デジタル出力センサとは、全範囲にわたって連続的に変動する出力値を生成するアナログ出力センサと異なり、オンまたはオフの2つの値のみを出力するセンサのことです。最もシンプルなデジタルセンサの例は、タッチ式スイッチです。一般的なタッチ式スイッチは、押されていない時には無限抵抗の開回路で、押されるとゼロ抵抗の短絡回路となります。
デジタル出力センサと通信するには、センサとデジタルI/Oデバイスとの互換性を決定付ける要素について考慮する必要があります。このページでは、そのような要素について説明するとともに、お客様のアプリケーションに適したデータ集録デバイスを選ぶ簡単な方法を紹介します。
デジタル出力センサは、以下のパラメータに基づいて分類できます。
技術の発展に伴い、様々な複雑なデジタル出力センサが市場に登場しています。近年では、オン/オフ状態の遷移列を出力するセンサもあります。そのようなセンサを使用すると、周波数特性や、パルス列の形状によってもセンサ計測を行うことができるため、連続的な信号を出力することが可能です。
図1は、出力の基となる信号特性によるデジタル出力センサの分類を示しています。このチャートからわかるように、45%のデジタル出力センサはデジタルラインのオン/オフ変化を出力します。35%は周波数、12%はデューティー比の変化を出力します2。
図1 – デジタル出力センサ – 伝送測定の特性2
センサ計測の信号特性は、工業用デジタルI/Oモジュールを選ぶ際に最初に考慮すべきポイントです。デジタルI/Oモジュールにカウンタが必要かどうか考慮することも重要です。
シンクおよびソースという用語は、負荷における直接電流フローの制御を定義するために使用されます。
ソースとシンクの概念は、操作を実装するコンポーネント(トランジスタ、メカニカルリレーなど)には依存しません。この概念はあらゆるデジタル入出力回路に適用され、その回路を実装するコンポーネントは様々です。
3つ目の分類は、センサのオン状態とオフ状態で電流と電圧の関係を定義する上で重要です。2線式と3線式は、以下のように分類します。
センサがアクティブでない場合、通常オフ状態の漏れ電流と呼ばれる最小動作電流を引き込む必要があります。センサメーカーはこれを残留電流と呼ぶこともあります。この電流は、センサの電子部品が正常に動作するために必要です。残留電流は、センサがデータ集録デバイス以外のロードに直接接続されている場合は問題になりません。例えば工業環境では、2線式センサをモータのような低インピーダンスのデバイスに直接接続するのも珍しいことではありません。
システムで残留電流が問題となるのは、デジタルI/Oモジュールが持ちこたえられる以上の残留電流がセンサに必要な場合です。そのような場合、引き込まれている電流が想定より高いため、デジタルI/Oモジュールは誤ってオン状態を検出する可能性があります。ほとんどの2線式センサのオフ状態の漏れ電流または残留電流は1.7 mA以下となっています。
オフ状態と似たもので、センサのオン状態を維持するのに必要な最小電流というのもあり、最小保持電流と呼ばれます。この電流は通常3~20 mAの範囲になります。デジタルI/Oモジュールがこの電流をシンクまたはソースできないと、センサは正しく動作しません。
これらのデバイスがデジタルI/Oモジュールから引き込む動作電流は負担電流と呼ばれ、通常20 mA前後です。この負担電流は、センサの励起端子から供給します。
センサの信号出力に使用する電子部品としては、通常以下の3種類があります。
メカニカルリレー:メカニカルリレーとは、接点を閉じることにより回路を閉じ、接点を開いて回路を遮断する電気機械デバイスです。高電圧での電流負荷が扱えます。
ソリッドステートリレーに比べると低速で、接点の摩耗や接触抵抗の増加が発生しやすくなります。接点寿命は、負荷電流や動作周波数により異なります。カウンタやデジタルI/Oモジュールに接続すると、接点バウンスにより不安定な結果になる可能性があります。
トランジスタとは、DC電流を制御するためのソリッドステートデバイスです。低DC電力センサで出力スイッチとしてよく使用されています。トランジスタには、NPNとPNPの2つの種類があります。
図6は、NPN(電流シンク)オープンコレクタトランジスタを示しています。
双方向FETデバイス:市販されている多くの光センサの出力部には、図7に示すような双方向FETデバイスというアーキテクチャが採用されています。このアーキテクチャには多くの利点がありますが、中でも重要なのは、TTLおよびCMOS回路と直接接続できる点です。さらに以下のようなメリットもあります。
FETはField Effect Transistor(電界効果トランジスタ)の略で、動作特性が理想モデルに近いため、デジタル出力センサとしての利用に最適です。
デジタルI/Oモジュールを選ぶにあたっては、次の3つの質問に答える必要があります。
この質問の答えに基づき、表Aを参照して、アプリケーションに適したデジタルI/Oモジュールのタイプを確認してください。
表Aでは、シンク/ソース機能に基づいてNIのボードを分類しています。例えばシンク出力を搭載したセンサを使用している場合は、ソース入力を搭載したボードを選ぶ、という具合になります。
センサのオフ状態の漏れ電流とオン状態の最小保持電流がどれくらいか確認してください。
お客様のセンサに最適なデジタルI/Oボードを選択するため、表Bを用いてセンサの仕様とデジタルI/Oボードの仕様を比較します。電圧レベル以外にも、見過ごされがちな以下の2つの状態について確認する必要があります。
1.オフ状態の漏れ電流(センサ)<Low状態での最大入力電流(ボード)
2.最小保持電流(センサ) < High状態での最大入力電流(ボード)
| NIボード | オン/オフ(状態) | 時間ベースセンサ(周波数、デューティサイクルなど) | デジタルI/Oモジュールの出力タイプ | 絶縁タイプ | チャンネル数 |
| NI6601 | — | 〇 | シンク | — | 4 CTR |
| NI 6602/6608 | — | 〇 | シンク | — | 8 CTR |
| NI6624 | — | 〇 | シンク | チャンネル間 | 8 CTR |
| NI 6501 | 〇 | √* | シンク/ソース | — | 24 DIO 1 CTR |
| NI 6509 | 〇 | — | シンク/ソース | — | 96 DIO |
| NI 6514 | 〇 | — | ソース | バンク | 32 DI 32 DO |
| NI 6515 | 〇 | — | シンク | バンク | 32 DI 32 DO |
| NI 6518 | 〇 | — | ソース | バンク | 16 DI 16 DO |
| NI 6519 | 〇 | — | シンク | バンク | 16 DI 16 DO |
| NI 6520/6521 | 〇 | — | シンク/ソース | チャンネル間 | 8 DI 8 DO |
| NI 6525 | 〇 | √* | シンク/ソース | チャンネル間 | 8 DI 8 DO 1 CTR |
| NI 6528 | 〇 | — | シンク/ソース | チャンネル間 | 24 DI 24 DO |
| NIボード | 電圧入力 | 電流入力 | 最大スイッチ容量 | ||||
| 入力論理Low電圧(VIL) | 入力論理High電圧(VIL) | 最大入力電流(Low) | 最大入力電流(High) | ||||
| 最小 | 最大 | 最小 | 最大 | ||||
| NI6601 | -0.3 VDC | 0.8 VDC | 2 VDC | +0.3 VDCを��給 | -10 µA | 200 µA | 4 mA |
| NI 6602/6608 | -0.3 VDC | 0.8 VDC | 2 VDC | +0.3 VDCを��給 | -10 µA | 200 µA | 4 mA |
| NI6624 | — | 0.8 VDC | 3.2 VDC | 48 VDC | 0.1 mA | 10 mA | 200 mA |
| NI 6501 | -0.3 VDC | 0.8 VDC | 2 VDC | 5.8 VDC | — | — | ±8 mA |
| NI 6509 | 0 VDC | 0.8 VDC | 2 VDC | VCC | -91.0 µA | 91.0 µA | ±24 mA |
| NI 6514 | 0 VDC | ±4 VDC | ±11 VDC | ±30 VDC | 4.5 mA/ライン | 12.5 mA/ライン | 350 mA |
| NI 6515 | 0 VDC | ±4 VDC | ±11 VDC | ±30 VDC | 4.5 mA/ライン | 12.5 mA/ライン | 500 mA |
| NI 6518 | 0 VDC | ±4 VDC | ±11 VDC | ±30 VDC | 4.5 mA/ライン | 12.5 mA/ライン | 350 mA |
| NI 6519 | 0 VDC | ±4 VDC | ±11 VDC | ±30 VDC | 4.5 mA/ライン | 12.5 mA/ライン | 500 mA |
| NI 6520/6521 | 0 VDC | ±4 VDC | ±11 VDC | ±30 VDC | 4.5 mA/チャンネル | 12.5 mA/チャンネル | 2 A |
| NI 6525 | -60 VDC | 1 VDC | 3.2 VDC | 60 VDC | 3.0 mA/チャンネル | 3.0 mA/チャンネル | 500 mA |
| NI 6528 | -60 VDC | 1 VDC | 3.2 VDC | 60 VDC | 1.5 mA | 2 mA | 150 mA |
測定タイプ:流量計測
製造元:宝石センサ
デジタル出力タイプ:周波数
測定タイプ:加速度(ADXL202、±2 g 2軸加速度計)
製造元:アナログデバイス
デジタル出力タイプ:デューティサイクル(TTL、CMOS互換)
測定タイプ:位置スイッチ(メカニカルリレー)
製造元:シュメルザール
デジタル出力タイプ:ON-OFF出力。
その他のデジタル出力センサメーカー
・オメガ
· Omron
· エンコーダ製品株式会社
· US.センサ
・センサテック
· Watlow
· PCBピエゾトロニクス
· 除草器
· 特殊測定
・セレスコ
· Endevco社
· マクロセンサ
· Transducer Techniques Inc.
1 本ページ全体を通して、「デジタルI/Oモジュール」とはデジタル出力センサに接続されたデータ集録デバイスのことを示しています。
2 Kirianaki, Yurish, Shpak, Deynega.Data Acquisition and Signal Processing for Smart Sensors, 2002 [ISBN 0-470-84317-9].