NI myRIO​を​用​い​た​除草​ロボット​の​遠隔​操作

- 昆 憲​英 氏, 鶴岡​工業​高等​専門​学校 機械​電子​システム​工学​専攻

"myRIO​に​は​Wi-​FI​機能​が​備​わ​って​いる​ため、​長距離​通信​が​可能​で、​通信システムを一から開発する必要がなかった。​その​手間​が​省​けた​こと​は、​今回のシステム開発を成功させる上で大きな要因となった。"

- 昆 憲​英 氏, 鶴岡​工業​高等​専門​学校 機械​電子​システム​工学​専攻

The Challenge:

水田​の​除草​作業​に​ロボット​を​導入​し、​人​が​直接​水田​へ​入​ら​なく​て​も​除草​作業​が​行える​こと​を​目標​として​いる。​そこで​除草​ロボット​の​操作​を​遠隔​で​行なう​ため​の​通信​システム、​コントローラ​を​作成​する​必要​が​ある。

The Solution:

NI myRIO​ハードウェア​を​使用​した​ロボット​操作​用​コントローラ​を​構築​し、​iPad​を​用​い​て​Wi-​Fi​経由​で​ロボット​の​遠隔​操作​を​行う。

概要

労力​も​時間​も​かかる​水田​の​除草​作業​に​ロボット​を​導入​し、​人​が​直接​水田​に​入​ら​なく​て​も​除草​作業​が​おこなえる​よう​に​しよう​と、​鶴岡​高専​の​学生​が、​NI myRIO​ハードウェア​を​使用​した​ロボット​操作​用​コントローラ​を​構築​し、​WiFi​経由​で​iPad​を​使​って​ロボット​を​遠隔​操作​できる​システム​を​構築​した。

 

背景

National Instruments(以下​NI​社)​社​は​計測​器、​制御​器​を​扱う​メーカー​で​あり、​自動車​や​通信​産業​等​の​多く​の​企業​で​NI​社​の​製品​が​導入​さ​れ​て​いる。​また​LabVIEW​という​システム​開発​ソフトウェア​と​併用​する​こと​で、​システム​開発​を​迅速​に、​かつ​高​効率​な​生産​を​実現​できる。​そこで​NI​の​製品​の​一つ​で​ある​NI myRIO​を​用​い​て、​水田​における​除草​を​ロボット​で​行う​ことに​した。

現在​水田​における​除草​は​人​が​直接​草刈り​を​した​り、​除草​機械​を​用​い​たり​し​て​行​って​おり、​いずれ​の​方法​を​採る​にし​て​も​人​が​水田​に​入​ら​な​け​れ​ばい​け​ない。​しかし、​水田​は​土​の​粘​度​が​緩​く​足​を​動かす​こと​が​困難​な​ため​体​を​動かす​こと​が​難​しく、​非常​に​労力・​時間​がかる。​そこで、​労力​を​かけ​ず​に​除草​の​時間​短縮​を​実現​する​ため、​遠隔​操作​で​除草​を​行​なえる​ロボット​を​開発​する​ことに​した。

 

 

システム​構成

ロボット​を​前後・​左右​に​移動​させる​ため​の​制御​システム​の​構成​で​ある​が、​ロボット​の​駆動、​制御​および​通信​に​は​NI myRIO​ハードウェア​を​使用​した。​コントローラ​(操作​パネル)​開発​に​は​iPad​用​アプリケーション​の​Dashboard、​ソフトウェア​開発​に​は​LabVIEW​を​使用​した。

 

Dashboard​上​で​前後、​左右​動作​を​行う​ため​の​ボタン、​および​速度​制御​を​行う​ため​の​スライド​を​作成​し、​各​ボタン​の​動作​に​応​じ​た​動作​を​ロボット​が​する​仕組み​と​な​って​いる。​また、​USB​カメラ​を​用​い​て​ロボット​から​の​水田​の​様子​を​伺う​こと​も​可能​に​した。​進行​方向​に​向け​て​設置​する​こと​で、​ロボット​の​進行​方向​の​確認、​また​稲​の​様子​や​水​の​状態​など、​水田​の​様々​な​状況​を​観測​する​こと​も​可能​で​ある。​今回​の​遠隔​操作​用​コントローラ​を​作成​する​前​は、​スライド​スイッチ​や​トグルスイッチ​による​自作​の​コントローラ​を​使用​し​てい​た。​しかし、​自作​の​コントローラ​は​直接​ロボット​に​接続​しな​け​れ​ばい​け​なか​っ​た​ため、​遠隔操作は行えなかった。

 

 

 

今回​の​目的​とも​言える​遠隔​操作​を​実現​する​に​は​通信​システム​が​必要​で、​さらに​それ​を​動作​させる​ため​に​新た​に​制御​システム​を​設計・​開発​しな​け​れ​ば​なら​ない。​これらの​開発​に​は​様々​な​専門​知識​が​必要​で​あり、​開発​時間​や​コスト​が​か​かって​しまう。​そこで、​ロボット​の​駆動・​制御・​通信​モジュール​として​NI​社​の​デバイス​で​ある​myRIO​を​採用​した。​利点​として、​Wi-​Fi​機能​を​備え​て​いる​こと、​myRIO​自体​に​様々​な​機能​が​つい​て​いる​ため​機能​の​拡張​性​が​ある​こと、​また、​ソフトウェア​の​設計​が​非常​に​簡単​で​ある​こと​が​挙​げ​られる。​システム​の​開発​に​は​LabVIEW​を​使用​した。​これ​は​NI​社​の​製品​の​制御​システム​の​開発​を​行う​ため​の​システム​開発​ソフトウェア​で​あり、​グラフィカル​な​プログラミング​環境​なので​操作​が​簡単​で​視覚​的​に​動作​が​分​か​り​やすい​こと、​動作​を​実現​させる​ため​の​ライブラリ​が​非常​に​豊富​で、​簡単​に​アプリケーション​開発​が​行える​こと​が​利点​で​ある。​前述​の​とおり​myRIO​に​は​Wi-​FI​機能​が​備​わ​って​いる​ため​(これが特に有用だった)、​長距離​通信​が​可能​で、​通信​システム​を​一​から​開発​する​必要​が​なくなる。​通信​システム​の​開発​の​手間​が​省​けた​こと​は、​今回​の​システム​開発​を​成功​させる​上​で​大きな​要因​と​な​っ​た​と​思う。

 

まとめ

NI​社​の​製品​は、​ハードウェア​と​ソフトウェア​の​統合​が​容易​に​行える​ため、​コントローラ​および​操作​用​の​アプリケーション​が​簡単​に​作成​でき、​開発​に​かかる​時間​も​短縮​でき​た。

全体​として、​無線​による​遠隔​操作​を​行う​システム​の​開発​を​非常​に​簡単​に​実現​する​こと​が​でき、​ロボット​を​遠隔​操作​する​こと​が​でき​た。

 

 

Author Information:

昆 憲​英 氏
​鶴岡​工業​高等​専門​学校 機械​電子​システム​工学​専攻
​Japan

図​1. ​ ​システム​構成​図 ​
図​2. ​ ​myRIO​で​作成​した​コントローラ ​
図​3. ​ ​iPad​による​操作​用​アプリケーション ​
図​4. ​ ​USB​カメラ​から​の​動​画像 ​