NI-XNETインタフェースは、低レベルマイクロコントローラインタフェースの性能と柔軟性に、Windows/LabVIEW Real-Time OS開発のスピードとパワーを兼ね備えたインタフェースです。HILシミュレーションなど要件の厳しいアプリケーションでの性能や使いやすさを追求してゼロから設計されているため、取り扱う信号数が多く、低いレイテンシが求められる用途に最適です。
NI-XNETの性能の鍵を握る技術は、特許出願中のNI-XNETデバイス駆動型DMAエンジンです。この技術を導入することで、PCベースのCAN/FlexRayインタフェースで課題となるシステム遅延をms(ミリ秒)からμs(マイクロ秒)のオーダに短縮しました。このエンジンによって、ポートごとのオンボードプロセッサはCAN/LIN/FlexRayのフレームと信号を、CPUを介さずにインタフェースとユーザプログラム間で転送することができるため、ホストプロセッサを複雑なモデルやアプリケーションの処理に使用することができます。
対応ネットワーク、ポート数 | PCI | PXI | Cシリーズ | USBシリーズ |
NI-XNET FlexRay、2ポート | PCI-8517/2 | PXI-8517/2 | ||
NI-XNET CAN、低速/フォールトトレラント、1ポート | PCI-8511 | PXI-8511 | NI 9861 | |
NI-XNET CAN、低速/フォールトトレラント、2ポート | PCI-8511/2 | PXI-8511/2 | ||
NI-XNET CAN、高速/フォールトトレラント、1ポート | PCI-8512 | PXI-8512 | NI 9862 | USB-8502/1 |
NI-XNET CAN、高速/フォールトトレラント、2ポート | PCI-8512/2 | PXI-8512/2 | USB-8502/2 | |
NI-XNET CAN、ソフトウェア選択可能/フォールトトレラント、1ポート | PCI-8513 | PXI-8513 | ||
NI-XNET CAN、ソフトウェア選択可能/フォールトトレラント、2ポート | PCI-8513/2 | PXI-8513/2 | ||
NI-XNET LIN、2ポート | PCI-8516/2 | PXI-8516/2 | USB-8506/2 | |
NI-XNET LIN、1ポート | NI 9866 | USB-8506/1 |
図1. CAN信号の読み込み/書き出し(リード/ライト)の簡単なNI-XNETサンプルコード
図2. セッション入力を変更するだけで、図1と同じNI-XNETコードがFlexRay信号の読み込み/書き出しに対応
自動車業界では、組込ネットワークの性能を最大化しながらも、コスト優位性を維持しつつ、新規格への移行に伴う労力を軽減するため、CAN/LIN/FlexRayバスを組み合わせて使う手法が普及し始めています。共通のAPIを使えば、こうしたハイブリッド型の組込ネットワークの試作やシミュレーション、テストに向けたアプリケーションの開発や保守が簡単になります。FlexRayバスを採用すれば、性能をさらに高められるというメリットがある半面、テスト/シミュレーション/試作に向けたシステムが複雑になる上、より広い帯域幅が必要になります。
NI-XNET APIは、FlexRay/LIN/CANに精通したエンジニアでも初めて取り組むエンジニアでも、FlexRay/LIN/CANアプリケーションをすぐに使いこなせるように設計されています。LabVIEWプロジェクトや、すぐに利用可能な140例を超えるサンプルコード、信号データベースのサンプル、各種ドキュメントを緊密に統合しているため、CAN/LIN/FlexRayアプリケーションの開発が簡単になります。また、PCI、PXI、CompactDAQ、CompactRIOで共通のNI-XNET APIを使用すれば、同じソフトウェアアプリケーションを異なる環境や状況でも簡単に使用することができます。
高精度のHILシミュレーションやRCP(ラピッドコントロールプロトタイピング)では、CAN/LIN/FlexRayの信号やフレームデータをリアルタイムで処理することが極めて重要です。NI-XNETデバイス向けのLabVIEWアプリケーションは、コードをほとんど変更することなく、WindowsとLabVIEW Real-TimeいずれのOS上でも動作するため、複数のプラットフォームにわたるコードの開発や保守も簡単です。NI-XNETインタフェースは、リアルタイム環境においてジッタを最小に抑えつつ高い性能が得られるように設計されているため、シミュレーションの精度やテストシステムの信頼性を高めることが可能です。
NI-XNETインタフェースは、WindowsやLabVIEW Real-Time OSを採用した開発環境の速度やパワーと、低レベルのマイクロコントローラインタフェースが持つ性能とを兼ね備えています。特許出願中のNI-XNETデバイス駆動型DMAエンジンを導入することで、PCをベースにしたCANインタフェースにおいて共通の課題となっていたシステム遅延を、ms(ミリ秒)からμs(マイクロ秒)に短縮できます。このエンジンによって、各ポートのオンボードプロセッサは、CAN/FlexRayのフレームや信号をインタフェースとユーザプログラムの間でCPUを介在させることなく転送することが可能です。このためホストプロセッサを複雑なモデルやアプリケーションの処理に使用することができます。
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