NI Connect 2025で、AIを搭載したNIの新しいテスト/計測ツールであるNigel™ AIアドバイザが 世界に発表されました。Microsoft Azure OpenAIを搭載したNigelは、NIプラットフォームに関する豊富な知識を活かして、NI LabVIEWとNI TestStandをさらに強力なものにします。Nigelが役立つ7つの項目についてご説明します。

1. サンプルの検索―優れたサンプルは、コーディングのベストプラクティスを学ぶための最適な方法であるだけでなく、新しいアプリケーションの開始点として時間の短縮につながります。Nigelは、アプリケーションの設定方法を示すサンプルを見つけるお手伝いをします。
2. 特定のタスクの手順を提供―自分の言葉で何をしたいかをNigelに伝えると、アドバイザがタスクを完了するための手順を段階的に説明してくれます。
3. 主要概念の説明―新しいソフトウェア製品や一般的なプログラミング方法の学習は、新しい言語を学ぶことに似ています。Nigelがそれを簡単にしてくれます。たとえば、アプリケーションでループを使用する際の基本や、オブジェクト指向プログラミングの使用を検討するタイミングなどのトピックについて、Nigelがお手伝いします。
4. 既存のテストIPの機能の説明―前任者や別のチームなど、他の人が作成したコードを継承する場合、プログラミングのどの部分が何を実行するかを理解するのに苦労する場合があります。Nigelはコードのさまざまな部分の機能を説明することができます。
5. 適切な設定の検索―NIの高度にカスタマイズ可能なソフトウェアには、多くのオプションと設定が用意されています。Nigelを使用すると、検索に時間を費やすことなく、使用するNIソフトウェアに適したダイアログボックスやメニューをすばやく見つけることができます。
6. ドキュメントの要約―Nigelは、長く複雑なドキュメントのトピックを短く要約し、要点をより迅速に把握できるようにします。必要に応じて、さらに深く調べることができるように、情報のソースを引用してもらうこともできます。
7. NIハードウェアに関する質問―Nigelは、ソフトウェアに詳しいだけではありません。コネクタ情報やピンの機能など、NIハードウェアに関する質問に答えたり、エイリアスを回避するための推奨サンプリングレートなど、テストと計測の概念に関する一般的な知識を提供することもできます。

NigelはLabVIEW IDEに統合されており、図1と図2に示すように、メニュー、ツールバー、詳細ヘルプウィンドウから簡単にアクセスできます。

図1: NigelはVIツールバーからアクセス可能

図2: 詳細ヘルプメニューからもNigelにアクセス可能

NigelはTestStandシーケンスエディタに統合されており、ツールバーからアクセスできます。

図3:  ツールバーからNigelにアクセス

Nigelは、Emersonの安全で堅牢なクラウドオペレーションプラットフォーム上に構築されています。Nigelで使用されている基本モデルは、Microsoftが提供するクラス最高のOpenAIモデルです。これらのモデルを使用することで、Microsoftは弊社が使用するOpenAI APIのプライバシーとセキュリティを保証しています。Nigelは、データを保存したり、大規模な学習モデルのトレーニングに使用したりすることはありません。

LabVIEWやTestStandなどNIのデスクトップソフトウェア製品とNigelクラウドサービス間の通信は、Web標準のトランスポート層セキュリティ (TLS) で暗号化されたトラフィックです。このトラフィックは署名付き証明書 (クラウド用) で認証され、OpenAIモデル (mtls) と通信する場合は、双方で署名付き証明書を使用して認証されます。

Nigelは、第3四半期にLabVIEWおよびTestStand 2025からお客様の生産性の向上をお手伝いします。弊社は、Nigelをテストと計測の専門技術で補強していくことに今後も尽力いたします。基盤となるAIテクノロジーの急速な発展を活用することで、Nigelは迅速に学習および改善し、お客様のデータとIPの管理を維持しながら、テスト開発を加速することに貢献します。