Ash Mistry、Lunar Energyテスト担当シニアディレクター
Lunar Energyでは、テスト開発をすべて社内で維持しながら、多数の製品バリエーションにわたる高度化する電力変換製品とエネルギー貯蔵製品を検証する必要がありました。コントローラおよびパワーエレクトロニクス向けテストツールの分断、重複するテスト開発作業、再利用性の低下により、生産規模の拡大に伴ってトレーサビリティの確保が困難になっていました。
Lunarは、コントローラとパワーエレクトロニクスのテストを統合するため、NI PXIおよびNI CompactDAQハードウェアに加え、NIのソフトウェアであるLabVIEW、TestStand、VeriStand、SystemLink™、OptimalPlusを使用した、NI製品ベースのテストアーキテクチャを標準化しました。モジュール化されたテストシーケンス、決定論的同期、および集中型データロギングにより、開発から生産まで拡張性とトレーサビリティを備えた検証を実現しました。
私が5年以上前にLunar Energyへ入社した当時、私たちはまだ会社の将来像を模索していました。当初から私たちの目標は明確でした。それは、将来の成長を妨げるのではなく支える形で、より優れた長寿命の電力変換システムとエネルギー貯蔵システムを構築することです。
その考え方はテストにも反映されていました。スタートアップ企業である私たちには、大規模なチームや分断された責任体制を許容する余裕はありませんでした。私たちのテスト部門は、開発、認証、信頼性評価、量産ラインの最終品質検査を支える事実上の検証パートナーとなりました。
私たちは早い段階で、すべてのテスト開発を社内で行うことを決定しました。テストに関する知的財産を自社で管理し、ベンダーロックインを回避するとともに、製品の進化に合わせてテストノウハウも発展させたかったからです。現在、当社のチームはコントローラ組込みファームウェア、無線通信インタフェース、AC/DC電力変換コンポーネントに対応する多数のテスタバリエーションをサポートしています。
この選択は、当社の製造方針とも密接に結び付いています。製造拠点を近隣に置き、エンジニアリングチームと密接に連携することで、設計、テスト、生産間のフィードバックサイクルを短縮しています。同じタイムゾーン、あるいは近いタイムゾーンで運営することで、迅速なサポート、リアルタイムでの問題解決、そして生産を遅らせたりチームに過度な負荷をかけたりすることなく技術変更を素早く実施できます。
テスト開発と製造連携の両方を自社で担うことで、「信頼しつつ検証する」という姿勢で運営できます。歩留まり、テスタの挙動、プロセスの健全性を直接把握できるため、そのデータに基づいて即座に対応できます。このような緊密な統合は、分断されたツール環境や外部委託のテスト開発では実現が困難です。
図1:近接製造により、リアルタイムでの問題解決、迅速な立ち上げ、一貫した製品品質を実現できます。
これを少人数のチームで実現するには、徹底した運用管理が必要です。製品バリエーションごとに新しいテストシステムや専用コードが必要であれば、対応し続けることはできません。
生産規模を拡大する前に、信頼性テストと加速寿命テストに重点的な投資を行いました。私たちは20~30台を並列でテストできる大規模なテスト装置を構築し、電気的ストレスや過酷条件を加えることで長期性能を検証し、信頼性の高い保証モデルを策定しました。
これらの初期プログラムが私たちの考え方の基盤となりました。再利用性と再現性は単なる付加価値ではなく、効率的な運用に不可欠であることを学びました。
従来の最終品質検査のテスト環境では、コントローラテストとパワーエレクトロニクスの検証が分離されていることが一般的です。インバータ、エネルギー貯蔵システム、コンバータなどへ製品ポートフォリオが拡大するにつれ、この手法ではテストロジックの重複、同期の課題、保守負荷の増大が発生することがすぐに分かりました。
さらに重要なのは、システムの分断によってトレーサビリティの維持が難しくなることです。テスト範囲が拡大すると、デバイス間、リビジョン間、さらには時系列で結果を関連付ける能力が極めて重要になります。
こうした課題を回避するため、私たちは分断されたツールではなく、役割を明確に定義したNI製品ベースのテストアーキテクチャを標準化しました。
図2:Lunar EnergyのNI製品ベースのシステムアーキテクチャは、自動テスト、他社製品との統合、資産およびデータの一元管理を可能にします。
NI PXI計測/計装モジュールは、決定論的な信号収集、通信、同期機能を提供し、高精度で再現性の高い電力および制御テストの基盤を形成します。そのインフラストラクチャの上で、LabVIEWは統合レイヤとして機能し、NI製および他社製の計測器を単一のテスト環境内で連携させることができます。
NI TestStandはシーケンス実行エンジンとして機能し、数十種類の製品バリエーションにわたるテストを一貫したフレームワークで実行できます。一方、NI VeriStandは、決定論的な動作が求められるリアルタイム制御やクローズドループテストをサポートします。NI SystemLinkソフトウェアは、テストデータ、構成情報、システムの可視性を一元管理することでアーキテクチャを完成させ、拡大を続けるテストステーション全体でのトレーサビリティと長期的な保守性を実現します。
このアーキテクチャにより、コントローラおよびパワーエレクトロニクスのテストに統一された環境を構築しながら、必要に応じてサードパーティ製計測器も統合できます。これにより、何をテストするかと、どのようにテストを実行するかを切り分けられます。モジュール化されたテストシーケンスを構築することで、製品バリエーションごとに書き直すことなく再利用できます。また、決定論的な同期機能により、システムの拡張や進化に伴っても、計測、制御動作、電力刺激を高い精度で同期させることができます。
生産量の拡大に伴い、その効果は明確になりました。チームの人数を比例して増やすことなく、より多くの製品、より多くのバリエーション、より広範なテストカバレッジに対応できるようになりました。アーキテクチャとツールが一貫しているため、エンジニアは開発時のデバッグから量産検証へとシームレスに移行できます。データが一貫した方法で一元的に記録されるため、トレーサビリティは後付けではなく、最初から組み込まれた機能になりました。
現在、当社のテストシステムにより、はるかに大規模な組織に期待されるレベルの規模と高度さで業務を遂行できています。ツールは目立たず背景に溶け込みます。それこそが私たちの理想です。ツールは作業そのものになるのではなく、作業の実行を可能にするものとなります。私たちは技術そのものを試すためではなく、お客様に信頼性の高いエネルギー製品を提供することに集中するために、実績ある最先端ツールを活用しています。
図3:NIを活用したテストステーションにより、Lunar Energyは製品バリエーション全体で再利用可能な高性能検証を行い、より迅速に規模を拡大できます。
Lunarの成長に伴い、製品や要件も変化し続けます。現在導入しているテストプラットフォームも私たちと共に進化し、将来の変化に対応するための安定した基盤を提供します。ゼロからやり直すことなく、新たな機能、新たなバリエーション、新たな検証要件を追加できます。
この柔軟性により、テストがイノベーションのボトルネックになることはありません。
図3:NIを活用したテストステーションにより、Lunar Energyは製品バリエーション全体で再利用可能な高性能検証を行い、より迅速に規模を拡大できます。