ハードウェアドライバの拡張機能FPGA extensions概要

ハードウェアドライバの拡張機能FPGA extentionsを利用すると、計測器ドライバのAPIの全機能を維持したまま、ソフトウェア設計型計測器のFPGAをLabVIEWでカスタマイズすることができます（図2参照）。

^{図1:ハードウェアドライバの拡張機能FPGA extensionsは、オープンFPGAの極めて高い柔軟性と、標準の計測器ドライバの互換性をともに実現するものです。両方のメリットが簡単に利用できます。}

FPGAソースコードの抽象層は、計測器ドライバAPIで必要となるデフォルトFPGA機能を実装すると同時に、自動テストアプリケーションの品質向上に求められる制御/データ信号を接続します。図3に示すように、テストエンジニアはアプリケーションに特化したFPGA IPをベースのソフトウェア設計型計測器のFPGA設計に追加し、このIPを計測器ドライバAPIの呼び出しと並列でホストプログラムから個別に制御できます。

^{図2: ベースのソフトウェア設計型計測器のFPGA設計に追加されたアプリケーション専用FPGA IPは、計測器ドライバAPIの呼び出しと並列でホストプログラムから個別に制御することができます。}

このアーキテクチャでは、ソフトウェア設計型計測器FPGAの並列性や低遅延時間、処理能力といったメリットを活用して、アプリケーションに特化した様々な改善が可能となります。例えば、周波数マスクトリガなど計測器のカスタム機能や新機能、ハードウェアタイミングによるテスト対象デバイス（DUT）の制御と他の計測器の確定的トリガによる優れたシステム統合性、FPGAベースの計測とコプロセッシングによるテストスループットの向上、計測ハードウェアがDUTにリアルタイムで応答する閉ループまたはプロトコル認識テストなどがあります。

シンプルなカスタムトリガの使用事例

例えば、データを集録する前に、DUTからのデジタル信号を待機するカスタムトリガを実装するとします。図4は、ハードウェアドライバの拡張機能FPGA extensionsとLabVIEW FPGAによって、FPGAの複雑な修正作業が劇的に簡素化されることを示しています。

^{図3: LabVIEW FPGAでNIベクトル信号トランシーバのNI-RFSA入力ループに変更を加えてDUTからのカスタムトリガを実装するサンプル。}

図4で、DUTからのデジタル信号はLabVIEW FPGA I/Oノードを介して簡単にアクセスでき、FPGAベースのNI-RFSA Trigger VIによって使用可能となるデフォルトのリファレンストリガと結合されています。変更がこのように簡単なので、FPGA extensionsを使用すれば、ファームウェアやドライバのアーキテクチャを完全に理解していないくても、FPGAに変更を加えることができます。

コンパイル済みのナショナルインスツルメンツFPGA機能

こちらのページで、ハードウェアドライバの拡張機能FPGA extensionsを使用するコンパイル済みのFPGA機能を今すぐダウンロードできます。一般的なアプリケーションでFPGAの機能改善点を活用するのに必要なホストサンプルやアプリケーションIPが含まれています。

また、こちらではInstrument Driver FPGA extensions Early Access Programへの参加登録も可能です。このプログラムに参加いただくと、NI計測器ドライバと互換性のあるカスタムのソフトウェア設計型計測器機能をご自身で作成することができます。NI WebサイトでアプリケーションIPを選ぶか独自に構築して、お客様の自動テストアプリケーションにぴったりのソフトウェア設計型カスタム計測器を作成することができます。

次のステップ

• ソフトウェア定義型計測器のプログラミングに関する詳細
• LabVIEW FPGAの詳細
• NI-RFSA/NI-RFSG Instrument Driver FPGA Extension for Streamingのダウンロード