい。

 

図​2: ライントポロジ

 

次に、​ライントポロジ​の​長所​と​短所​を​示し​ます。

  • 長所
    • この​トポロジ​は​シンプル​かつ​安価​に​システム​に​デバイス​の​インストール、​拡張、​トラブル​シューティング​が​でき​ます。
    • この​トポロジ​では、​測定デバイスに内蔵型スイッチが搭載されていれば、​外部​スイッチ​を​統合​する​必要​が​ありま​せん。
    • デバイス​の​相互​接続​に​必要​な​線​が​1​本​のみ​という​単純​な​設計​により、​長距離​の​拡張​が​可能​です。
  • 短所
    • 電源を失ったか、​または​障害​が​発生​した​線​の​デバイス​は、​トポロジの下流にあるすべてのデバイスのネットワーク通信を途絶させます。
    • Ethernet​ケーブル​の​障害​や、​ケーブル​の​不適切​な​終端​が、​トポロジの下流にあるすべてのデバイスのネットワーク通信を途絶させます。
    • この​トポロジ​で​大量​の​デバイス​を​扱う​よう​に​なる​と、​ネットワーク​と​同期​の​パフォーマンス​に​影響​が​及び​ます。

 

リングトポロジ

リングトポロジ​では、​ホスト​は​最も​効率​の​良い​パス​を通じて​すべて​の​ノード​と​通信​し​ます。​より​シンプル​な​ライントポロジ​から​の​ループ​を​完成​させる​に​は、​リングトポロジ​内​で​外部​スイッチ​を​使用​する​必要​が​あり​ます。​データ​の​移動​や​同期​を​向上​させる​ため​に​この​冗長​接続​が​自動的​に​利用​さ​れ​ます​(スイッチ​が​IEEE 802.1AS​に​準拠​し​て​いる​場合)。

 

図​3: リングトポロジ

 

この​トポロジ​の​メリット​を​利用​する​に​は、​必要​な​プロトコル​に​準拠​する​スイッチ​を​使用​し​て​ネットワーク​を​正しく​構成​する​必要​が​あり​ます。​スイッチ​は、​Rapid Spanning Tree Protocol(RSTP)​を​サポート​する​場合​は​IEEE 802.1Q​に、​TSN​同期​を​サポート​する​場合​に​は​IEEE 802.1AS​に​準拠​し​て​いる​必要​が​あり​ます。​ただし、​この​トポロジ​を​使用​すると、​トポロジ​全体​で​RSTP​仕様​を​サポート​し​て​データ​に​最適​な​パス​を​確保​でき​ます​が、図​3. に​示す​よう​に、​IEEE 802.1AS​プロファイル​は​この​トポロジ​の​一部​のみ​で​しか​サポート​さ​れ​ま​せん。​IEEE 802.1AS​を​サポート​する​2​台​の​デバイス​間​の​リンク​が​壊​れ​て​いる​場合、​同期​データ​通信​は​途絶​さ​れ​ます。

次に、​リングトポロジ​の​長所​と​短所​を​示し​ます。

  • 長所
    • この​トポロジ​は​簡単​に​インストール​でき​ます。
    • Ethernet​ケーブル​の​1​本​に​障害​が​発生​し​て​も​ネットワーク​通信​は​途絶​しま​せん​(ただし、​トポロジ​上の​すべて​の​スイッチ​が​同期​プロファイル​に​準拠​し​てい​ない​場合​は、​同期​通信​に​影響​を​及​ぼ​し​ます)。
    • トポロジ​内​に​デバイス​を​追加​し​て​も、​ライントポロジ​ほど​は​パフォーマンス​に​影響​を​及​ぼ​しま​せん。
  • 短所
    • ネットワーク​トラ​フ​ィ​ッ​ク​パターン​により、​ライントポロジ​より​も​トラブル​シューティング​が​難​しく​なる​可能性​が​あり​ます。​これ​は、​ホスト​に​戻る​の​に​最適​な​パス​を​データ​が​探​さ​ない​ため​です。
    • この​トポロジ​に​は、​ループ​を​完成​させる​ため​の​スイッチ​の​追加​が​必要​です​(ライントポロジ​と​比較​した​場合)。
    • この​トポロジ​では、​ネットワーク​上の​すべて​の​デバイス​に​スイッチ​が​搭載​さ​れ​て​いる​必要​が​あり​ます。

 

スタートポロジ

スタートポロジ​では、​ホスト​は​外部​スイッチ​を通じて​ネットワーク​上の​各​デバイス​と​直接​通信​し​ます。​デバイス​は​個別に​直接​スイッチ​に​接続​する​こと​が​でき、​線​内​で​相互​に​接続​する​必要​は​ありま​せん。​スタートポロジ​全体​で​TSN​同期​を​実現​する​に​は、​ネットワーク​上の​すべて​の​デバイス​と​スイッチ​が​IEEE 802.1AS​プロトコル​に​準拠​し​て​いる​必要​が​あり​ます。​ただし、​ネットワーク​上の​すべて​の​デバイス​に​スイッチ​が​組み​込​まれ​て​いる​場合、​各​デバイス​から​の​冗長​リンク​を​スイッチ​に​追加​し​て、​ホスト​へ​の​最適​な​パス​を​データ​が​探せる​よう​に​する​こと​が​でき​ます。​この​冗長​接続​では、​メイン​の​追加​スイッチ​から​の​各​デバイス​の​1​本​の​ケーブル​に​障害​が​発生​し​て​も​通信​は​途絶​しま​せん。​戻る​ため​の​最適​な​パス​を​探す​ネットワーク​を​利用​する​に​は、​ネットワーク​上の​すべて​の​デバイス​が​802.1Q​に​準拠​し、​RSTP​を​サポート​し​て​いる​必要​が​あり​ます。

図​4: スタートポロジ

 

次に、​スタートポロジ​の​長所​と​短所​を​示し​ます。

 

  • 長所
    • この​トポロジ​では、​デバイス​の​インストール、​拡張、​および​トラブル​シューティング​を​簡単​に​行​え​ます。
    • ホスト​と​直接​通信​する​よう​に、​エンド​ポイント​を​統合​でき​ます。
    • ネットワーク​に​デバイス​を​追加​し​て​も、​他の​トポロジ​より​も​ネットワーク​性能​に​及ぼす​影響​は​少​なく​て​すみ​ます。
    • ネットワーク​上の​他の​デバイス​と​の​ネットワーク​通信​は、​スイッチ​が​停止​し​て​いる​単一​の​デバイス​の​障害​や​電源​の​損失​で​途絶​する​こと​は​ありま​せん。
    • すべて​の​デバイス​に​冗長​リンク​を​使用​し​て​いる​場合、​単一​の​Ethernet​ケーブル​障害​によって​ネットワーク​通信​が​途絶​する​こと​は​ありま​せん。
  • 短所
    • この​トポロジ​では、​ホスト​が​ネットワーク​上の​各​デバイス​と​直接​通信​する​ため​の​外部​スイッチ​が​必要​です。
    • 1​つ​の​スイッチ​が​すべて​の​デバイス​を​ホスト​に​接続​し​ます。​そのため、​この​トポロジ​では​すべて​の​デバイス​を​カバー​できる​距離​が​制限​さ​れ​ます。

高度​な​トポロジ/​ハイブリッドトポロジ

TSN Ethernet​ベース​の​分散​型​測定​システム​の​3​つ​の​主要​トポロジを組み合わせ​て、​それぞれ​の​長所​を​融合​さ​せ​た​ハイブリッド​ト​ポロ​ジ​を​作成​し、​アプリケーション​の​ニーズ​に​合わせる​こと​が​でき​ます。​ツリートポロジ​は、​ライントポロジ​と​スタートポロジ​の​特徴​を​統合​した​一般​的​な​ハイブリッド​ト​ポロ​ジ​です。​さまざま​な​デバイス​の​グループ​を、​ホスト​へ​の​単一​の​ライントポロジ​に​沿​って​より​小さな​スタートポロジ​に​分割​でき​ます。​異なる​スタートポロジ​の​部分​を​持つ​こと​によって、​それら​を​ネットワーク​上の​個別​の​サブシステム​として​管理​し、​さまざま​な​タスク​を​実行​でき​ます。​例えば、​IEEE 802.1AS​プロファイル​を​サブシステム​の​1​つ​で​実行​させる​こと​で、​それらの​デバイス​は​TSN​同期​を​利用​でき、​もう​1​つ​の​サブシステム​で​追加​の​Ethernet​デバイス​を​接続​し​て​測定​以外​の​タスク​に​使用​する​こと​が​でき​ます。​これらの​トポロジ​を​融合​させる​と、​一部​の​短所​も​融合​する​ことに​なり​ます。​ツリートポロジ​では、​メイン​の​ライントポロジ​の​リンク​に​障害​が​発生​すると、​下流​に​ある​すべて​の​スター​(トポロジ)​サブシステム​の​ネットワーク​通信​が​途絶​し​ます。

TSN Ethernet​ベース​の​分散​型​測定​システム​の​トポロジ​の​選択​について​は、​正解​は​1​つ​では​ありま​せん。​各​タイプ​の​トポロジ​の​長所​と​短所​を​比較​し​て、​設計​し​て​いる​システム​の​アプリケーション​の​特定​の​ニーズ​を​満たす​こと​が​できる​トポロジ​を​決定​する​必要​が​あり​ます。   

 

IP​アドレス​メカニズム​の​選択

ネットワーク​上​で​通信​する​に​は、​Ethernet​デバイス​が​その​ID​として​使用​する​IP​アドレス​を​取得​する​必要​が​あり​ます。​これ​を​実行​する​に​は​一般​的​に​3​通り​の​方法​が​あり​ます。​DHCP、​リンク​ローカル、​および​スタティック​IP​アドレス​の​手動​割り当て​です。​Ethernet​ベース​の​ほとんど​の​デバイス​は​DHCP​を​発行​し​て​IP​アドレス​を​取得​し​ます。​デバイス​を​DHCP​サーバ​が​ある​ネットワーク​に​接続​する​場合、​デバイス​は​使用​可能​な​アドレス​を​その​サーバ​から​受け取り​ます。​ネットワーク​上​に​DHCP​サーバ​が​ない​場合、​通常​は​数​秒​以内​に​デバイス​が​タイム​アウト​し、​リンク​ローカル​アドレス​を​取得​する​試行​で​応答​し​ます。​使用​可能​な​アドレス​を​探​し​て​ネットワーク​を​スキャン​しな​け​れ​ば​なら​ない​ため、​この​プロセス​に​は​かなり​の​時間​が​かかる​可能性​が​あり​ます。​エンド​ステーション​の​IP​アドレス​を​設定​する​最も​手​早く​て​信頼​性​の​高い​方法​は、​手動​で​割り当てる​こと​です。​この​場合​は、​同じ​アドレス​を​2​台​の​デバイス​に​割り当て​ない​よう​に​注意​する​必要​が​あり​ます。

デバイス​と​通信​する​ホスト​PC​では、​PC​の​ネットワーク​接続​を​正しく​設定​し、​ターゲット​デバイス​の​IP​アドレス​を​認識​さ​せ​て​おく​必要​が​あり​ます。​PC​と​デバイス​の​両方​が​DHCP​で​設定​さ​れ​て​いる​場合、​これ​は​通常、​自動​で​実行​さ​れ​ます。​デバイス​が​リンク​ローカル​または​手動​割り当て​の​アドレス​を​使用​する​場合、​その​デバイス​に​到達​できる​よう​に​PC​を​正しく​設定​する​ため​の​追加​手順​が​必要​です。

 

TSN Ethernet​ベース​の​分散​型​測定​システム​へ​の​信頼​性​の​改善

すべて​の​アプリケーション​と​同様、​分散​型​アプリケーション​も​デバイス​や​接続​の​予想​外​の​障害​を​処理​できる​よう​に​する​必要​が​あり​ます。​分散​型​システム​を​実装​する​際、​測定​デバイス​は​通常、​測定対象デバイスと同じテスト環境下に配置され、​可能​な​限り​センサ​に​近い​場所​に​設置​さ​れ​ます。​つまり、​測定デバイスが過酷で厳しい条件下に設置され、​通常​の​デスク​トップ​装置​が​不正確​な​データ​を​出力​した​り、​システム​全体​が​ダウン​する​可能性​が​少​なく​ない​という​こと​です。​信号調節機能とデータ収集装置がテスト環境に対する耐性を確実に備えていれば、​初回​で​正確​な​データ​を​収集​する​こと​を​保証​でき、​コスト​の​かかる​再​テスト​を​行う​必要​が​なく​なり​ます。​考え​得る​システム​要件​として​は、​非常​に​広い​製品​検証​テスト​温度​範囲、​衝撃​と​振動​へ​の​耐性​(システム​が​計測​対象​機器​に​直接​取り付け​られる​場合)、​危険​な​場所​へ​の​設置​の​認証​保有​など​が​あり​ます。​こうした​要件​に​合致​する​こと​で、​海洋​環境​や​爆発​の​危険​性​が​ある​環境​で​の​安全​な​システム​稼動​が​保証​さ​れ​ます。

さまざま​な​堅牢​性​の​要件​を​満たす、​データ​収集​システム​用​の​ケース​を​設計​する​こと​は​可能​ですが、​環境​へ​の​耐性​が​試験​済み​で、​あらかじめ​認証​を​保有​し​て​いる​システム​を​購入​する​ほうが​コスト​を​抑え​られる​場合​が​多い​で​しょう。​確実​な​堅牢​性​を​備え​た​独自​の​ソリューション​を​開発​し、​統合​する​に​は、​設計、​材料、​テスト、​コン​プライア​ン​ス​という​手順​を​適切​に​踏​んで​いく​時間​に​加​えて、​これらの​手順​に​かかる​コスト​が​すぐ​に​か​さん​で​いく​可能性​が​あり​ます。​ベンダ​なら、​これらの​コスト​を​数​千​に​上る​ユニット​に​分割​し​て​償却​し、​より​低い​コスト​で​同じ​だけ​の​メリット​を​提供​でき​ます。

>​詳細​について​は、​堅牢​性​および環境​に​合​っ​た​適切​な​システム​を​選択​する​方法を​参照​し​て​くだ​さい。

リンク​の​信頼性

測定​デバイス​が​設置​さ​れ​た​環境​において​確実​な​耐性​を​維持​できる​よう​に​する​こと​以外​に、​これらの​デバイス​間​の​接続​に​障害​が​生​じ​たり、​損傷​が​あっ​た​場合​に​起きる​事象​も​考慮​すべ​き​です。​測定​システムトポロジ​に​冗長​リンク​を​追加​する​こと​で、​ネットワーク​は​データ​が​流れる​最適​な​パス​を​決定​できる​よう​に​なり​ます。​ネットワーク​上の​すべて​の​デバイス​が​IEEE 802.1AS​と​IEEE 802.1Q​の​両方​に​準拠​し​て​おり、​両方​の​プロトコル​を​実装​する​よう​に​設定​さ​れ​て​いる​リングトポロジ​または​スタートポロジ​に​冗長​リンク​を​実装​すると、​ネットワーク​内​の​1​つ​の​接続​に​損傷​が​あっ​たり、​障害​が​発生​した​場合、​次に​使用​可能​な​経路​を​使​って、​データ​の​経路​が​自動的​に​再​設定​さ​れ​ます。

通常、​この​プロセス​は、​リンク​が​壊​れ​たか、​または​復元​さ​れ​たか​に​応​じ​て​2​~​15​秒​かかり​ます​(ただし、​正確​な​時間​は​ネットワーク​構成​によって​異​なり​ます)。​アプリケーション​が​この​時間​に​対応​できる​よう​に​する​に​は、​送信側に十分なバッファリングを持たせ、​受信​側が​データ​の​一時​的​な​割り込み​を​許可​し、​それらの​割り込み​に​関わる​アプリケーション​レベル​の​領域​を​適切​に​処理​できる​よう​に​する​必要​が​あり​ます。

 

システム​の​信頼性

また、​ハードウェア​や​接続​が​損傷​を​受け​て、​障害​が​発生​する​以外​に​も、​測定​アプリケーション​に​障害​が​生じる​原因​は​いくつか​あり​ます。​ネットワーク​内​で​稼動​し​て​いる​デバイス​の​電源​や​ソフトウェア​を​リセット​した​り、​測定​アプリケーション​の​実行​中​に​デバイス​を​追加​した​り​取り外し​たり​する​こと​による​障害​です。​次に、​測定​アプリケーション​が​この​よう​な​障害​を​把握​し、​調整​できる​よう​に​する​いくつか​の​方法​を​示し​ます。

エラー​の​原因​の​1​つ​は、​ネットワーク​同期​の​損失​です。​IEEE 802.1AS​では、​グランド​マスタ​(GM)​クロック​と​呼ばれる​基準​クロック​が​選択​アルゴリズム​により​自動的​に​選択​さ​れ​ます。​この​選択​は​クロック​の​品質、​トレーサビリティ、​優先​度、​あるいは​必要​に​応​じ​て​デバイス​の​MAC​アドレス​に​基​づ​き​ます​(MAC​アドレス​は​常に​一連​の​同一​デバイス​に対して​GM​を​決定​し​ます)。​この​選択​は、​リセット​時​など​に、​一連​の​IEEE 802.1AS​接続​デバイス​に対し、​デバイス​が​追加​さ​れる、​あるいは​デバイス​が​取り​外​さ​れる​たび​に​繰​り​返​さ​れ​ます。​GM​が​リセット​さ​れる​か、​または​GM​へ​の​パス​が​壊​れ​た​場合、​新しい​GM​が​選択​さ​れ​ます。​操作​中​に​GM​が​変更​さ​れ​た​場合​も、​操作​が​意図​した​とおり​に​同期​さ​れる​か​どうか​が​想定​でき​ない​ため、​NI-​DAQmx​は​「sync lock lost」​(同期​ロック​損失)​エラー​を​発行​し​ます。

もう​1​つ​の​エラー​の​原因​として​同期​パス​の​損失​が​挙​げ​ら​れ​ます。​RSTP​と​IEEE 802.1AS​の​メカニズム​は​個別に​動作​する​ため、​異なる​リンク​を​使用​でき​ます。​つまり、​データ​転送​を​破壊​せ​ず​に​同期​を​破壊​する​可能性​が​あり​ます。

NI-​DAQmx​に​は、​アプリケーション​が​これら​を​含む​エラー​を​処理​できる​機能​が​備​わっ​てい​ます。​同期​の​一時​的​な​損失​に​敏感​で​ない​アプリケーション​では、​「stop on sync lost」​(同期​損失​時に​停止)​プロパティ​を​「FALSE」​に​設定​し​て​くだ​さい。​これらの​アプリケーション​は​「sync lost」​(同期​損失)​プロパティ​を​確認​し​て、​同期​が​失​われ​たか​どうか​を​検出​でき​ます。​一般に、​高い​信頼​性​要件​の​ある​アプリケーション​は​シャー​シ​ごと​に​1​つ​の​タスク​を​使用​し​ます。​これ​により、​デバイス​障害​を​できる​限り​隔離​し​て、​システム​内​の​ノード​に​障害​が​発生​した​場合​や​一時​的​に​取り​外​さ​れ​た​場合​に、​影響​を​受ける​チャンネル​の​数​を​最小限​に​抑え​ます。

測定​アプリケーション​で​システム​障害​を​回復​でき​ない​場合、​あるいは​ネットワーク​が​データ​用​の​パス​を​検出​でき​ない​状況​において​ネットワーク​内​の​接続​に​障害​が​発生​した​り、​損傷​が​あっ​た​場合​の​ベストプラクティス​は、​緊急​時​の​対応​策​を​整備​し​て、​システム​が​既知​の​安全​な​状態​に​ある​よう​に​する​こと​です。​ハードウェア​ウ​ォ​ッ​チ​ド​ッ​グ​タイマ​の​使用​は、​システム​に​フェ​イ​ル​セーフ​メカニズム​を​提供​する​1​つ​の​方法​です。​ハードウェア​ウ​ォ​ッ​チ​ド​ッ​グ​タイマ​は、​システム​が​正しく​動作​し​て​いるか​どうか​の​監視​と​特定​に​使用​さ​れ​ます。​システム​が​意図​した​とおり​に​動作​し​てい​ない​場合、​システム​を​安全​な​状態​に​置​き​ます。​測定​デバイス​に​ハードウェア​ウ​ォ​ッ​チ​ド​ッ​グ​タイマ​が​搭載​さ​れ​て​いる​場合、​不要​な​イベント​時に​出力​チャンネル​を​切り換え​て、​システム​へ​の​損傷​を​防ぐ​よう​に​設定​でき​ます。

詳細​について​は、​ハードウェアウ​ォ​ッ​チ​ド​ッ​グ​タイマ​と​NI-​DAQmx​で​の​実装​方法を​参照​し​て​くだ​さい。

 

TSN Ethernet​ベース​の​測定​システム​向け​の​NI ハードウェア​オプション

NI​は、​TSN Ethernet​ベース​の​分散​型​測定​システム​の​構築​に​使用​できる​さまざま​な​プラットフォーム​と​製品​を​提供​し​てい​ます。​これら​は、​処理​能力​と​接続​機能​を​最大​化​する​パワフル​な​NI​産業​用​コントローラ​から、​小型​で​統合​型​の​信号​調整​が​できる​CompactDAQ、​そして​柔軟性​と​カスタマイズ​を​備え​た​CompactRIO​に​まで​及び​ます。​これらの​プラットフォーム​や​製品​を​網羅​する​機能​の​幅​が​ある​から​こそ、​特定​の​分散​型​測定​アプリケーション​の​すべて​の​ニーズ​を​満たす​ため​に​役立つ​NI​ソリューション​が​存在​し​ます。

 

CompactDAQ

CompactDAQ​は、​組み込み​型​の​信号​調整​と​多彩​な​I/​O​オプション​を​備え​た​複合​測定​モジュール​式​プラットフォーム​です。​不要​な​機能​に​費用​を​支払う​こと​なく、​刻々と​変化​する​要件​に​適応​する​柔軟性​で、​分散​型​測定​の​ニーズ​に​合わせ​て​最適​化​さ​れ​た​システム​を​構築​でき​ます。​cDAQ-9185​と​cDAQ-9189​の​シャー​シ​は、​TSN​同期​について​は​IEEE 802.1AS、​RSTP​実装​について​は​IEEE 802.1Q​の​両方​に​準拠​した​統合​型​スイッチ​を​搭載​し、​アプリケーション​に​理想​的​な​トポロジ​に​それら​を​統合​でき​ます。​これらの​シャー​シ​は、​厳しい​テスト​環境​の​ニーズ​を​満たす​堅牢​性​を​実現​できる​よう​に​構築​さ​れ​てい​ます。​これら​は、-40​~​70℃​の​動作​温度​範囲、​最大​50 g​の​耐​衝撃​性、​さまざま​な​安全​および​環境​の​認証、​ならびに​統合​型​ハードウェア​ウ​ォ​ッ​チ​ド​ッ​グ​タイマ​を​備え、​アプリケーション​の​緊急​時​対応​策​として​フェ​イ​ル​セーフ​メカニズム​を​提供​し​ます。

図​5: 接続​性​と​信号​調整​を​モジュール​式​の​I/​O​に​統合​し、​あらゆる​センサ​や​信号​へ​直接​インタフェース​する​ポータブル​で​堅牢​な​データ​収集​プラットフォーム​の​CompactDAQ

 

CompactRIO

CompactRIO​は、​組み込み​リアルタイム​プロセッサ​に​高性能​の​FPGA​と​多彩​な​I/​O​オプション​を​組み合わせ​た​もの​です。​各​I/​O​モジュール​は​FPGA​に​直接​接続​さ​れ​て​いる​ため、​タイミング​制御​や​I/​O​信号​処理​が​可能​です。​FPGA​は、​高速​PCI​バス​を通じて​組み込み​リアルタイム​プロセッサ​に​接続​さ​れ​ます。​つまり、​ローレベル​の​ハードウェア​リソース​へ​の​オープン​アクセス​を​備え​た​低​コスト​アーキテクチャ​という​ことに​なり​ます。 cRIO-9035 Sync​と​cRIO-9039 Sync​は​両方​とも​TSN​対応​の​コントローラ​で​あり、​TSN​テクノロジ​を​組み込み​リアルタイム​コントローラ​に​も​たら​し​ます。​これらの​コントローラ​は、​IEEE 802.1AS​プロファイル​を​使用​し​て​CompactDAQ​と​同じ​C​シリーズ​モジュール​と​の​分散​型​同期​測定​に​参加​し、​実行​し​ます​が、​NI Linux Real-​Time OS​を​実行​する​分散​型​測定​システム​ホスト​として​も​機能​し​ます。

図​6: 組み込み​リアルタイム​プロセッサ、​高性能​FPGA、​および​多彩​な​I/​O​オプション​を​備え​た​CompactRIO

 

NI​産業​用​コントローラ

NI​産業​用​コントローラ​は、​自動化、​測定、​および​制御​を​行う​アプリケーション​に​最高​の​処理​能力​と​接続​性​を​必要​と​する​開発​者​向け​の​パワフル​な​ファン​レス​産業​用​コントローラ​です。​NI​産業​用​コントローラ​に​は、​TSN​同期​に​IEEE 802.1AS​プロファイル​を​実行​する​デバイス、​GigE Vision​カメラ​および​USB3 Vision​カメラ、​ならびに​その他​の​オートメーション​装置​と​の​通信​や​同期​に​最適​な​接続​性​を​備え​てい​ます。​さらに、​これらの​コントローラ​に​は​オン​ボード​の​絶縁​機能、​TTL、​および​差動​デジタル​I/​O​も​搭載​さ​れ​てい​ます。

図​7: 自動​画像​処理​および​制御​アプリケーション​に、​最高​レベル​の​処理​能力​と​接続​性​を​提供​する​NI​産業​用​コントローラ

 

分散​型​測定​用​に​構築​さ​れ​た​ハードウェア

TSN Ethernet​ベース​の​分散​型​測定​システム​を​設計​し、​実装​する​場合​に、​アプリケーション​の​ニーズ​を​満たす​ため​に​システム​の​効率​性​と​信頼​性​を​確保​する​方法​が​いくつか​あり​ます。​検討​が​必要​に​なる​重要​な​項目​として、​アプリケーション​に​理想​的​な​トポロジ​の​選択​と、​理想​的​な​トポロジ​の​ニーズ​を​満たす​だけ​で​なく、​テスト​環境​に​耐え、​ニーズ​に​応​じ​て​さらに​高い​信頼​性​を​提供​する​ハードウェア​の​選択​が​挙​げ​ら​れ​ます。​これらの​要因​を​確保​できる​ハードウェア​を​選択​する​際​に、​高​品質​の​分散​型​測定​システム​の​構築​に​使用​さ​れる​CompactDAQ、​CompactRIO、​および​NI​産業​用​コントローラ​など​の​ハードウェア​を​利用​する​こと​で、​時間​や​コスト​を​節減​でき、​フラストレーション​を​緩和​する​こと​が​でき​ます。

 

詳​しく​は​こちら​を​ご覧​くだ​さい。

CompactDAQ

CompactRIO

NI​産業​用​コントローラ

登録​商標​Linux®​は、​全世界​における​商標​保持​者​Linus Torvalds​氏​から​排他​的​ライセンス​を​受け​て​いる​LMI(Linux Mark Institute)​から​の​許諾​により​使用​し​てい​ます。