監視とは

概要

熱監視は各種センサで機械コンポーネント、プロセス、流体、環境の温度を測定します。主に監視されるコンポーネントには、ベアリング、モータ、エンジン、電子部品、パイプライン、HVACシステムがあります。通常、データは熱電対、測温抵抗体、サーミスタなどのセンサから制御器またはデータ収集 (DAQ) システムに送られ、熱問題の解析と特定に用いられます。

温度監視は状態監視および予知保全に重要な役割を果たします。熱動作を継続的に追跡することで、コンポーネントの修理やプロセス調整の時期を特定し、故障防止、性能最適化、予期せぬダウンタイムの最小化を支援します。

内容

なぜ温度監視重要のか

温度は機器やプロセスの性能を示す基本的な指標です。過剰な熱は摩耗した部品、過負荷のコンポーネント、冷却システムの故障による摩擦を示し、異常に低い温度は冷却や低温処理の非効率や問題を示すことがあります。温度の傾向を継続して監視することで、チームは資産の健全性に関する貴重な洞察を得て、予防保全を可能にし、製品品質を保証し、安全な作業環境を促進できます。

温度センサ

図1: 温度センサ

一般温度監視センサ

温度監視には一般的に以下の種類のセンサが使用されます。

  • 熱電対―これらのセンサはゼーベック効果を利用しています。異種金属の2本の線を片方の端(測定接点)で接合すると、その接合部ともう一方の端(基準接点)との温度差により電圧が発生します。この電圧は温度差に比例し、使用された金属の種類によって異なります(例:タイプK、J、T、E)。熱電対は頑丈で安価、広範囲の温度に対応しますが、冷接点補償(CJC)と呼ばれる基準接点補償が必要です。
  • 測温抵抗体(RTD)―RTDは金属の電気抵抗が温度に応じて予測可能に変化する原理を利用しています。通常、セラミックまたはガラスの芯に細いワイヤ(安定性と線形性のため、多くの場合プラチナ)を巻き付けます。RTDは、中程度の温度範囲で高い確度と安定性を提供しますが、一般的に高価で、抵抗測定に励起電流が必要です。
  • サーミスタ―温度変化により抵抗が変わる半導体デバイスです。主に次の2タイプがあります。負の温度係数(NTC)のサーミスタは温度上昇で抵抗が減少し、正の温度係数(PTC)のサーミスタは温度上昇で抵抗が増加します。サーミスタは高感度で小さな温度変化を検出するのに適しており、比較的安価です。ただし、RTDと比較して温度範囲に制限があり、非線形応答であるため、データの解釈が複雑になる場合があります。また、励起電流も必要です。

ワイヤレス振動監視プロセス

図2: ワイヤレス温度監視プロセス

温度監視システム動作原理

コンポーネントやプロセスは通常動作時に特有の熱特性を示します。これらの予想される温度からの逸脱は問題の兆候となる場合があります。温度監視システムはセンサー、DAQハードウェア、およびNI LabVIEWのような専用解析ソフトウェアを使用して温度データを検知、変換、解析します。解析結果に基づき、問題が拡大する前にメンテナンスを予定したりプロセスを調整したりできます。有線および無線システムによる連続オンライン監視やオフライン監視など、さまざまな設定によりデータ収集が容易になります。  

  • 有線オンライン監視―センサはDAQデバイスおよびコンピュータにケーブルで接続されています。この設定は高信頼性、リアルタイムデータ、干渉に強いという利点があります。ただし、取り付けが複雑になったり、ケーブルが破損したり、センサを再デプロイする際に再配線が必要になる場合があります。
  • 無線オンライン監視―センサは温度データを無線でゲートウェイやDAQデバイスへ送信します。この設定により、広範囲のケーブル配線を行うことなく、手の届きにくい場所や危険な場所に配置できます。懸念事項には、バッテリ寿命、ワイヤレスセキュリティ、信号範囲の制限や干渉などがあります。
  • 定期(オフライン)監視―技術者が携帯型機器で定期的に複数箇所の温度を測定します。この設定は連続的ではなく手動による点検のため作業員が機械近くに立ち入る必要があり、柔軟性はあるものの欠点もあります。

温度データ解釈

温度データの解釈には、多くの場合、専用のソフトウェアを使用して、センサによって収集された温度情報を確認します。NI DIAdemなどのツールを使用した解析手法は、単純なしきい値の比較からトレンド解析、さらに複雑な熱モデリングや画像解析まで多岐にわたります。急激な温度上昇、予想されるプロファイルからの逸脱、不整合な測定値などは問題の兆候としてフラグが立てられます。温度監視システムは、冷却システムの起動、負荷の軽減、アラームの発報、重要な温度しきい値超過時の機器停止などの自動処理も設定可能です。

工業アプリケーション

温度監視は工場、加工場、設備管理など多くの産業現場で広く活用されています。 一般的な用途には、以下のようなデバイスやプロセスの監視があります。

  • ベアリングとギアボックス
  • モータと発電機
  • エンジンとタービン
  • ポンプとコンプレッサ
  • 電子コンポーネントとキャビネット
  • プロセス流体とパイプライン
  • HVACシステム
  • 炉とオーブン
  • サーバールームとデータセンター
  • 材料硬化プロセス

設計テストにおける温度監視役割

温度測定は、新製品や材料の設計、検証、試験で電子機器の負荷試験、エンジンコンポーネントの熱サイクル、バッテリの充放電熱性能評価などに不可欠です。エンジニアはNI TestStandなどのツールを用いてシーケンスを自動化し、規定温度範囲内でのコンポーネントの信頼動作を確認し、熱管理システムの効果を検証し、熱ストレス下の材料挙動を理解します。 

温度監視利点

温度監視は以下のような重要な利点を提供します。

  • 過熱や熱故障による予期しないダウンタイムの削減
  • 予知保全とエネルギー使用効率化によるコスト削減
  • 火災や危険物の発生防止による安全性向上
  • 最適な温度範囲での運転による機械寿命の延長
  • 温度最適化によるプロセス制御と製品品質の向上

NIによる温度監視ソリューション

NIの温度入力モジュールは、熱電対のCJC、RTDとサーミスタへの励起電流、フィルタリング、増幅など、正確な測定に必要な信号調整機能を内蔵しています。NI LabVIEWNI FlexLogger™、NI DIAdemなどのソフトウェアを利用して、ユーザは温度データの収集、解析、可視化、レポート作成を行い、包括的な温度監視ソリューションを構築できます。 

NIの温度監視ソリューションは他の方法に比べていくつかの利点を提供します。

  • NIは多様な用途での長年の測定実績があり、そのためNI機器による測定は状態監視専用のハードウェアより高品質です。NI製品はより正確で、タイミングも安定し、信頼性の高い測定を実現します。
  • NIプラットフォームはモジュール式設計で構築されており、効率的に設計でき、アプリケーションの寿命を通じて保守が容易です。固定パーソナリティシステムと異なり、モジュール追加でチャンネルや測定を簡単に拡張できます。
  • NIの高速システムは周期的なバーストだけでなく全データを捕捉可能です。そのため他のシステムが見逃すイベントも記録できます。