Real-Timeターゲットでリモートフロントパネルを構成する



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問題:
Real-Timeターゲットでリモートフロントパネルを監視したいと思います。ウェブブラウザを用いてターゲット上で実行されるアプリケーションのフロントパネルを見るには、どうすればよいですか?


解決策:
この方法は、LabVIEW 8.x以降の環境が必要です。以下のステップに沿って進めることでReal-Time (RT)システムにおいて、リモートフロントパネルを利用したReal-Timeアプリケーションを構築することができます。

LabVIEW 2011以降でホストされたリモートフロントパネルは、ライセンスが必要ありません。デフォルトで, Real-Timeリアルタイムターゲットに対して無制限に接続できます。 LabVIEW 2010以前のバージョンでは、技術サポートデータベース 5RRFPN10: Remote Panel Licenses for LabVIEW Real-Time Targetsを参照して、Real-Timeターゲットに対してマルチカウントリモートフロントパネルライセンスの購入、アクティブ化、移行プロセスを確認してください。Windows、Mac、もしくはLinux OSで実行している場合、NI License Managerを通してリモートフロントパネルをアクティブ化することができますが、Real-Timeターゲットシステムでは動作させるために特別なライセンスのアクティブ化が必要です。Real-Timeモジュールには、デフォルトでリモートフロントパネルライセンスが1つ付属しており、Real-Timeモジュールのインストール時にReal-Timeターゲットへインストールされています。

Real-Timeオペレーティングシステム用リモートフロントパネルライセンスをターゲットに移行して一度アクティブ化するか、Real-Timeモジュールに付属するもので構わないなら、以下のステップを進めます。

  1. LabVIEW RT 8.6以降では、リモートフロントパネルをホストするためにLabVIEW RTからRTターゲットへWebサーバを確実にインストールする必要があります。LabVIEW RT 2014では、このコンポーネントはLabVIEW RT用リモートパネルサーバと呼ばれています。この使用方法については、Measurement & Automation Explorer(MAX)のリモートシステムヘルプを参照してください。

  2. プロジェクトを開いて、プロジェクトにReal-Timeターゲットを追加します。
    1. プロジェクトエクスプローラで、.lvprojファイルを右クリックして新規 » ターゲットとデバイス...を選択します。



      図1. RTターゲットを追加する

    2. 「ターゲットとデバイスを追加」ウィンドウからRTターゲットを選択するか、作成します。

  3. RTターゲットでウェブサーバを有効にします。
    1. プロジェクトでターゲットを右クリックして、プロパティを選択します。
    2. 左側の欄でウェブサーバカテゴリを選択します。
    3. ウェブアプリケーションサーバを構成を選択すると、構成画面が立ち上がります。システムウェブサーバ、アプリケーションウェブサーバの有効チェックボックスにチェックがあることを確認します。また、表示可能なVIおよびブラウザアクセスが正しい権限設定であることを確認します(*はすべてのVIもしくはIPアドレスにアクセスできることを示します)。



      図2. ウェブサーバを有効にする




      図3. フロントパネルサーバを有効にする

    4. OKをクリックします。
    5. プロジェクトでターゲットを右クリックして、デプロイを選択します。これはターゲットに設定をデプロイします。
    6. ターゲットを再起動し、設定を適用します。
      メモ:LabVIEW 2010以降では、デフォルトのポートは8000番です。LabVIEW 2010以前では、デフォルトのポートは80番です。

  4. リモートフロントパネル用のHTMLファイルを生成します。
    1. もしVIを開いていない場合は、開きます。
    2. ツール »ウェブパブリッシュツール...よりウェブパブリッシュツールを開きます。
    3. VI名ドロップダウンボックスで対象のVIを選択します。スナップショットモニタ表示モードがグレー表示になるはずです。これは、これらの表示モードがReal-Timeターゲットでサポートされていないためです。



      図4. 対象のVIを選択する

    4. ウェブパブリッシュツールウィザードを進めて、所要の設定変更をおこないます。最後の画面で、HTMLファイルのファイル名を意味合いがあり、短い名前に変更することをお勧めします。
    5. ディスクに保存をクリックします。これで保存するローカルディレクトリにHTMLファイルを保存して、プロジェクト内のターゲットの下に追加します。

  5. Real-Timeアプリケーションをビルドします。
    1. ターゲットの下にあるビルド仕様を右クリックして、新規 » リアルタイムアプリケーションを選択します。
    2. 左側の欄でソースファイルカテゴリを選択します。
    3. 対象のVIを選択してスタートアップVI欄の隣にある右矢印ボタンをクリックします。
    4. 対象のHTMLファイルを選択して常に含む欄の隣にある右矢印ボタンをクリックします。



      図5. ファイルを追加する

    5. 左側の欄で出力先カテゴリを選択します。
    6. 青色のプラスボタン(+)をクリックして新しい出力先を追加します。
    7. 出力先ラベルをwwwのような意味合いのある名前に変更します。
    8. 出力先パスをPharLapもしくはVxWorksターゲットではc:\ni-rt\system\wwwに変更します。Linux RTターゲットでは/var/local/natinst/labview/www変更します。これは、ターゲットのウェブサーバディレクトリに相当します。



      図6. ウェブサーバ出力先を追加する

    9. 左側の欄でソースファイル設定カテゴリを選択します。
    10. プロジェクトファイルリストからHTMLファイルを選択して、出力先ドロップダウンボックスで先ほど作成した出力先(例: www)に変更します。



      図7. ウェブサーバ出力先を選択する

    11. 他のビルド仕様を所要の設定に変更します。ビルドをクリックします。

  6. ビルドが終了したら、アプリケーションを右クリックしてスタートアップとして実行を選択します。これでスタートアップアプリケーションとして設定され、アプリケーションをターゲットにデプロイし、ターゲットの再起動のプロンプトが表示します。ターゲットを再起動するプロンプトが表示されたら、はいをクリックします。

    メモ: 再度アプリケーションを右クリックしてスタートアップとして実行を選択して、デプロイを選択し、ターゲットをマニュアルで再起動することで、個別にこれらのステップをおこなうことができます。



    図8. スタートアップとして実行する

  7. ターゲットが再起動したら、アプリケーションが実行し、フロントパネルにアクセスできるようになるはずです。これを確認するには、ウェブブラウザを開いてhttp://xxx.xxx.xxx.xxx:yyyy/<ファイル名>にアクセスします。ここで、xxx.xxx.xxx.xxxはターゲットのIPアドレス、yyyyはステップ3でウェブサーバをホストするために割り当てたポート番号、<ファイル名>はウェブパブリッシュツールから生成されたHTMLファイル名です。
    例1(LabVIEW 2010以前): 
    http://192.168.10.100:80/BoilerTest.html
    例2(LabVIEW 2011以降): 
    http://192.168.10.100:8000/BoilerTest.html

追加情報:

  • ビルド仕様の一部としてHTMLファイルを含めたくない場合は、マニュアルFTPでファイルをターゲットに渡すことができます。これは、ほとんどのFTPクライアントを使用しておこなうことができます。一般的な方法は、Windowsのエクスプローラウィンドウを使用する方法です。
    1. Windowsのスタートメニューを右クリックして、エクスプローラーを開くを選択します。
    2. PharLapもしくはVxWorksターゲットでは、ftp://xxx.xxx.xxx.xxx/ni-rt/system/wwwにアクセスします。Linux RTターゲットでは、ftp://xxx.xxx.xxx.xxx/var/local/natinst/labview/wwwにアクセスします。ここで、xxx.xxx.xxx.xxxはターゲットのIPアドレスを示します。
    3. このウィンドウにHTMLファイルをドラッグアンドドロップします。

  • リモートフロントパネルに接続する際にターゲットのライセンスより多くブラウザインスタンスを開いた場合、「リモートパネル接続はライセンスの最大数を超えました」というエラーが発生して、リモートフロントパネルがロックされます。リモートフロントパネルを再度利用するには、すべてのブラウザのインスタンスを閉じてターゲットを再起動します。実行フィあるがターゲットで実行していて、リモートフロントパネルを使用して再度接続できるかどうかを確認します。接続に必要なライセンス数にすることでこの問題を回避することができます。

  • リモートフロントパネル経由でVIの制御を要求する場合、ブラウザインスタンスを閉じる前にVIの制御をリリースしたかどうかを確認します。制御をリリースしていない場合は、接続されたままとなる可能性があります。この現象は、ライセンス数が1つ以下となる場合に、それが予約状態となるために発生します。この問題を解決するには、すべての接続をリリースするために必ず制御をリリースして、必要があればターゲットを再起動します。

  • LabVIEW Real-Time 7.1.x以前を使用している場合は、以下のステップをおこないます。
    1. ツール » リアルタイムターゲットオプションを開きます。
    2. カテゴリでウェブサーバ » 構成を選択します。
    3. ウェブサーバを有効にするチェックボックスにチェックを入れて、ウェブサーバを有効にします。
    4. ルートディレクトリテキストボックスでウェブサーバのルートディレクトリとして使用したいディレクトリを入力します。ウェブサーバルートディレクトリは、ウェブサーバファイルシステムでトップディレクトリです。
    5. カテゴリリストでウェブサーバ » 表示可能なVIをクリックします。 
    6. 表示可能なVIリストにターゲットへ追加したいVIのファイル名を入力して、追加ボタンをクリックします。
    7. OKボタンをクリックして、RTターゲットのプロパティダイアログボックスを閉じます。
    8. VIを再ダウンロードします。


関連リンク:
ホワイトペーパー: Remote Front Panels 
ホワイトペーパー: Developing Remote Front Panel LabVIEW Applications
技術サポートデータベース 2WFDA1EW: What Viewing Options in the Web Publishing Tool are Supported with Real-Time Targets?
技術サポートデータベース 2GBUHDO: How Do I Connect to a Remote Front Panel that is Hosted Behind a Remote Router?
技術サポートデータベース 3409ILOK: FTP Communication with the Compact Vision System (CVS 145x) and Smart Camera
技術サポートデータベース 3NIDOLTQ: Why Do I Get a Missing Plugin Error When Loading a Remote Front Panel? 
技術サポートデータベース 5RRFPN10: Remote Panel Licenses for LabVIEW Real-Time Targets

添付:

 






報告日時: 12/14/2001
最終更新日: 06/20/2016
ドキュメントID: 2GD9NCZ8