実験​データ​の​解析/​管理​に​NI​製品​を​採用​した​トヨタ​自動車、​工数​の​削減​と​データ​の​再​活用​を​実現

Keimei Fujita, TOYOTA MOTOR CORPORATION

"DIAdem​と​DataFinder Server Edition​を​利用​する​こと​で、​実験データの解析時間の短縮を図った。​その​結果、​ある​部署​の​例​では、​解析​に​かかる​工数​を​対策​前​に​比べ​て​約​50%​削減​する​こと​が​でき​た。​また、​実験​データ​を​再​活用​できる​よう​に​な​っ​た​ため、​無駄​な​実験​を​排除​した​り、​モデルベース開発に使用するモデルの精度を向上したりすることが可能になった。"

- Keimei Fujita, TOYOTA MOTOR CORPORATION

課題:

各国/​地域​の​顧客​の​多種​多様​な​ニーズ​に​対応​する​ため​に​は、​製品/​ユニット​の​バリエーション​を​多数​用意​する​必要​が​ある。​そのため、​開発​の​過程​では​膨大​な​数​の​実験​を​行​わな​け​れ​ば​なら​ない。​結果​として、​得​ら​れ​た​データ​の​解析​作業​に​多大​な​時間​を​費​や​さ​な​け​れ​ば​なら​ない​こと​が​重大​な​問題​に​な​って​い​た。​また、​既存​の​実験​データ​を​ほか​の​実験​や​モデル​開発​など​に​再​活用​する​に​も​正確​な​情報​収集​に​多く​の​時間​を​費​や​し​てい​た。

ソリューション:

DIAdem​を​標準​ツール​として​導入​する​こと​により、​各​部署​が​共通​に​使用​できる​解析​環境​を​構築​し、​必要​な​機能​を​迅速​に​カスタム​で​開発​できる​よう​に​する。​また、​DataFinder Server Edition​を​導入​する​こと​で、​部署​を​また​が​って​だれ​も​が​データ​を​検索​可能​な​データ​管理​システム​を​構築​する。

作成​者:

Keimei Fujita - TOYOTA MOTOR CORPORATION
​Shinji Hattori - TOYOTA MOTOR CORPORATION

 

1. 背景

2016​年、​トヨタ​自動車​は​開発​から​製造​まで​が​一体​と​な​って​「もっと​いい​クルマ​づくり」​を​実践​する​こと​を​目的​と​し、​新た​な​体制​へ​の​移行​を​果​た​した。​その​大きな​特徴​は、​製品​を​軸​と​した​カンパニー​制​を​採用​し​て​いる​点​に​ある。​この​新​体制​は​7​つ​の​カンパニー​で​スタート​した。​そのうち​の​1​つ​が​パワー​トレーン​カンパニー​で​ある。​同​カンパニー​では、​その​名​の​とおり​パワー​トレーン​を​担当​する。​パワー​トレーン​は、​車​が​走行​する​ため​の​動力​(パワー)​を​作り​出し、​タイヤ​まで​の​パワー​の​流れ​を​管理​する​役割​を​果たす。​動力​を​生成​する​エンジン/​モーター、​動力​の​切り替え​を​行う​トランス​ミッション、​動力​の​配分​を​担う​デ​ィ​ファ​レン​シ​ャ​ル​が​主​な​構成​要素​で​ある。

 

 

 

カンパニー​制​に​移行​した​趣旨​に​の​っと​り、​パワー​トレーン​カンパニー​に​は、​開発​部門、​生産​技術​部門、​製造​部門​が​設け​ら​れ​て​いる。​つまり、​企画​から​生産​まで​を​一貫​し​て​行う​わけ​だが、​その​過程​では​何​種類​もの​実験​を​行う​必要​が​ある。​パワー​トレーン​カンパニー​の​場合、​大​きく​分け​て​「機能​性​評価」、​「適合」、​「信頼​性​評価」​の​3​つ​を​目的​と​した​実験​を​実施​し​て​いる。​エンジン​を​例​に​とる​と、​機能​性​評価​では、​各​エンジン​について​さまざま​な​物理​量​の​計測​を​行い、​改良​の​必要​が​ある​か​否​か​を​判定​する。​適合​では、​各​エンジン​に​要求​さ​れる​性能​を​引き出す​べ​く、​制御​方法​の​詳細​について​最適​な​解​を​導き出す​ため​の​実験​を​実施​する。​信頼​性​評価​では、​設計​や​適合​の​良否​を​確認​する​ため​の​実験​を​行う。

 

必要​な​実験​の​種類​や​数​を​決める​要因​の​1​つ​に、​世界中​の​国/​地域​における​規制​の​状況​が​ある。​例えば、​燃費​に関する​規制​が​ある​国​は、​2010​年​の​時点​では​4​ヶ国しか存在しなかった。​それ​が​2015​年​に​は​13​ヶ国​に​増え、​2020​年​に​は​23​ヶ国​まで​増加​する​見込み​だ。​このように、​規制​を​設ける​国​は​年々​増加​し​て​おり、​規制​値​も​厳​しく​なる​傾向​に​ある。​こうした​状況​に​対応​する​ため​に、​製品​側​では​より​複雑​化/​高度化​が​進む​ことに​なる。​エンジンを例にとれば、​ハードウェア​の​部品​数​が​増加​する​とともに、​より​高度​な​制御​も​必要​に​なる。​その​結果、​現在​では​1​つ​の​エンジン​を​開発​する​ため​に​1500​以上もの実験を行わなければならなくなった。​トヨタ​の​場合、​28​の​国/​地域​に​53​の​製造​事業​体​を​展開​し​て​おり、​2015​年​に​は​海外​で​国内​の​5​倍​以上​に​も​上る​販売​台数​を​達成​した。​この​よう​な​グローバル​な​事業​展開​を​図る​ため​に​は、​各国/​地域​の​それぞれに​異なる​ニーズ​に​対応​し​てい​かな​け​れ​ば​なら​ない。​エンジンを例にとれば、​基本​形式、​排気​量、​性能、​駆動​方式​といった​項目​に対する​異なる​ニーズ​に​応える​ため​に​何​種類​もの​バリエーション​を​用意​する​必要​が​ある。​結果​として、​トータル​の​実験​数​は、​1​つ​の​エンジン​に​必要​な​実験​の​数​と​バリエーション​の​数​の​掛け算​で​増え​てい​く​状況​に​ある。

 

2. 課題

上述​した​よう​に​必要​な​実験​の​数​が​膨大​に​な​っ​た​こと​から、​1​つ​の​課題​が​より​重大​な​もの​として​浮上​した。​それ​は、​実験​によって​得​ら​れ​た​データ​(以下、​実験​データ)​の​解析​時間​が​増加​し、​業務​時間​に​占める​割合​が​非常​に​高​く​な​って​し​まっ​た​という​こと​で​ある。​ここ​で​言う​解析​時間​と​は、​必要​な​実験​データ​を​入手​し、​それらの​整理/​解析​を​行い、​考察​を​加​えて​報告書​を​作成​する​まで​の​一連​の​作業​に​かかる​時間​の​こと​を​指す。​解析​時間​が​増加​する​という​こと​は、​新しい​ことに​チャレンジ​する​ため​の​時間​が​減少​する​という​こと​を​意味​する。​そのため、​解析​作業​の​効率​化​を​図​り、​それにかかる時間を削減することが非常に重要になった。​この​課題​の​解決​に​着手​した​の​が、​ユニット​開発​基盤​デジタル​改革​部 プロセス​開発​室​で​ある。

 

従来​の​解析​作業​は、​次​の​よう​な​手順​で​行​われ​てい​た。​まず、​各​試験​室​で​得​ら​れ​た​実験​データ​は​いったん​ファイル​サーバ​に​送​ら​れ​て​保存​さ​れる。​続​い​て、​各​解析​担当​者​が、​ファイル​サーバ​から​必要​な​データ​を​自身​の​PC​に​ダウンロード​する。​そのうえで、​PC​上​で​データ​の​整理​や​グラフ​化​など​の​作業​を​行​って​い​た。​このように​実験​データ​の​管理​は​個人​レベル​で​行​われ​て​おり、​それぞれに​異なる​ツール​を​使​って​解析​が​実施​さ​れ​てい​た。

 

もちろん、​従来​から​解析​時間​の​削減​に​向け​て​何​も​取り組み​が​行​われ​てこ​なか​っ​た​という​わけ​では​ない。​例えば、​1​つ​の​部署​が​データ​の​整理​や​グラフ​化​の​ため​の​ツール​を​自ら​準備​し、​効率化を実現しているという例は少なくなかった。​問題​な​の​は、​その​手法​の​横​展開​(水平​展開)​が​進​ま​ない​こと​で​ある。​つまり、​同様​の​解析​を​行う​必要​の​ある​ほか​の​部署​では、​データ​の​整理​や​グラフ​化​など​を​すべて​手作業​で​行​って​おり、​多大​な​工数​を​費​や​し​て​いる​という​状況​が​存在​する​こと​が​問題​な​の​だ。​また、​各部署が効率の向上に向けて似たような取り組みを個々に行っていたのでは大きな無駄が生じてしまうということも問題だった。​なお、​横​展開​が​進​ま​ない​最大​の​要因​として​は、​Microsoft​社​の​「Excel」​や、​The MathWorks​社​の​「MATLAB」、​あるいは​内​製​の​ツール​など、​以前​から​使用​してき​た​ツール​が​部署​ごと​に​異​なり、​ほか​の​ツール​へ​の​移行​が​敬遠​さ​れる​という​こと​が​挙​げ​られる。

 

実験​データ​について​は、​もう​1​つ​課題​が​ある。​それ​は、​実験​データ​が、​再​活用​できる​状態​で​管理​さ​れ​てい​ない​という​もの​で​ある。

 

何らかの​実験​を​行う​際、​過去​に​行​われ​た​実験​データ​を​再​活用​した​い​こと​が​ある。​例えば、​機能​性​評価​を​行う​際、​適合​の​実験​で​得​ら​れ​た​温度​や​圧力​など​の​データ​を​参照​した​い​ケース​は​少​なく​ない。​また、​信頼​性​評価​を​行う​際​に​は、​どの​よう​な​条件​で​実験​を​行​え​ば​よい​の​か​を​検討​する​ため​に​適合​の​実験​データ​を​活用​した​い​こと​が​ある。​あるいは、​次期​の​開発​に​向け​て、​モデル​ベース​開発​で​使用​する​モデル​の​同定​や​精度​の​確認​の​ため​に​適合​の​実験​データ​を​利用​した​い​場合​も​ある。​そうした​再​活用​に​対応​する​ため​に​は、​検索​が​可能​な​状態​で​実験​データ​を​保存​し​て​お​かな​け​れ​ば​なら​ない。

 

実験​データ​の​再​活用​を​可能​に​する​ため​に​は、​満たす​べ​き​もう​1​つ​の​要件​が​ある。​それ​は、​各​データ​と​セット​で​諸​元​情報​が​用意​さ​れ​てい​な​け​れ​ば​なら​ない​という​もの​だ。​つまり、​いつ、​だれ​が、​どのような目的で実験を行ったのかといった情報が伴っていなければ、​その​実験​データ​を​再​活用​する​こと​は​でき​ない。​筒内圧を例にとれば、​その​実験​データ​に​は、​機種、​排気​量、​気筒​数、​燃料​といった​詳細​な​諸​元​情報​が​セット​で​保存​さ​れ​てい​な​け​れ​ば​なら​ない​という​こと​で​ある。

 

従来、​実験​データ​は​個人​で​管理​し​てい​た。​他​部署​の​人​が​それ​を​再​活用​した​いと​考え​た​場合、​問い合わせ​など​を​行​って、​人づて​に​データ​を​探し出す​必要​が​あっ​た。​その​結果、​目的​と​する​データ​が​見​つ​か​っ​た​として​も、​諸​元​情報​が​不明確​で​あれ​ば​追加​で​問い合わせ​を​行​わな​け​れ​ば​なら​ない。​目的とするデータが見つからなければ、​最悪​の​場合、​再実験を行わなければならなかった。​このように、​無駄​な​時間​が​生​じ​たり、​データを探し出すのが難しかったり、​データ​の​諸​元​情報​が​不明​で​あっ​たり​といった​理由​から、​データの再活用は非常に困難なケースが散見された。

 

3. ソリューション/​効果

上述​した​課題​を​解決​する​ため​に​導入​した​の​が、​「NI DIAdem」​と​「NI DataFinder Server Edition(以下、​DataFinder SE)」​で​ある。​DIAdem​は、​実験​や​シミュレーション​など​によって​得​ら​れ​た​データ​の​検索、​解析、​レポート​表示​に​特​化​し​て​設計​さ​れ​た​ソフトウェア​ツール​だ。​一方​の​DataFinder SE​は​サーバ​サイド​向け​の​データ​管理​システム​で​あり、​DIAdem(DIAdem DataFinder)​を​使用​し​て​いる​複数​の​クライアント​から​サーバ​上の​データ​を​検索​する​こと​を​可能​に​する。

 

 

 



​図​1​に​示し​た​の​が​両​製品​を​使用​し​て​構築​した​システム​で​ある。​この​システム​は、​適合​の​実験​環境​向け​に​構築​した​もの​で​ある。​解析​の​効率​を​高める​ため​の​ポイント​の​1​つ​は、​だれ​も​が​同じ​環境​で​作業​が​行える​よう、​標準の解析ツールを導入することだった。​そのため​に​選択​した​の​が​DIAdem​で​ある。

 

また、​データ​の​管理​について​は​2​つ​の​対策​が​必要​に​なる。​諸​元​情報​を​付加​する​こと​と、​だれ​も​が​データ​を​検索​できる​よう​に​する​こと​で​ある。​ファイル​サーバ​に​データ​を​保存​する​の​は​従来​と​同じ​だが、​新た​な​システム​では、​試験​が​終了​した​タイミング​で​フォルダ​を​自動​生成​し、​そこ​に​実験​データ​を​自動的​に​格納​する​よう​に​した。​加​えて、​ファイル​サーバ​上​で​各​データ​に​諸​元​情報​を​自動的​に​付加​する​仕組み​も​構築​した。​そのうえで、​DataFinder SE​によって​諸​元​情報​の​データ​に対する​インデックス​を​生成​し、​DIAdem​を​インストール​した​クライアント​(DIAdem​クライアント)​から​検索​できる​よう​に​した。​必要​な​データ​を​検索​し​て​入手​した​解析​担当​者​は、​DIAdem​を​使用​し​て​即座​に​解析​を​実施​する​こと​が​できる。

 

NI​の​製品​を​選択​した​きっかけ​として、​ASAM ODS (Association for Standardization of Automation and Measuring Systems Open Data Service)​に​対応​し​て​いる​こと​が​ある。​これ​は​将来​の​拡張​性​を​考慮​し​て​の​こと​だ。

 

実験​の​種類​や​数​が​増える​につれ、​解析​に対する​ニーズ​も​拡大​する。​そのため、​解析ツールとしてはカスタマイズ性の高いものが必要だった。​その​面​で、​DIAdem​は​非常​に​適​し​てい​た。​DIAdem​と​同等​の​自由​度​を​ほか​の​製品​で​得る​の​は​難しい​の​では​ない​か。​一方、​DataFinder SE​について​は、​既存​の​ファイル​サーバ​を​そのまま​使用​し​て​データ​を​管理​できる​ので、​導入に際してのハードルが非常に低かった。​ファイル​サーバ​単体​で​実験​データ​を​管理​する​という​考え方​は、​DataFinder SE​ならでは​の​大きな​魅力​だ​と​言​え​よう。

 

■​普及​を​推進​する​ため​の​取り組み


​上述​した​よう​に、​NI​の​製品​を​活用​する​こと​で、​従来​の​課題​を​解消​する​ため​の​仕組み​を​構築​する​こと​が​でき​た。​しかし、​それだけ​では​十分​では​ない。​トヨタ​では、​これまで​も​システム​導入​部門​が​何らかの​システム​を​用意​し、​開発​部門​に​提供​する​という​こと​を​行​って​きた。​しかし、​そうした​新た​な​システム​が​開発​現場​では​なかなか​使​われる​よう​に​なら​ない​という​実状​が​あっ​た。​現場​として​は​従来​の​やり方​を​変​え​たく​ないし、​多忙​な​なか、​新しい​ツール​について​学ぶ​の​は​負担​が​大きい​といった​理由​で​普及​が​進​ま​なか​っ​た​ので​ある。

 

そこで、​新た​な​システム​の​普及​を​推進​する​ため​の​いくつか​の​取り組み​を​行う​ことに​した。​1​つ​目​の​取り組み​は、​開発​現場​の​ニーズ​を​把握​する​ため​の​「入り​込み​活動」​で​ある。​これ​は、​開発​部門​の​特定​の​グループ​に​密着​する​こと​で、​現状​の​把握、​課題​の​発見、​対策​の​適用​という​サイクル​を​実践​し​てい​く​という​もの​だ。

 

 

 

そのように​し​て​把握​した​ニーズ​を​反映​し、​解析ツールの開発を行った。​目的​と​する​データ​を​即座​に​検索​し、​それら​を​素​早く​整理​し​て、​定型​フォーマット​で​出力​する​といった​機能​を​実現​する​という​こと​で​ある。​ただし、​特定の解析業務に専用の機能を用意するという方法は採用しなかった。​この​方法​では、​解析​の​種類​が​多​すぎ​て​対応​が​難しい​からだ。​その​代わり​に​選択​した​の​が​「機能​の​部品​化」​という​手法​で​ある。​これ​は、​部品​化​さ​れ​た​数多く​の​機能​を​あらかじめ​用意​し​て​おき、​それら​を​組み合わせる​こと​によって​必要​な​解析​機能​を​実現​できる​よう​に​する​という​もの​だ。​この​方法​で​あれ​ば、​各​解析​担当​者​が​実施​した​い​解析​機能​を​すぐ​に​構築​できる。​実際​に​は、​複数​の​領域​を​また​い​で​活用​可能​な​共通​機能、​特定​の​領域​(エンジン​用​など)​だけ​で​利用​可能​な​特定​機能、​特定​の​業務​だけ​で​利用​可能​な​個別​機能​という​階層​化​さ​れ​た​機能​群​を​用意​した。​DIAdem​上​に​構築​した​トヨタ​独自​の​メニュー​に​各​機能​を​用意​し、​それら​を​自由​に​組み合わせ​られる​かたち​で​提供​した。

 

さらに、​普及​に​向け​た​取り組み​として​社内​教育​も​実施​した。​月​に​1​回、​集合​教育​を​開催​し、​DIAdem​の​基本​的​な​使用​方法​や​実務​に​沿​っ​た​活用​方法​を​教え​たり、​事例​紹介​を​行​っ​たり​する​こと​で、​新​システム​の​現場​へ​の​普及​を​推進​した。

 

 

 

 

 

 

■​得​ら​れ​た​効果

上述​した​取り組み​により、​課題​で​あっ​た​解析​時間​の​短縮​を​実現​する​こと​が​でき​た。​ある​部署​を​例​に​とる​と、​解析​に​かかる​工数​を​対策​前​に​比べ​て​約​50%​削減​でき​た​という​結果​が​得​ら​れ​て​いる。​また、​実験​データ​の​再​活用​が​可能​に​な​っ​た​こと​で、​無駄​な​実験​を​排除​した​り、​モデルベース開発の精度を向上したりすることができるようにもなった。​さらに、​短時間​で​さまざま​な​視点​で​解析​が​行える​よう​に​な​っ​た​こと​から、​解析​結果​を​見​ながら​打ち合わせ​を​実施​する​機会​が​増え​て​議論​が​活発​化​する​といった​メリット​も​得​ら​れ​て​いる。

 

4. 今後​の​展開

先述​した​よう​に、​トヨタ​では、​さまざま​な​実験​を​行​って​いる。​そのため、​現時点​では​それら​すべて​について​対策​を​実施​でき​た​わけ​では​ない。​そこで、​今後​は​新た​な​システム​の​適用​範囲​の​拡大​を​進​め​てい​きた​いと​考え​て​いる。​例えば、​機能​評価​試験​では、​データ​収集​用​の​ハードウェア​プラットフォーム​「NI CompactDAQ」​と​グラフィカル​システム​開発​プラットフォーム​「NI LabVIEW」​も​導入​する​こと​を​計画​し​て​いる。​それ​により、​試験場​では​CompactDAQ​を​使用​し​て​各種​計測​と​データ​の​収集​を​行い、​LabVIEW​で​開発​した​プログラム​によって​定型​的​な​データ​整理​(解析)​や​諸​元​情報​の​付加​など​を​自動的​に​行う。​そのうえで、​処理​済み​の​データ​を​ファイル​サーバ​に​格納​し、​DataFinder SE​と​DIAdem​を​組み合わせ​て、​適合​の​例​と​同様​の​機能​を​実現​する​という​こと​で​ある。

 

NI​は​オープン​な​プラットフォーム​製品​を​数多く​提供​し​て​いる。​この​点​は​大きな​魅力​だ​と​言える。​他社​の​製品/​技術​と​の​接続​性​が​高い​NI​製品​を​利用​する​こと​で、​より​広い​領域​を​網羅​する​かたち​で​ソリューション​を​実現​できる​可能性​が​ある​の​では​ない​か​と​考え​て​いる。

 

著者​情報:

Keimei Fujita
TOYOTA MOTOR CORPORATION
​Japan

図​1. ​DIAdem​と​DataFinder SE​を​適用​した​システム
Figure 2. ​DIAdem provides the tools to quickly search, analyze, and report on measurement data.
Figure 3. ​DataFinder Server allows you to index measurement data across the network to quickly search and access data from multiple clients at once.
Figure 4. ​Having an efficient data management system is crucial as the complexity and requirements of test systems continue to grow