NI Linux Real-​Time​の​概要

概要

ナショナル​イン​ス​ツル​メンツ​では、​長年​の​研究​開発​と、​オープン​ソース​コミュニティ​と​の​取り組み、​パートナー​企業​の​協力​により、​Linux​ベース​の​リアルタイム​OS(RTOS)​を​開発​しま​した。​RTOS​は、NI cRIO-9068​コントローラNI myRIOCompactRIO​高性能​コントローラなど、​一部​の​NI​ハードウェア​に​搭載​さ​れ​てい​ます。​この​新しい​Linux RTOS​は、​LabVIEW Real-​Time​モジュール​で​NI LabVIEW​開発​環境​によって​フル​サポート​さ​れ​てい​ます。

この​ドキュメント​では、​新しい​Linux​ベース​の​RTOS​について​紹介​し、​この​技術​の​主​な​メリット​と​性能​について​解説​し​ます。​新しい​Linux​ベース​の​RTOS​では、​サポート​する​ハードウェア​ターゲット​において、​使い慣れた​LabVIEW​ソフトウェア​アプリケーション​開発​環境​を​使用​できる​という​大きな​メリット​が​あり​ます。​NI Linux Real-​Time OS​の​ローレベル​プログラミング​の​詳細​について​は、NI Linux Real-​Time​が​提供​する​新​機能を​参照​し​て​くだ​さい。

内容

NI Linux Real-​Time​の​進化

Linux​は、​これまで​組​込​システム​開発​で​長​く​使用​さ​れ​て​き​ま​した。​それ​は​主に、​無料​かつ​オープン​ソース​で​あり、​コミュニティ​により​育て​ら​れ​サポート​さ​れ​て​きた​ため​です。​初期​の​組​込​ソフトウェア​開発​者​は、​Linux​は​RTOS​では​ない​と​結論​付け、​組​込​アプリケーション​向け​に​Linux​と​専用​RTOS​を​結合​した​ハイブリッド​方式​を​数多く​開発​する​に​い​たり​ま​した。

組​込​システム​設計​で​使用​する​Linux​が​ハイブリッド​ソリ​ュ​ー​ション​から​さらに​成熟​すると、​開発​者​は​Linux​カーネル​自体​の​確定​性​を​高める​機能​を​加える​よう​に​なり​ま​した。​さらに​最近​では、​PREEMPT_RT​パッチ​セット​は、​Linux​カーネル​の​改善​努力​を​上​回り、​Linux​で​リアルタイム​性能​を​実現​する​ため​の​方式​として​次第に​認知​さ​れ​て​き​てい​ます。​ナショナル​イン​ス​ツル​メンツ​では、​PREEMPT_RT​パッチ​を​使用​し​て、​cRIO-9068​コントローラ​で​使用​できる​Linux​ベース​の​RTOS​を​作成​しま​した。​PREEMPT_RT​パッチ​セット​の​詳細​について​は、A Real-​Time Preemption Overview(英語)を​参照​し​て​くだ​さい。

NI Linux Real-​Time​の​メリット

過去​に​は、​リアルタイム​性能​を​確保​する​ため​に​ユーザビリティ​を​犠牲​に​してき​ま​した。​しかし​新しい​NI Linux Real-​Time​では、​Linux​カーネル​が​本来​持つ​メリット​を​最大限​に​生​かし、​ユーザビリティ​を​強化​する​こと​が​でき​ま​した。​そのため​NI Linux Real-​Time​に​は​当然​の​よう​に​専用​RTOS​と​同等​の​リアルタイム​性能​が​備​わ​って​おり、​しかも​ユーザビリティ​が​犠牲​に​な​って​いま​せん。​RTOS​の​ユーザビリティ​が​向上​した​例​として、​汎用​Linux​から​取り​込​ん​だ​実装​済み​の​安定​した​ネットワーク​スタック​が​あり​ます。​新しい​Linux​ベース​の​RTOS​を​サポート​する​リアルタイム​ターゲット​は、​ネットワーク​スタック​の​向上​により、​真​の​デュアル​DHCP​ネットワーク​インタフェース​カード​(NIC)​を​サポート​する​こと​が​でき、​再​起動​し​なく​て​も​ネットワーク​設定​や​時間​設定​の​変更​を​適用​できる​ほか、​IPv6​や​SNMP​など​の​通信​プロトコル​の​サポート​が​拡充​さ​れ​てい​ます。​さらに​別​の​例​として、​新しい​NI CompactRIO​高性能​コントローラ​に​搭載​さ​れ​て​いる​NI Linux Real-​Time​の​ローカル​HMI​向け​ディスプレイ​サポート​が​あり​ます。

さらに​Linux​は、​市場​で​最も​普及​し​て​いる​専用​RTOS​さえ​も​はるかに​凌ぐ​ユビキタス​性​を​備え​て​いる​ため、​この​新しい​RTOS​は​IP​や​ツール​の​エコ​システム​が​さらに​充実​し​て​いる​と同時に、​経験​豊富​な​ユーザ​の​大部分​が​RTOS​の​持つ​力​を​利用​できる​よう​に​なり​ます。​NI Linux Real-​Time OS​を​サポート​する​リアルタイム​ターゲット​を​使用​する​際、​Linux​が​提供​する​エコ​システム​によって​ソリューション​の​機能​を​より​自由​に​補強​できるだけ​で​なく、​社内​に​精通​した​技術​者​がい​なく​て​も​多く​の​経験​豊富​な​Linux​ユーザ​を​活用​する​こと​が​でき​ます。​専用​センサ​など​の​サード​パーティ​周辺​ハードウェア​の​サポート​を​簡単​に​追加​でき​たり、​C/​C​+​+コード​を​簡単​に​統合​できる​など、​NI Linux Real-​Time​に​は​多く​の​メリット​が​あり​ます。

使い​やす​さや​エコ​システム​以外​の​メリット​として、​NI Linux Real-​Time​は​多く​の​専用​RTOS​と​異​なり​真​の​デュアル​モード​OS​で​ある​という​点​が​あり​ます。​デュアル​モード​OS​で​ある​NI Linux Real-​Time​は、​非常​に​高い​回復​能力​を​持​って​い​ます。​アプリケーション​が​クラッシュ​し​て​も、​システム​を​実行​を​継続​し、​大きな​中断​も​なく​アプリケーション​の​障害​から​復帰​する​こと​が​でき​ます。​また、​マルチタスク​の​サポート​も​容易​に​なる​ため、​複数​の​プログラム​を​並列​実行​する​こと​が​でき​ます。​例えば、​LabVIEW Real-​Time​アプリケーション​と同時に、​リアルタイム​ターゲット​上​で​データベース​を​直接​実行​する​こと​が​可能​です。

最後​の​メリット​として、​この​新しい​RTOS​は、​ユーザ​アカウント​管理​と​ユーザ​ファイル​システム​許可​の​処理​能力​において​優​れ​てい​ます。​これ​も​やはり​Linux​による​メリット​です。​ユーザ​による​操作​も、​NI Linux Real-​Time​を​サポート​する​組​込​デバイス​により​簡単​に​記録​でき​ます。​さらに、​VPN​や​Firewall​など​の​セキュリティ​機能​が​搭載​さ​れ​てい​ます​ので、​ネットワーク​セキュリティ​の​ため​だけ​に​外部​ハードウェア​を​追加​する​必要​は​ありま​せん。

高性能

NI Linux Real-​Time​は、​現行​の​CompactRIO​ターゲット​に​搭載​さ​れ​て​いる​専用​RTOS​に​匹敵​する​リアルタイム​性能​を​備え​てい​ます。​NI Linux Real-​Time​ターゲット​の​ジッタ​は、​ナショナル​イン​ス​ツル​メンツ​が​提供​する​現行​リアルタイム​システム​の​ジッタ​と​変わり​ま​せん。​実​世界​の​制御/​スト​リー​ミン​グ​アプリケーション​において​も、​新しい​Linux Real-​Time​ベース​の​CompactRIO 9068​なら、​制御/​スト​リー​ミン​グループ​が​より​少ない​プロセッサ​使用​で​高速​実行​できる​ため、​パフォーマンス​が​劇的​に​向上​し​ます。​Linux​ベース​の​RTOS​が​提供​する​性能​について​詳​しく​は、NI cRIO-9068: 性能​と​スループット​の​ベンチマークNI CompactRIO​高性能​コントローラ: 性能​と​スループット​の​ベンチマークを​参照​し​て​くだ​さい。

性能​を​維持​し​つつ​改良​を​実現

NI Linux Real-​Time​は、​リアルタイム​アプリケーション​の​厳しい​要件​に​応える​性能​を​維持​し​つつ、​大幅​な​改良​を​実現​し​てい​ます。​性能​ベンチマーク​が​示す​よう​に、​NI Linux Real-​Time​の​ジッタ​は​現行​の​リアルタイム​システム​の​ジッタ​と​変わり​ま​せん​が、​システム​レベル​の​性能​は​専用​RTOS​に​比べ​大幅​に​向上​し​てい​ます。

また​LabVIEW​再​構成​可能​I/​O(RIO)​アーキテクチャ​が​提供​する​ポータブル​性​や​生産​性、​抽象​化​性能​は、​NI Linux Real-​Time​を​サポート​する​ターゲット​に​も​拡張​さ​れ​てい​ます。​新しい​RTOS​でも​LabVIEW​ソフトウェア​開発​環境​は​全て​の​NI​組​込​ターゲット​において​統一​さ​れ​て​いる​ため、​他の​NI​組​込​ハードウェア​から​NI Linux Real-​Time​ベース​の​ターゲット​に​も​コード​の​シームレス​な​移動​が​可能​です。​この​新しい​技術​を​活用​する​ため、​NI Linux Real-​Time​対応​ターゲット​に​今​すぐ​アップ​グレード​さ​れる​こと​を​お​勧め​し​ます。

NI Linux Real-​Time​の​詳細​情報

Linux is the registered trademark of Linus Torvalds in the U.S. and other countries.